好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第2番 スタインバーグ/ピッツバーグ響

2016-11-06 11:26:43 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…スタインバーグ 
演奏…ビッツバーグ響
好み度…4.5(5点満点)

オケの響きは特有の艶とか渋みとかは感じないが、機能的で活力に満ちている。
帯に「恐ろしい快足テンポで知られ」とあるが、少なくともこの2番ではそれほど速くは感じない。
終楽章等確かにやや速いがオケはやっとこさついていくのではなく、活き活きと思い切り弾きながらぴったりついている感じの、快足ではありながら活き活き堂々とした響きでこの明るい推進力はむしろアメリカのオケならではなのかも、とも思う。
速いだけでなく、そこここではテンポに変化をつけて重みの効いた印象も与えている。
第2楽章では張りと奥行きのある響きも聴かせているし、全編内声もしっかり線もそろえて、情感とか深みとか、とはちがったところにある粗くならずに活力に満ちた爽快な演奏のように思う。

ブラームス 交響曲第1番 マルツゥーレ/ベルリン響

2016-11-06 11:24:33 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…マルツゥーレ 
演奏…ベルリン響 
好み度…4.5(5点満点)

響きは少し陰の雰囲気を含んだ、重めの響き。
もう少し覇気というか推進力みたいなものがあってもいいかな、と思うところもないではないが、少しどんよりしたような、重く、結構力のこもった響きはなかなか魅力的である。金管の重くしっかりした響きも印象的。
流麗だったり活き活きとした推進力だったりで聴かせるタイプではないが、ゆっくりめのテンポと鈍い輝きを放つような響きが相まって、ちょっとほの暗くどんよりした格調みたいなものを感じさせる雰囲気をつくっている。
序奏から様々な音が絡みながら重い響きをつくり、全体的に結構スケール感も感じさせ、フィナーレも急がず力強い。
歯切れのよさとか燃焼感とかはないけど、聴くほどに引き込まれていくような、こういう重めのブラ1、よいと思う。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ルプー/コンタ/ルーマニア放送響

2016-11-06 11:21:12 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…ルプー
指揮…コンタ
演奏…ルーマニア放送響
好み度…5(5点満点)

ルプーのピアノがいい。
録音もかなりよく、また、少しだがピアノが前に出た感じなので、ルプーのピアノを結構堪能できる感もある。
ルプーのピアノは起伏も結構ダイナミックに、独特の清らかさを感じさせて、勝手な印象だが、若き詩人の強さ、繊細さ、自由を感じるようである。
オケの響きは、例えばアシュケナージとかバックハウスとかとのウィーンフィルなんかと比べちゃうと洗練味とか華麗な気品とかではちょっとかなわないところはあるが、ある意味熱演していて悪くない。
ピアノとオケの両主役というよりはピアノが主役で、その主役が魅力たっぷりに演じきっている、というような、ルプーの、自由で透明感のあるエネルギーを感じる表現力を、濁らない強さを、叙情部での清清しい瑞々しさを、堪能する盤のように感じられ、聴き終わった後は、ルプーいいな、って思う盤のように思う。