好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第4番 ロジェストヴェンスキー/BBC響

2016-04-30 10:32:30 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…ロジェストヴェンスキー
演奏…BBC響
好み度…4(5点満点)

ロジェはなかなかにエンターテイナーなんではないかと思う。
この演奏においては、特に大仰に構えず、精神性とか微妙なテンポの揺れとか裏の音とかあんまりお構いなしに、活き活きと鳴らすとこはしっかりそろえて鳴らし、元気に聴きやすくこの曲のよさを引き出しているように思う。
第1楽章では弦よりむしろ金管の鳴りっぷりが印象的だが、これはこれで4番らしくてよい響きである。弦もどちらかといえば少し乾き目の響きだが、活き活きと鳴っている。
第2楽章もそれほど叙情性を意識することなく奏され、第3楽章すら結構賑やか。
終楽章は結構すごいことになっていて、これくらい鳴らす演奏もなかなかないと思われ、まさに大砲の乱れうちかのごとく、金管と打楽器が大活躍、弦も活き活きとこれを支え、豪華絢爛お上品でないチャイコフスキーが展開され、最後は熱狂的ですらあり、拍手もクラシックの演奏会というよりはお祭りである。

チャイコフスキー 交響曲第4番 ムラヴィンスキー/レニングラードフィル

2016-02-06 22:14:45 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…ムラヴィンスキー
演奏…レニングラードフィル
好み度…4(5点満点)

長年名盤として君臨する盤ですね。
冒頭の主題の咆哮からしてロシア的雰囲気を感じさせる咆哮で、続く全奏2音は空気を震撼させる大音量と音の揃い様であり、その後も高低弦楽器の凄みと迫力、太い金管の咆哮、テンポとレンジを細かく動かしての旋律の謳い方とそれでも一糸乱れぬアンサンブル…このコンビの底力を見せ付けるかのようですらあり、音の迫力、厳しさにおいて、鍛え上げられた職業人たちの一級の仕事を感じる。
凄まじいまでにすごいなと思いつつ、ココロにくるものを感じない気もするが、この演奏はそのすごさで十分という気もする。
個人的にはトランペットの尖った金属的な響きがちょっと耳に障る感があるのと、終楽章最初のほう、ちょっとめまぐるしい感があるのと、あまりの速さ故か弦の響きが細い気がしないでもないけれど、フィナーレの熱狂度もさすがだし、個人的な印象としては熱さや情感は感じず、いってみればすごいサイボーグのような印象だが、やっぱり名演と言われるのも頷ける気はする。

チャイコフスキー 交響曲第4番 リーパー/ポーランド国立放送響

2015-11-17 22:23:24 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…リーパー
演奏…ポーランド国立放送響
好み度…4(5点満点)

他の所謂名門オケと有名指揮者の演奏等と比べると、やや締まり切らない感と少しの力感不足、
管楽器はややくぐもった印象で抜け切らない感も感じるが、ほの暗さをたたえた弦の響きは支えの低弦もしっかり効いてこの盤ならではの雰囲気もあり、
好みによっては個性的な好盤かもしれない。
華麗でも絢爛でもなく、地味といえば地味なチャイ4だが、その弦を中心とした響きは飾りけなしにほの暗い冬の大地を感じさせるようでもあり、
ここという旋律は情感をもって奏され、終楽章は結構がんばっているし、
上手い演奏ではないのだろうけど、いい感じの雰囲気つくっていて、個人的には結構好きな盤である。

チャイコフスキー 交響曲第4番 プレトニョフ/ロシア・ナショナル管

2015-08-02 22:42:25 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…プレトニョフ
演奏…ロシア・ナショナル管
(1995年)
好み度…4(5点満点)

しっとり厚く美しい弦楽器が印象的な、少しほの暗い雰囲気と叙情味を湛えたチャイ4。
切り裂くような、あるいは空気を震撼させるような金管の響きはない。
終楽章のシンバルやティンパニですらかなり控えめである。迫力不足、といわれれば確かにそう。
でも、独特の雰囲気を持っていて、こんなチャイ4もいいかな、とも思う。
スヴェトラ等とは反対の意味でロシア的な雰囲気を感じるようでもあり、同じコンビの後年の録音よりはこちらをとる。

チャイコフスキー 交響曲第4番 アシュケナージ/フィルハーモニア管

2015-08-01 21:11:13 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…アシュケナージ
演奏…フィルハーモニア管弦
好み度…4.5(5点満点)

フィルハーモニア管の、厚みがあって力強く、かつ重くにごらない、といった独特の弦楽器が心地よく響き、
また、アシュケナージが伸びやかによく歌わせている。
特に小細工はなくストレートな心地よさがある。このオケの響きのせいだろうか、ほのかに情感も漂わせた響きである。
聴かせどころのホルンも雄弁だし、高揚部での弦楽器もにごらずよく鳴って胸のすくようである。
終楽章は、たがをはずしたようなエネルギーとか力感、というほどではないが、これも爽やかによく鳴って良演。
素直に爽快に、機能的だけでなくほのかにロシア的雰囲気も漂わせて、
高い水準でこの曲のよさが出ているとても優れた演奏と思う。
指揮者としてのアシュケナージもすごいな、と感じた1枚。
同じコンビでの5番、6番も後から聴いたが、こちらは美しく上手いが特に感銘なく、この4番が秀でているように思う。

チャイコフスキー 交響曲第4番 マゼール/ベルリンフィル

2015-04-17 23:33:40 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チィコフスキー
交響曲第4番

指揮…マゼール
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

録音がちょっと古くて少し音の割れている感があるのは残念だけど、燃焼度抜群の盤。
出だしからして金管による豪快なオープニング後、少し落とした後、普通少し暗めに鳴らすところで意表をついて早くも全開、怒涛のごとく弦が、金管が響き渡る。
終楽章の燃焼度は爽快に圧倒される感がある。豪快で熱いお祭り的燃焼度をここまで高い水準で音にしている演奏はちょっと見当たらないのではないだろうか。
ここまで熱く思い切るマゼールもすごいが、速めのテンポにこれだけの大音量で、豪快に明るく、それでいて足並みびったり揃えて応えるベルリンフィルがまた見事。
このサウンドはベルリンフィルでしか出せない独特のうまくて熱き演奏だと思う。

チャイコフスキー 交響曲第4番 バレンボイム/シカゴ交響楽団

2015-02-14 20:58:43 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番

指揮…バレンボイム
演奏…シカゴ交響楽団

好み度…3(5点満点)

さすがに上手くて整ってはいる。
レンジの幅も広く管楽器もしっかりアンサンブルを保ちつつ平均以上の鳴りっぷりではあり乱れることもない。
けれど、シカゴに期待する絢爛さは感じられず、絢爛に変わる何かが引き出されているとも感じられず、それなりに鳴ってるけど大人しい演奏のように感じる。
出だしから少し重めに展開するけど、それが所謂ロシア的な雰囲気へ転化されているかといえばそうでもなく、終楽章もどこか燃焼度は低め。
明るさも感じられず、個人的には、上手いけど何となく煮え切らない印象の演奏。

チャイコフスキー 交響曲第4番 マルケヴィチ ロンドン交響楽団

2015-02-02 21:15:28 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…マルケヴィチ
演奏…ロンドン交響楽団

好み度4.5(5点満点)

第一楽章冒頭からロシア的雰囲気を感じさせ、その後もしっかりメリハリをつけて力強く鳴る弦とこれを支えて並行する低弦もしっかり響き、金管も鳴りどころはしっかり鳴って、引き締まった厚みとエネルギーを感じる演奏。
時折見せる細かなテンポの変化や、楽器の出し入れも効果的に演奏に活力を与えている。荒々しいくらいの力感と統制のとれたアンサンブルを両立させるロンドン響もさすがのうまさ。
第2楽章も比較的太く明確に演奏され、中間の高揚部はそれほど情感入れずに速め強めの処理。むしろ後半のほうが印象的な低弦含めて情緒を感じる。
第3楽章もしっかり強めに奏され、これくらいしっかりやってくれると少し面白みも感じる。
終楽章、出だしのパンチ力と迫力は上々で、その後もこの楽章に求めたいお祭り感みたいなところも明るく、ダイナミックに出ていて、フィナーレもこの曲はこうでなくちゃ、と思えるくらい盛り上げて、この曲をこの曲らしく〆ている。
個人的には、第一楽章ラストが、テンポも速めで弦が少し跳ねるような弾き方となっていて情感があまり感じられないことが唯一、残念ではあるが、全体として、そのメリハリとテンポの緩急、素朴で力強い各楽器の響きからか、「生きた」演奏を聴けたような、そんな印象を感じる盤であり、ロシア的雰囲気も聴かせるこの曲の名盤の1つと思う。

チャイコフスキー 交響曲第4番 ソキエフ/トゥールーズ・キャピトール管弦楽団

2014-11-23 23:53:26 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…ソキエフ
演奏…トゥールーズ・キャピトール管弦楽団

好み度…4(5点満点)

所謂ロシア的な雰囲気は感じないが、どのパートも艶のある活き活きとした響きと、アンサンブルのバランスのセンスが光る好演。
明るい響きはフランスのオケだからだろうか。
1楽章最後は結構引っ張って演奏したり、2楽章の高揚部の弦の重なりも美しかったり、旋律の謳い方にもセンスを感じる。
終楽章はもう少しエネルギー感がほしい感はあるが、お祭り的明るさは備えているように思う。
全編通して、活きのよい、センスを感じるチャイ4である。