好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ガブリーロフ/アシュケナージ/ベルリンフィル

2015-03-08 23:40:11 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ガブリーロフ
指揮…アシュケナージ
演奏…ベルリンフィル

好み度…3(5点満点)

切れ味のある端正な演奏。
ピアノの音はどこか軽めで叙情性といったような面はあまり感じない。
ただ、音に濁りはなく、切れ味鋭く溌剌と切り込んでくるようでもある。
ベルリンフィルの、縦の線をそろえたシャープな厚みと、この一流どころを見事にまとめているアシュケナージの指揮ぶりはなかなかに見事かとも思う。
ただ、全体的な印象としては、もう少しゆったりやってもよいような気もするし、響きも軽くどこか機械的な感すら受け、
どこか厚みというか深みというか、そういったものに欠ける演奏、といった印象で、私の好みではなかった。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 アルゲリッチ/コンドラシン/バイエルン放送響

2015-02-14 21:41:30 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アルゲリッチ
指揮…コンドラシン
演奏…バイエルン放送響

好み度…4(5点満点)

アルゲリッチはこの曲の録音はいくつかあるようで、例えばアバドとベルリンフィルとの演奏と比べると、どちらもテンポは速いが、アバドとの演奏では少しの重みと落ち着きが増した分、光る水滴のような瑞々しさが消えたような印象を受ける。
コンドラシンとの演奏で圧倒的に光っていた終楽章の爆発力も閃きもアバドとの演奏ではなく、アリゲリッチでしか聴くことのできない魅力を聴くならコンドラシンとの演奏と思う。
コンドラシンとの演奏の魅力は、終楽章。
第一楽章など聴いていると、録音的にややピアノが遠く感じられ、また、音も美しくはあるが、早めのテンポも相まってやや軽いかな、という印象もあるが、好き嫌いはあれこの終楽章の爆発力と閃きは他ではお目にかかれないような感があり、やはり必聴といえると思う。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ダグラス/スラットキン/ロンドン交響楽団

2015-01-05 14:20:49 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ダグラス
指揮…スラットキン
演奏…ロンドン交響楽団

好み度…4.5(5点満点)

少しゆっくりめの余裕あるテンポ運びで、ピアノもオケも力まず適度な力感を持ちながら、濁らず透明感のある響きの心地よい、実は隠れた名盤ではないだろうか。
ロシア的な重量感だったり陰影だったりというよりはヨーロッパ的な叙情性や優雅さと、押し付けがましくない情感も感じられ、高揚部でのオケの厚さや叙情部でのピアノの一音一音の美しさもなかなかによい。ピアノは強奏部での強くも透明感のある響きも心地よい。
第1楽章は上に書いたような印象、続く第2楽章は妖精の遊ぶ森のようなゆっくり静かな出だしに始まり、テンポを速めてからもどこか清楚。
終楽章も特にテンポを速めることなく、しっかりと、どことなく優雅に運んでゆく。フィナーレもゆったりしっかり謳ってなかなかに明るく雄大である。
スラットキンとロンドン響もしっかりと明るめに少しシャープなアンサンブルで、出るところはしっかり出て、独特の音運びも織り交ぜつつ、ダグラスのしっかりとした透明感のある響きとよい協演である。