2008年に導入されたふるさと納税制度。
当初から税制のあり方として賛否両論渦巻いていたが、ここにきて様相が激変。
豪華特典で寄付金を集める自治体間競争の場となってきたのだ。
この制度は本来、自分の住んでいる自治体に納めるべき税金の一部を、自分のふるさとや応援したい自治体に寄付の形で自らの判断で納税できる制度としてスタートした。
都会で活躍する人がふるさとに恩返しをする、あるいは田舎に年老いた親を残しているのでせめてもの感謝の気持ちを寄付で表す、といったケースなどが考えられた。
寄付金から2千円を引いた金額が所得税還付や住民税減額で戻ってくる。
例えば、家族構成や住宅ローンの有る無しなどで違ってくるが、年収500万円の夫婦のみの場合、全額控除される目安が3万円なので、3万円寄付すれば2万8千円がバックしてくることになる。
寄付者が住む都会の自治体は税収が若干減るので不満はあり、税理論としても批判はあったが、「ふるさと」という言葉に惑わされ、納税者の自己決定権も魅力で、なんとなく受け入れられてきた制度だった。
ところが自治体財政きびしい折、寄付金集め策を考えた自治体側は、例えば3万円寄付してくれた人にうちの村の特産和牛5千円相当を特典として送ります!といったアイデアを考え出した。
村は5千円の特典を付けても3万円の寄付が入れば2万5千円が歳入に残る。
寄付する人は、実質2千円の負担で5千円の肉がもらえるから、全国から殺到する。
寄付が増えれば自治体財政も潤うし、地元の生産者も大喜びだ。
県内では、たとえば穴水町はこんな特典で一気に寄付金を増やした。
かほく市は10万円以上の寄付で特典はなんとルビーロマン!
輪島市も負けてはおれないと来年度からの豪華特典に踏み出した。
北國新聞(8月26日)
全国各地、特典競争である。
ネットで「ふるさと納税」を検索すれば「人気ランキング」が登場する(たとえばこちら)。
もはや「ふるさと」は関係ない。
特典による寄付金集め競争でる。
寄付者は特をする。
受ける自治体も得をする。
地元業者も得をする。
損をするのはとりあえず国庫と寄付者の住む自治体。
歳入の歪みが出てくるが、しかし問題はこれだけでは済まない。
ふるさと納税は都市住民が田舎に寄付することを想定していたが、制度自体は田舎から都市でもいいし、田舎から田舎でもいい。
例えば、珠洲市民が珠洲市に納付するはずの税金を輪島市に寄付してもいい。輪島市民が穴水町に寄付してもいいのである。
穴水町民が宮崎県綾町の和牛がほしいからと綾町に寄付してもいいのである。
家計だけを考えればその方が得をするのがこの制度だ。
全国各地でふるさと納税の奪い合いである。
3万円で1万円の特典を付けても、当該自治体は損をしない。
いやうちは1万5千円だ!とやってもその自治体は損をしない。
ふるさと納税の奪い合いになりかねない。いやすでに始まっている。
(ちなみに珠洲市はこの特典競争には参加していない)
こんな問題もある。
高額納税者は特典付きの自治体に分散して寄付してもいい。
和牛やカニ、有機米、ブリなどなど、高額納税者ほど文字通りおいしい目にあえるのがこの制度である。
片山善博元総務大臣は、これらの問題に加え、さらにとばっちりを受ける団体があると指摘する。
自治体への寄付がことのほか優遇されるために、福祉法人やNPO法人、学校法人などの寄付が相対的に集まりにくくなるという。
特典を付け、歳入増目指して突き進む個々の自治体を批判するつもりはない。
制度自体が欠陥なのだ。
こんなとんでもない制度を安倍政権はさらに拡充する方針だという。
朝日新聞(7月24日)
ここで安倍首相は「ふるさと納税と特産品を合わせるのはすばらしいやり方だ」と特典争いを絶賛し、さらに煽ろうとしている。
この制度の提唱者である福井県の西川知事は過熱する特典競争を巡って「節度ある対応を」と呼びかけ、「政策を競い合う方向へ」と提案し、自ら政策で寄付金を集める方向で知恵を絞っている。
一見、正論のようだが、ふるさと納税を巡って政策を競い合うというやり方も果たして妥当かどうか・・・
辺野古の米軍基地建設問題で揺れる名護市を巡って「米軍再編交付金と「ふるさと納税」制度」という一文を以前書いたことがある。
政策とふるさと納税の関係を考えるにあたって、こちらもご笑覧いただければと思う。
いずれにしても自治体を混乱させ、正直者がバカを見るようなこのような制度は一刻も早くリセットするしかない。
統一自治体選挙前の人気取りで、ローカルアベノミクスとか言ってさらに制度拡充などとんでもないと言わざるをえない。
当初から税制のあり方として賛否両論渦巻いていたが、ここにきて様相が激変。
豪華特典で寄付金を集める自治体間競争の場となってきたのだ。
この制度は本来、自分の住んでいる自治体に納めるべき税金の一部を、自分のふるさとや応援したい自治体に寄付の形で自らの判断で納税できる制度としてスタートした。
都会で活躍する人がふるさとに恩返しをする、あるいは田舎に年老いた親を残しているのでせめてもの感謝の気持ちを寄付で表す、といったケースなどが考えられた。
寄付金から2千円を引いた金額が所得税還付や住民税減額で戻ってくる。
例えば、家族構成や住宅ローンの有る無しなどで違ってくるが、年収500万円の夫婦のみの場合、全額控除される目安が3万円なので、3万円寄付すれば2万8千円がバックしてくることになる。
寄付者が住む都会の自治体は税収が若干減るので不満はあり、税理論としても批判はあったが、「ふるさと」という言葉に惑わされ、納税者の自己決定権も魅力で、なんとなく受け入れられてきた制度だった。
ところが自治体財政きびしい折、寄付金集め策を考えた自治体側は、例えば3万円寄付してくれた人にうちの村の特産和牛5千円相当を特典として送ります!といったアイデアを考え出した。
村は5千円の特典を付けても3万円の寄付が入れば2万5千円が歳入に残る。
寄付する人は、実質2千円の負担で5千円の肉がもらえるから、全国から殺到する。
寄付が増えれば自治体財政も潤うし、地元の生産者も大喜びだ。
県内では、たとえば穴水町はこんな特典で一気に寄付金を増やした。
かほく市は10万円以上の寄付で特典はなんとルビーロマン!
輪島市も負けてはおれないと来年度からの豪華特典に踏み出した。
北國新聞(8月26日)
全国各地、特典競争である。
ネットで「ふるさと納税」を検索すれば「人気ランキング」が登場する(たとえばこちら)。
もはや「ふるさと」は関係ない。
特典による寄付金集め競争でる。
寄付者は特をする。
受ける自治体も得をする。
地元業者も得をする。
損をするのはとりあえず国庫と寄付者の住む自治体。
歳入の歪みが出てくるが、しかし問題はこれだけでは済まない。
ふるさと納税は都市住民が田舎に寄付することを想定していたが、制度自体は田舎から都市でもいいし、田舎から田舎でもいい。
例えば、珠洲市民が珠洲市に納付するはずの税金を輪島市に寄付してもいい。輪島市民が穴水町に寄付してもいいのである。
穴水町民が宮崎県綾町の和牛がほしいからと綾町に寄付してもいいのである。
家計だけを考えればその方が得をするのがこの制度だ。
全国各地でふるさと納税の奪い合いである。
3万円で1万円の特典を付けても、当該自治体は損をしない。
いやうちは1万5千円だ!とやってもその自治体は損をしない。
ふるさと納税の奪い合いになりかねない。いやすでに始まっている。
(ちなみに珠洲市はこの特典競争には参加していない)
こんな問題もある。
高額納税者は特典付きの自治体に分散して寄付してもいい。
和牛やカニ、有機米、ブリなどなど、高額納税者ほど文字通りおいしい目にあえるのがこの制度である。
片山善博元総務大臣は、これらの問題に加え、さらにとばっちりを受ける団体があると指摘する。
自治体への寄付がことのほか優遇されるために、福祉法人やNPO法人、学校法人などの寄付が相対的に集まりにくくなるという。
特典を付け、歳入増目指して突き進む個々の自治体を批判するつもりはない。
制度自体が欠陥なのだ。
こんなとんでもない制度を安倍政権はさらに拡充する方針だという。
朝日新聞(7月24日)
ここで安倍首相は「ふるさと納税と特産品を合わせるのはすばらしいやり方だ」と特典争いを絶賛し、さらに煽ろうとしている。
この制度の提唱者である福井県の西川知事は過熱する特典競争を巡って「節度ある対応を」と呼びかけ、「政策を競い合う方向へ」と提案し、自ら政策で寄付金を集める方向で知恵を絞っている。
一見、正論のようだが、ふるさと納税を巡って政策を競い合うというやり方も果たして妥当かどうか・・・
辺野古の米軍基地建設問題で揺れる名護市を巡って「米軍再編交付金と「ふるさと納税」制度」という一文を以前書いたことがある。
政策とふるさと納税の関係を考えるにあたって、こちらもご笑覧いただければと思う。
いずれにしても自治体を混乱させ、正直者がバカを見るようなこのような制度は一刻も早くリセットするしかない。
統一自治体選挙前の人気取りで、ローカルアベノミクスとか言ってさらに制度拡充などとんでもないと言わざるをえない。
得なのはわかっていますが、私はしません。
マスコミでは、全くこの問題を取り上げませんね。それもおかしなことです。
「ふるさと」の意味をよく考えなおして、なんらかのゆかりのある自治体だけに限定するような制度にかえてほしいと思います。
今はふるさと納税で税収増○億円というのがニュースになってますが、都市部も含め参入自治体が増えると、ふるさと納税で減収○億円!ってニュースが飛び交うんじゃないでしょうか。もはや「ふるさと」は関係なし、地方税の奪い合いで、自治体の何割かは自主財源が減少し、福祉や教育など身近な暮らしにしわ寄せが出てくるんじゃないでしょうか。競い合って総額が増えるんならまだしも、地方税総額はどんどん減少するバカな制度だと思います。
自分たちの知恵と努力により財政を集める事が出来て民意の力で地方財政を豊かにしふるさと納税をきっかけに地方が自力での再建を行う糸口になればと考えてます。
税金がどこからともなく湧いて膨らんだわけではありません。寄付者居住地の自治体(住民の負担)と国庫(交付税特別会計=国民の負担)です。加熱する返礼品競争で応益負担の地方税の趣旨が歪め、さらに高額納税者ほど多額の返礼品の恩恵に預かれる実質的な「節税手段」でもあることから、格差拡大政策とも言えます。
自治体は財政をコントロールできるようになったのではなく、寄付金獲得競争を煽られているだけではないでしょうか?
ふるさと納税の良いところは自治体が知恵を絞り少しでも稼ごうとする意識改革だと思います。
こんな知恵が自治体さんに今ままでありましたか?
不満のある方はじゃあ、無くしてどうするんだと。次のプランまで立てて話をしてもらいたい。
せっかく自分達で税金をコントロールする術を許可頂いたのに手放すべきではないと思います。
今の地方は壊滅的です。住民主導で住民税の一部を使える、しかも年に一回。こんな消費刺激は世界でもないはず。
無くすのは簡単ですが作るのは大変です。
ふるさと納税というネーミングも反感の1つかなと思います。
いっその事、地方創生策というネーミングに変えて外資の商品はダメで地元と繋がりのある国内商品としてみてはどうかと思います。
あと、反対してる人はやってない人なんでしょうね。おそらく手続きが面倒でやってないのが大半なのかな。
自分の納税先を決めるとんでもないイノベーションな制度なのに、やってない中で批判だけはする、、、日本人らしいと思います。
自分たちの住んでるところの行政サービスがふるさと納税されたら下がるとか同じ地域の他人の権利行使を妨げる愚かな行為、、、。
口よりも行動を起こして勝手にあなた自身で納税して自分の住んでる地域に貢献下さい、それもまた自由なんだから。
僕は絶対にやめてはいけないと思う。
ふるさと納税は地域を改革できる唯一の現行に存在する制度だと思います。
また都会の人は地方での生産があって生かせれてる事を痛感するいい機会でしょう。