好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 テンシュテット/NDR響

2016-10-16 12:24:05 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…テンシュテット
演奏…NDR響
好み度…5(5点満点)

どっしりと腰のすわった厚い響きに躍動感を与え、包容力と深みと風格をまとった、堂々たるブラ1。一級の名演。
第1楽章から低弦もがっちり効かせた気迫のこもった骨太感十分の響きであり、第2楽章の弦の重なりは厚く美しい。
終楽章がまた圧巻。冒頭は深い弦の響きから始まり主題独奏部でのホルンの重なりとか、雰囲気たっぷりだし、有名な主題も情感豊か。
深い響きはこの楽章で活力を増し、ずしりとした低弦が、木管が、ホルンが、活き活きと、厚く重なりあう響きは力強くも美しい。フィナーレもなかなかに輝かしい。
ジャケットの記載では1992年6月とあるから、晩年の録音ということになるが、晩年のテンシュテットの録音で聴かれるフルートが特に前に出ることもなく、また、ティンパニが特別強打されることもない(とはいえ効果十分に力強いが)。
力任せに似た熱さを感じるというものでもなく「爆演」等と呼ばれるような演奏ではない。活きと熱さをぎゅっと詰めながら、厚さと深みと風格をもまとうような、晩年のテンシュテットが到達した高みを聴く思いがする。
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ブラームス 交響曲第1番 ヨッフム/ロンドンフィル

2016-09-19 09:47:16 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ヨッフム 
演奏…ロンドンフィル 
好み度…4(5点満点)

熱と気が込められたような厚く重厚感漂う剛毅な響きが印象的。
硬派な重厚感を感じさせつつ沈まずに、弦も管も活力と緊張感を漲らせて、ちょっとむき出しのような荒っぽさも感じさせつつ存分に響き、少しばかり野性味も感じさせる本格派ブラ1といった趣を感じる。
荒っぽいまでの活き活きとした古風で力強い響きが印象的な、感銘深いかどうかは好みによるとして、なかなかの名演と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 スクロヴァチェフスキ/ハレ管

2016-08-08 09:15:11 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…スクロヴァチェフスキ
演奏…ハレ管
好み度…4(5点満点)

テンポはとくに遅くはないけれど、どこか悠然とした雰囲気と、明るく開放的な響きの演奏と思う。
コントロールされたバランスのよいアンサンブルと明るさを漂わせたほどよい厚みが印象的。
フィナーレの凱歌は結構ゆっくりめで金管を抑えた優しい響きがちょっと珍しい。
重量感とか深みみたいなものは後のザールブリュッケンとの盤には及ばないと思う。
全体的に特に情感とか独特の雰囲気を作り出しているというよりは、厚みは感じさせつつ重くなく、どちらかといえばさらりとした感を受ける、優しさを感じるような明るく爽やかな印象のブラ1。
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ブラームス 交響曲第1番 ベーム/ベルリンフィル

2016-08-05 23:48:48 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ベーム
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

名盤の誉れ高い盤だが、個人的にはそれほどの感銘はない。
重厚感というよりはむしろ厳しく構築されつつの推進力を感じる。
大変「しっかり」した演奏で巌のような響きはベームらしい。
ミュンシュといいザンデルといいこのベームといい、世間はどうも深みとか渋みとか情感とかよりは、かっちりがっちりと推進力を湛えた演奏の評価が高いような気がする。
そういった流れでは響きの密度も含め優れた演奏と思うが、個人的には優れているかどうかの他に、響きや表現に特有の雰囲気や情感だったりが感じられるかが好みに結構影響するところがあって、一級の演奏とは思うが好みとしては特に感銘は受けないかな、といったところ。
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ブラームス 交響曲第1番 アルブレヒト/チェコフィル

2016-07-08 21:51:30 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…アルブレヒト
演奏…チェコフィル
好み度…4(5点満点)

少し速めのテンポでどちらかといえばきびきびとした運び。
重厚さやほの暗さは感じないが低音はしっかり効いていて軽い印象でもない。
第2楽章は抑揚をつけた謳いまわしと渋みの効いた弦を中心とした管弦の重なりは結構美しい。
第3楽章はテンポ早くちょっと忙しない印象。ここまで速く奏する意図もちょっと見えてこない。
終楽章は力強いホルンが印象的な導入は普通の速さだが、弦による主題の後はやや快足気味。ただ、オケはしっかりついていって響きが細くなったりアンサンブルが乱れることはない。終始速めの印象だが、フィナーレの凱歌だけはゆったり謳いあげている。
全体的に速めのテンポの中、チェコフィルの、重厚感とは違うが艶ときびきびとした力を感じさせる響きが光る。
感銘を受けるタイプの演奏ではないが、しっかりした響きのかっちりきびきびした、なかなかの良演といった印象。
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ブラームス 交響曲第1番 ヨッフム/ベルリン・ドイツ響

2016-07-06 22:30:23 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ヨッフム
演奏…ベルリン・ドイツ響
好み度…4(5点満点)

ネットでの評は上々のようだが、個人的には響きの厚みならロンドンフィル盤、ライブの凄みと特有の雰囲気ならフランス国立管、との印象。
オケの力量の差なのか、ただ、これはこれでヨッフムの剛毅さとそれとない渋い味が感じられる盤であるとも思う。
第2楽章等では「やわ」でない美しさを聴かせ、両端楽章では派手ではないが、実直に頑固に情を込めてゴツゴツするような響きを聴かせている。
結構いい盤だと思うけど、この盤も含めて上記ヨッフム3盤で比較するとやはり他の2盤に軍配かな、と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 チェリビダッケ/ミュンヘンフィル

2016-07-04 22:36:05 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…チェリビダッケ
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4(5点満点)

好みにもよるだろうけれど、ブラ2やブラ4で聴かせた美しさは、ブラ1にはちょっと合わない感を感じた。
ゆっくり丁寧に独自の世界をつくっているのはある意味共通しているが、ブラ1にはもうちょっと力がほしい気がする。
第2楽章、第3楽章はチェリらしく美しいし、終楽章はフィナーレの凱歌が、むしろそこだけ速めなのがちょっと残念ではあるが、出だしのホルンの独奏部でのホルンの重なりも美しいし、第1楽章よりは力も感じるし、ホルンを思い切り引っ張った強奏等は新鮮で聴き応えあったりと、ならではのよさもそこここに聴かれもするが、同じコンビの2番、4番がとてもよいだけに、ちょっと合わないかな、との感を受ける。

2016.12.17 追記
久しぶりに聴いてみた。※ただ、前回の投稿時の演奏と同音かどうかは不明。
改めて聴いてよかったと思う。
確かに長い。普通の演奏より1楽章分くらい余計に聴くような感さえ受ける。ただ、これだけゆっくりやりながらかえって密度が濃いような独特の響き、第1楽章の、のしかかるような独特の雰囲気、終楽章ホルンの独奏から例の主題が終わるあたりまでの敬虔なまでの大きく深い美しさ、等など、これはもうやはりチェリにしかできない演奏。
第1楽章中盤の高揚部で顕著だが、トランペットが結構印象的に使われているのもチェリならでは。フィナーレの凱歌がちょっと速くて流されるような感じなのが相変わらずちょっと残念だが、それは他で聴けばいいし、代わりに他では聴けないものが沢山あって、そういうことはこの演奏ではどうでもいいような気になるような、チェリワールドたっぷりの魅力ある演奏。(好み点3.5から4に変更)
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ブラームス 交響曲第1番 シュタイン/バンベルク響

2016-06-22 22:46:01 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…シュタイン
演奏…バンベルク響
好み度…4(5点満点)

渋い。特別上手いわけではないんだろうけど、
どこか古風な雰囲気の響きをもつバンベルク響と古風実直な印象のあるシュタインの組み合わせで、
古風で地味だけど、渋い美しさをもった演奏となっている。
テンポはかなりゆっくり。聴きようによってはちょっともたつき感を感じるようなところもないではなく、
どこを劇的にやるわけでも特に目新しい響かせ方をやっているわけでもない。
圧倒的な推進力や上手いアンサンブルなどで迫るわけでもなければ、低音やホルンもよく響いているが特別に凄みを効かせているわけでもない。
やや力感不足は感じられ、華やかさとか派手とかとは対極のような演奏だけど、
ゆっくりだけど冗長にならず、しっかりこの曲らしく音も重ねられ、
音も華やかじゃないけど古風な温もりが感じれらて、
スタイリッシュじゃ出せないこの曲ならではの渋さ美しさも感じられ、
完成度を競うかのような演奏をいくつか聴いていると、こんなブラ1を聴きたくなる、
そんな捨て難い味わいを持った演奏のような気がする。
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ブラームス 交響曲第1番 バルビローリ/ウィーンフィル

2016-06-12 00:26:17 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…バルビローリ
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

緊張感とか厳しさとか燃焼間とかで聴かせるタイプではないが、バルビのゆったり情感豊かな展開とウィーンフィルの独特の厚い響きがこの盤にしかない雰囲気をつくってこの曲の重厚感と叙情性を聴かせている。
全編低弦もしっかり効いて、終楽章の有名な主題の情感などなかなかのものと思う。
その終楽章は激しさを求めてテンポを速めるのでなくむしろよりゆったりとおおらかに歌い、終楽章にきて凡庸になってしまう演奏も見受けられる中、豊かで叙情性に富み印象深い。フィナーレの凱歌を思いっきり引っ張ってくれているのも個人的には大変心地よい。
どちらかといえば弦の厚みが印象的だが、金管も効かせどころではしっかりした力強さと音色で響かせ、全体的にはほの暗さというよりは、ウィーンフィルの豊かな厚みを感じながら、どこかよい意味で鈍重で明るく優しさを湛えた響き。
デジタルリマスター盤もあるが、リマスター盤では、緊張感は増しているような感はあるがこの演奏の優しく情感ある厚い響きが損なわれているような印象を受け、リマスターでない盤を推す。心地よい重量感と叙情味に満ちた名盤の域と思う。
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ブラームス 交響曲第1番 小澤/ボストン響

2016-06-05 21:08:18 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…小澤
演奏…ボストン響
好み度…4(5点満点)

渋さとか重厚さとか、彫りの深さとか、あるいはたっぷりの思い入れとか、を感じる演奏ではなく、全体的には小澤らしくバランスのとれた、ある意味明るめのさっぱりした演奏のように思う。
ただ、その響きにはさすがと思わせるしっかりした厚みがあり、若々しく明快で歯切れのよい活力と推進力を感じる。
また、終楽章前半のホルンによる主題のソロは雰囲気あるし、まさに凱歌の感のある堂々たるフィナーレ、あるいは瑞々しくも美しい第2楽章など聴かせどころもあって、歯切れよくも美しく厚みのある響きとともになかなかの魅力をもった盤だと思う。
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