好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第2番 モントゥー/ウィーンフィル

2015-07-05 00:34:39 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…モントゥー
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

明るめの管弦の美しい音色と統制のとれたアンサンブル、オーソドックスなテンポ運びで洗練された美しい模範的良演と思う。
深みを感じさせたり情感が感じられるタイプではないような印象で、
大変よくできた演奏とは思うが個人的に特に推す盤という感じではないかな。
ただ、よくできた演奏だし、解き放たれたかのような終楽章の活力等聴いていると、名盤との評も頷ける。
同じウィーンフィルを鳴らした演奏という意味でベーム盤と比べるとベーム盤のほうが少し情感と、より風格を感じ、こちらのほうが少し機能的な雰囲気かな、
との印象ではある。
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ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 クリップス/ロンドン響

2015-07-05 00:25:45 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…クリップス
演奏…ロンドン響
好み度…5(5点満点)

激しくはないけど、よい意味で古風な重厚な雰囲気を湛えた良盤。
重厚といっても重いというよりはおおらかで温もりを感じる響きである。
ネットなどでの評では「中庸」との評が多いようで、確かに中庸といえば中庸だし派手ではないが、
オーソドックスな展開の中で古風で厚い響きをしっかりつくりこれくらい雰囲気を湛えれば名盤の域と思う(いろんなところから同演異盤が出ているようで、盤によっては印象ちがうかも)。
多分録音のせいだと思うけど、出だしの1音が何となく途中から入っているような感じなのがちょっと残念ではあるけれど、
落ち着きながらもよく鳴っている弦の少し多めの残響も美しく、低音も心地よく効いている。
一音一音を短く切らずに少し長めに弾いているせいか、タイム以上に落ち着いたテンポと印象を与えるが、1楽章後半の盛り上がり等をとってもなかなか聴き応えがあるし、終楽章の厚さと活力も十分に標準以上だし、熱くないまでも、しっかりこの曲の雰囲気をつくり、落ち着いた美しさと重厚さを感じさせている。
決して慌てない、古風でおおらかで重厚な運命が展開されている。
録音は、他の盤の後で聴くとかなり古く聴こえるが単独で聴く分には聴いてるうちに気にならなくなる範囲の許容範囲かと。

(↓2018.4/22追記)
結局クリップスの運命はほんの少し聴いたものも含め3つの盤を聴いた。
1つは上のレビューを書いたときのもの、これは多分廉価盤(?)、次に缶に入った全集、次がSACDハイブリッドのもの。
廉価盤はいかにも昔風の録音といった音でいまどきの録音と比べると録音良好とはいい難いが古風な響きと力強さがかえって効を奏すようなところもあって上に書いたような印象、
缶入りは音質は改善され簿冒頭の一音もちゃんと入っていたが、ちょっとこもったような感もあってむしろ勢いが削がれておとなしくなったような感があり、
最後のハイブリッドはこれは音質は格段によくなり(缶入りと比べて微妙になのだがこの微妙が響きに艶と力と奥行きを与えて印象として格段の違い)、この演奏が温もりを感じる正統で豊かなベートーヴェンであることを頷かせる。
技術の世界はわからないが、マスタリングでこうも変わるのか、の感も感じる。新録音になって、激しさや新鮮味はないが、迷わず名盤と思う。
好み度4から5に変更。


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チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ポゴレリチ/アバド/ロンドン響

2015-07-05 00:20:35 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ポゴレリチ
指揮…アバド
演奏…ロンドン響
好み度…4.5(5点満点)

何とも個性的な盤である。
ポゴレリチはチャイコフスキーピアノコンクールにおいてもその評価が真っ二つに分かれたという逸話があるそう(アルゲリッチが、このポゴレリチを選から落とすという決定に納得いかず、途中で選考委員を投げてしまったとか)だが、この演奏も好みは分かれるかもしれない。
これがはまった人には正に唯一無二の盤ということになろうかと思う。
特に第一楽章は大胆。
出だしはいたって力強く、途中テンポを落とすところは極端に落とし一音一音の美しさをいとおしむかのように、また、ときに他にはない斬新な解釈があったり、とにかく個性的である。
でも、強打でも音は濁らず、弱音部では、「一音の美しさ」に初めて気付かされる思いもあり、技術と表現力の高さは存分に感じられ、その個性は芸術性を感じさせ情感豊かであり、私は好きである。
第2楽章も美しい。
終楽章は平均的な演奏となり、
とにかく第一楽章の個性が印象的な盤である。
アバドとロンドン響のサポートは堂々と厚く、さすがと思わせる一級品である。
オケとピアノの馴染みもよく、好みは分かれるかもしれないが、ピアノもオケも演奏水準は高く、個性が目立つが芸術性豊かな名盤と思う。
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