一昨日(3月2日)は原子力規制委員会で志賀原発2号機の適合性審査会合が開かれ、活動性の有無を判断する断層の選定(敷地内や周辺に21本もの断層がある)について協議が行われた。
この日の会合について、北陸電力は「一歩前進」と評価するが、この記事(北國新聞3月3日)の一番大きな見出しは「さらに精査を」。
いったいどっちやねん?ということで、YouTubeでアップされている審査会合をパソコンで視聴してみる。
こちらから。
※1時間28分5秒あたりで志賀の審査開始。1時間余り北電からの説明があり、規制庁とのやり取りは2時35分35秒あたりから。
規制庁の審議官らと北電のやり取りを聞いていると、これまでもそうだが、なかなか厳しい指摘ばかり。
どの断層を評価対象にするかという入口論だが、前回の会合で北電はS-2・Sー6断層など3本を提示し、規制庁からやり直しが命じられ、今回はS-1とS-4を追加(下の記事参照)とした。
しかし、これに対して上の記事にもあるが厳しい指摘が相次ぎ、「S-7、S-8を対象から外すのなら根拠を示せ」「選定の方針、再整理が必要」「今のままでは『いいですよ』とは言えない」などなど、次回に向けた注文のヤマ。
最後に座長を務める規制委員会の石渡委員からは「今日の議論をもとに、資料を再構築してほしい」と、ほとんど落第の通告。
こんな内容にかかわらず、北電はなぜ「一歩前進」とのコメントを出したかといえば、次回会合からこの日確認された5本の断層の活動性の審査に入ることになったから。
だけど、記事にもあるように規制庁側はさらに3本(以上?)の追加を求める意向のよう。
北電が最初に想定した3本から、この日はさらに2号機原子炉建屋の真下を走るS-4や有識者会合で活断層の可能性否定できずと評価されたS-1も加えられた。
さらにこの先3本以上の追加となれば、宿題が会合を重ねる毎に膨らんでいることになる。
前進というより明らかに後退だ。
北電は株主やお客様の手前、「一歩前進」と言いたいところだろうが、第三者的には「2歩後退」といったところではないか。
審査会合を視聴する限り、規制庁は北電の能力、知見をかなり低く見ていることは間違いない。
「前進」はまったくのカラ元気、それとも空気がまったく読めてないか、どちらかだ。
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