2012年8月26日-2
Bunge哲学辞典:argument 論証
argument 論証 [BungeDic1, p.23]
【a 日常言語】論争。
【b 論理〔学〕】前提から結論への(妥当な、または妥当ではない)推論。唯一の妥当な論証は、演繹〔導出〕である。妥当性はもっぱら、形式に依存する。それゆえ、『すべてのメロンは高潔である。これはメロンである。よって、このメロンは高潔である』は、形式的に妥当である。妥当性にかかわらず、諸論証は実り多かったり不毛であったりし得る。妥当ではないが実り多ければ、それらは_魅惑的 seductive_だと言われるかもしれない。例:無作為標本から母集団への統計的推測。非演繹的論証は、内容に依存する。したがって、帰納的論理または類推的論理を建設しようという企画は、倒錯している wrong‐headed。非演繹的論証は、認知心理学と認識論に属するのであって、論理学に属するのではない。類推的論証と帰納的論証は、示唆的ではあるが、論理的に妥当ではない。
〔訳注。論理または論理学の範囲を、非演繹的論証も含めた(意味内容に関連した)論理的側面を研究するものだと拡張すれば、演繹的論証の性質も逆照射的にわかるというものではないか? 頑迷固陋な wrong‐headed というべき。さらに、論理学が推論を扱うのならば、推論は心理学の一分野、つまり心的物体の振る舞いに関する学問だと主張できるだろう。
なお、科学は事実と関わるので、科学的推論とか科学の哲学のおける論証または議論 argumentは、演繹的推論だけではなく、なんらかの形で事実に言及することになる。いわゆる「科学的」事実に言及しないのならば、その議論は、狭い意味での論理学または数学の部類である。〕
Bunge哲学辞典:argument 論証
argument 論証 [BungeDic1, p.23]
【a 日常言語】論争。
【b 論理〔学〕】前提から結論への(妥当な、または妥当ではない)推論。唯一の妥当な論証は、演繹〔導出〕である。妥当性はもっぱら、形式に依存する。それゆえ、『すべてのメロンは高潔である。これはメロンである。よって、このメロンは高潔である』は、形式的に妥当である。妥当性にかかわらず、諸論証は実り多かったり不毛であったりし得る。妥当ではないが実り多ければ、それらは_魅惑的 seductive_だと言われるかもしれない。例:無作為標本から母集団への統計的推測。非演繹的論証は、内容に依存する。したがって、帰納的論理または類推的論理を建設しようという企画は、倒錯している wrong‐headed。非演繹的論証は、認知心理学と認識論に属するのであって、論理学に属するのではない。類推的論証と帰納的論証は、示唆的ではあるが、論理的に妥当ではない。
〔訳注。論理または論理学の範囲を、非演繹的論証も含めた(意味内容に関連した)論理的側面を研究するものだと拡張すれば、演繹的論証の性質も逆照射的にわかるというものではないか? 頑迷固陋な wrong‐headed というべき。さらに、論理学が推論を扱うのならば、推論は心理学の一分野、つまり心的物体の振る舞いに関する学問だと主張できるだろう。
なお、科学は事実と関わるので、科学的推論とか科学の哲学のおける論証または議論 argumentは、演繹的推論だけではなく、なんらかの形で事実に言及することになる。いわゆる「科学的」事実に言及しないのならば、その議論は、狭い意味での論理学または数学の部類である。〕