北國新聞(8月10日)
北陸電力は多くの人がお盆休みに入る今週、志賀原発2号機の再稼働に向け、原子力規制委員会に新規制基準の適合性審査の申請をおこなう方針を固めたとのこと。
敷地内の断層の活動性について、規制委員会の審査の結論が出ていない段階での申請である。
5点指摘しておきたい。
1.敷地内活断層の将来にわたっての活動の可能性について否定できていない段階で、再稼働に向けた適合性審査の申請をするとは「非常識」の一言。志賀1号機建設前から一貫した「安全より目先の経営第一」の方針の繰り返し。
2.原発を保有する9電力の中で申請していないのは北陸電力だけだった。川内原発を皮切りに原発回帰、再稼働を一気に進めたい安倍政権にとって、申請すらできない落ちこぼれ電力会社の存在は許されない。規制委員会の委員を2人交代させ審査のハードルを下げる今が、安倍政権が用意した申請のタイミング。
3.お盆休みが入る今週の申請というタイミングは絶妙の気配り。真っ先にコメントを求められる谷本知事は兵庫県西脇市の実家へ。92歳のお母さんのもとで親孝行しているところまで追いかけるマスコミはいないだろう。北電の気配りか、この時期にやれと指示したかは知らないが、見事なあうんの呼吸。加えて危機管理監も先月の総務企画委員会で「県の了解事項ではない」と予防線をすでに張っている。
先の安管協での竹中副知事の北電に対する苦言は、お粗末な断層調査であうんの呼吸をぶち壊しかねない北電の失態に対するいらだちだった。
北國新聞(8月9日)
4.今朝の北國新聞単独報道は、再稼働に向けこれからも「二人三脚でやっていきます」という北國新聞の宣言でもある。さっそく世論形成にむけて見出しや本文、さらに用語の解説にまで「安全審査」の表現をちりばめている。新規制基準に適合しているかのどうかの判断は、安全の保証を意味しないことは規制委員会・田中委員長も認めている。読者をミスリードする表現は訂正すべきだし、今後は使ってはならない。
5.差止訴訟への影響について一言。北電は適合性審査をおこなうまでは待ってくれと言って裁判の先延ばしを図ってきたが、その手はもう通じない。次回(9月29日)と次々回(12月15日)で、基準地震動の設定など私たちの主張に対する反論を提出しないと、反論する気なしと裁判所も認めざるを得ないだろう。訴訟は一気に佳境に入っていく。
非常識な行動をとるとその反動は次々と出てくる。志賀再稼働阻止、廃炉に向けた「さよなら志賀原発」秋の陣は攻めどころいっぱいである。
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