好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ポリーニ/アバド/ウィーンフィル

2019-08-10 14:17:59 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…ポリーニ
指揮…アバド
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

何せ冒頭が美しい。静かな山間の夜明けのような。
ポリーニのピアノは高い緊張感と透明感を併せ持ったような美しさでときに重く、ときに繊細に縦横無尽に美しく、ウィーンフィルは重く響いたかと思えば遠くからホルンや木管が美しく響いたり、やっぱりウィーンフィルは美しくすごいと思うし、アバドの音作りは豊潤で美しくあるとともに熱気を感じさせる。
張り詰めたような第1、第2楽章も、緊張感を保ちつつ静かな幽玄を思わせるような第3楽章も秀逸。終楽章は少しあっさりめという印象受けるが、この曲はそんなところがあるし、それまでが高い緊張感に浸っているようなところがあるので、エピローグ的にちょっと明るめ軽めくらいがほっとできてむしろいいかな、とも思える。
この曲のもつ重厚さと美しさが、透明感と高い緊張感を保ちながら表現されたような、文句なしの名盤でしょう。
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サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 レーヴァー/バーンスタイン/ニューヨークフィル

2019-08-10 14:06:49 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」 

オルガン…レーヴァー
指揮…バーンスタイン
演奏…ニューヨークフィル
好み度…5(5点満点)

この曲でこれくらい濃い情感を漂わせつつ重みあるいは荘厳な空気を感じさせる演奏もそうはないような気がする。
終始ゆったりめのテンポで響きは厚く、第1楽章では華やかな裏の妖しさも感じさせ、第2楽章ではたっぷりの厚みと情感を感じさせて、オルガンも厚い弦をしっかり支えて美しく、いい意味で映画の名シーンを見るようであり、終楽章もオルガンはオルガンならではの古風な音色で荘厳に響き渡り、ゆったりしたテンポの中、管弦と相まって情に満ちたスケール感大きな荘厳な響きの世界を醸しているように思う。
バーンスタインの音楽はどこか映画音楽のような雰囲気を感じていたが、この演奏では響かせる音の選択も上手いし、その濃い演出と、ニューヨークフィルの、伝統あるヨーロッパのオケとは違う新進の熱さと、荘厳に古風に響き渡るオルガンとがマッチして、この曲はこんなに重く情熱く荘厳に大曲感を以って響くのか、と思わせる、ずしりとした重量感と大きさをも感じさせる一種の名演になっているように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ベーム/ウィーンフィル/ウィーン国立歌劇場合唱団 他

2019-08-10 13:57:30 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…ベーム
演奏…ウィーンフィル
合唱…ウィーン国立歌劇場合唱団 他
好み度…5(5点満点)

これは、いい。初めてベームの真骨頂を聴いた思いがするし、ベームを聴いて初めて感動の念を覚えた。
厳しく、いかめしいようでしかし硬くならずに完成された響きの中に、激しさを内包した流れと、美しい艶と力強さと、そこから自然に生じるような美しく厳かな空気感と。
その響きからはベームとウィーンフィルの覇気が伝わるようであり、叙情楽章である第3楽章では清らかで深みのある響きが何とも美しい。
終楽章の独唱も立派で最後の四重唱ではアルトだろうかソプラノだろうか、目立って透明感のある女声が美しかったり、合唱は、いつも力みが感じられるこの合唱団が、ここではそのエネルギーは力みでなく力強さと熱と広がりに昇華され、基本的にゆっくりしたテンポの中、オケと合唱のからみも美しく、最後まで管弦合唱相まって厳かで力強く美しい響きは圧巻の類。
オーバーな演出がかった処理などなしに、真摯に厳しく向き合うことによってこれほどまでにこの曲の厳かさが自然に引き出されるものかと思わせられる、一級の名演だと思うし、こういう指揮者にウィーンフィルが贈れるだけの称号を贈ったのも頷けるような盤である。王道といった表現が浮かぶような名盤。

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