好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 テンシュテット/ロンドンフィル

2015-11-17 22:38:26 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン
交響曲第5番「運命」

指揮…テンシュテット
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

テンシュテットとロンドンフィルらしい、エネルギー感のある、迫るような運命。
録音がやや残響過多なのがちょっとだけ残念な気もないではないが、これだけ力と情感と熱の込められた、音の圧力を感じるような運命は、やっぱりなかなかないと思う。
ベートーヴェン的かといえばそうでないのかもしれないけれど、この曲のもつ情熱は力強く解放されていると思う。
運命の動機は重厚で激しく、終楽章の凱歌は高らかに謳われ、アンサンブルや金管の吹き方などに少々雑に聴こえる部分がないではないがそれもご愛嬌のうちというか、また、残響過多もあって内声などを堪能というわけにはいかないが、そういうタイプの演奏でもないと思うし、十分な迫力と熱さと燃焼度を持った、この曲における1つのタイプの名盤と呼んでよい豪演であると思う。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 アシュケナージ/ハイティンク/コンセルトヘボウ管

2015-11-17 22:34:14 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番

ピアノ…アシュケナージ
指揮…ハイティンク
演奏…コンセルトヘボウ管
好み度…4.5(5点満点)

この組み合わせでのラフ2は雪原の情景浮かぶ叙情性にあふれた美しい名演と思うが、この3番もその延長線上のようなスタンスを感じる。
何とも叙情的であり、少し重みを帯びるような美しさである。
オケの音色もその印象に大きく影響を与えているように思う。
月夜の大河のような、静かな重みと叙情性を湛え、大カデンツァでも力強さよりはむしろ情感が印象的。
終楽章ではピアノ、オケとも、力感を加え、強さを帯びた美しさも聴かせている。
ある意味ラフ3らしくないほどに耽美的ですらあるほどに美しく、幻想的な雪原を思わせるようなラフ3と感じる。
プレヴィン版との比較では、個人的には独特の雰囲気があるという点でハイティンク版をとるが、これは好みでしょうね。

チャイコフスキー 交響曲第4番 リーパー/ポーランド国立放送響

2015-11-17 22:23:24 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー
交響曲第4番

指揮…リーパー
演奏…ポーランド国立放送響
好み度…4(5点満点)

他の所謂名門オケと有名指揮者の演奏等と比べると、やや締まり切らない感と少しの力感不足、
管楽器はややくぐもった印象で抜け切らない感も感じるが、ほの暗さをたたえた弦の響きは支えの低弦もしっかり効いてこの盤ならではの雰囲気もあり、
好みによっては個性的な好盤かもしれない。
華麗でも絢爛でもなく、地味といえば地味なチャイ4だが、その弦を中心とした響きは飾りけなしにほの暗い冬の大地を感じさせるようでもあり、
ここという旋律は情感をもって奏され、終楽章は結構がんばっているし、
上手い演奏ではないのだろうけど、いい感じの雰囲気つくっていて、個人的には結構好きな盤である。