北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

S-1、S-6は活断層!再調査の狙いは活断層隠し ~渡辺満久さん講演会~

2012-08-31 | 志賀原発
 富来川南岸断層や原発直下のS-1断層が活断層であると断言してきた渡辺満久東洋大教授を招いての「志賀原発直下に活断層!渡辺満久講演会」が31日、地場産センターで開尾催された。

講演の録画映像はこちら



 志賀原発をはじめ全国各地の原発(玄海原発以外)の活断層問題を指摘している渡辺教授はまさにときの人。1昨日には直下に断層があっても原発運転は可能とする新基準を原子力安全・保安院が検討しているとの報道もあり、活断層問題の関心はますます高まっている。会場はほぼ満席。報道各社も勢ぞろいである。

 渡辺さんはまず変動地形学とはなんぞや?という多くの人が抱く疑問からわかりやすく解き明かす。
 私たちは活断層のことは地震学や地質学の専門家に聞けばいいと思いがちだが、彼らは地震の揺れ方や揺れの伝わり方、地下構造の専門家。
 活断層がどこにあるのか、どれが活断層かといったことはまさに変動地形学の分野なのである。

 地震学者は地面の下深くは興味があるが地表は興味なし。しかし活断層は、地表に表れた地形から判断するものだそうだ。
 つまり地震学者や地質学者は活断層については専門外。ところが専門外の彼らがこの間、国の審議会などで専門家ぶって発言し、各地の活断層は値切られ(長さを短く評価する)、あるいは無視(ないことにする)されてきたのである。

 渡辺教授は具体的に志賀原発周辺の海岸線の形状からなぜ富来川南岸断層が活断層かをわかりやすく説明。
 さらに直下のS-1断層、そしてS-6断層についても断面図から活断層であることを断言する。



 これらは地下深く掘ればわかるというものでなく、着工前の調査で残された地表の状態がわかる図面からこそ的確に判断できるものだということを、わたしたち素人にもわかるように説明してもらう。



 ではいま、北電が開始した断層の再調査とはなんなのか。渡辺さんは活断層調査という意味では「意味不明」。活断層だと確認するのが難しい地下深くをわざわざ掘る狙いは活断層隠しであるとズバリ指摘する。

 この間、私たちが疑問に感じてきた再調査の欺瞞性を一刀両断、あきらかにしてくれた。

 活断層を主断層、副断層、弱面に分けようとする今回の保安院の構想についても間違った判断へと誘導する考え方だと指摘する。富来川南岸断層が活断層だということを否定することによって、その関連でS-1、S-6が弱面であることにし、志賀原発の存続への道を開くことにあるのではないかと北電、国の狙いを読み解く。

 渡辺さんのパワーポイントを駆使した講演はとてもわかりやすく、近くネットでも公開されるし、DVDでも配布する予定だ。
 明日の志賀町での講演も、志賀町長、志賀町議のみなさんはじめ、一人でも多くの方にぜひとも聞いてもらいたいものだ。

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(朝日新聞 9月1日)


北陸中日新聞 9月1日)

 


1 コメント

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ぜひ録画映像ご覧ください (北野)
2012-09-03 09:23:16
講演会に参加できなかった皆さん、参加したけどもう一度聞きたいという皆さん、録画映像がこちらにアップされてますのでぜひご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/25082053

活断層の話と言えば難しそう、変動地形学と言われても聞いたことがない!と引いてしまいそうですが、非常にわかりやすい講演です。
専門家を排除し、専門家のふりをした素人が原発の立地の適否を判断してきた原子力行政の実態もよくわかります。
質疑含め約1時間45分です。
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