北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

正院小学校研究発表会に参加 ・・・ESDってなに?

2015-10-22 | 教育
  

今日は正院小学校の研究発表会。私も参加させてもらった。
正院小学校の今年度の児童数は39人。
2年前から複式2クラスの小規模校である。
研究主題は「確かな活用力の育成 -子どもがつながる授業を通して-」。
「活用力」を育てるには「課題解決型の授業」が有効との考えに基づき指導法を研究している。

2,3年、4,5年の複式学級では先生が直接指導しない間接指導時に子どもたちが自ら学ぶ、自ら授業をつくっていく姿勢がしっかり現われてる。
先生もこっちで教えていたかと思うと次は反対側へ、3年生に語りかけながら2年生もしっかり視野に入っていて、教える時間と考えさせる時間を実にうまく組み合わせている。授業準備は大変だと思うが・・・
課題把握、自力解決、考え発表、学び合い、まとめという展開だそうだ。
今月1日から新教育長に就任した多田先生も学習の定着に複式学級の効果は大きいとし、珠洲の教育にとって複式は決してマイナスにならないとの認識を示しつつ、複式の授業力のさらなる向上を課題として掲げた。

  

公開授業の後は全体会。
概要の説明、講評に続き、講演はこの間、正院小学校の研究活動を指導してきた金沢大学の加藤隆弘先生。
テーマは「『活用力』が育つ基盤づくり」。
ここで私が初めて聞いた言葉が「ESD」。
Education for Sustainable Developmennt つまり「持続可能な開発のための教育」のことで、このESDが基盤づくりのヒントとのこと(ほとんど私には理解できてません)。

これまでユネスコスクール(県内では金沢市の多くの小中学校が加盟している)がESDの推進拠点となっていて、現在の学習指導要領にもその考え方が盛り込まれているそうだ。これまでESDに積極的に取り組んできた人たちの間では、今後の指導要領の改訂ではESDの視点がより明確に示されることが期待されているらしい。
Sustainable Developmennt は環境問題や人権、開発問題などに取り組んできたNGOが声を枯らして訴えてきた課題で、ESDももちろんNGOの働きかけがあったからこそ。
ちなみにESDで重視する能力・態度の1番目に掲げられているのが「批判的に考える・判断する力」、2番目は「未来像を予測して計画を立てる力」とのこと。

ESDが日本の教育の中にしっかり位置づけられるのは結構なことだと思うが、先般の若山小学校の発表会で学んだアクティブ・ラーニング同様、たとえ良いことでも、文科省が縛りをかけてくるのは、さてどうなのか。
それ以前の問題だが、今朝の新聞でも「アベ政治批判を許さない教育」が報道されている。そんな中、日本の教育の中で果たしてESDが生き続けられるのかどうかも心配だ。
いずれにしても今回の発表会も知らないことを学ぶきっかけに。感謝。


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