何をいまさら日記

自分が好きな映画や本について世間様から「いまさら・・」と思われる事を自ら突っ込みます

何をいまさら「柔道竜虎榜」その4

2006-06-17 20:51:30 | ジョニー・トー
さて本日も雨。梅雨だもん仕方ないけど憂鬱ですね。ネットで頼んでいたCDとDVDが本日到着。いまLYNのCDを聴きつつ記事を書いてます。
以下の記事にはネタばれや見所が書かれる予定。良い子は読禁!!
それにしてもトニーは若かりし頃の勝野 洋に似てる。特に笑った顔が・・。彼はシト・ポウの店に柔道大会のポスターを貼ります。その中の一人の名前にシト・ポウの目は吸い寄せられます。そしてトニーはレイ・アコンの道場で稽古をつけてもらいます。そんなある日トニーはシト・ポウのロッカーであるものを見つけてしまいます。
さて大乱取り大会後、またもや登場するのはゲーセンヤクザさん。片腕は負傷中。本気でガキんちょを相手に「ホッケーゲーム」をして負かしてしまうのです。このあたりのガキんちょの扱いは実にトーらしくていいです。
そして、懲りないモナとシト・ポウがセコイ手口でまたもや置き引きを企てますが、何故かヤクザさんは「金が欲しいのか?」と聞いてシト・ポウに渡してやるのです。
その金を持っていつもの賭場へ。しかし今回はついてます、勝つんです!しかし最後の大勝負に負け有り金をすった瞬間、モナが金を持ってダッシュ。
この映画でベストにあげたいシークエンスがスタート。金を撒き散らして走るモナ。あとを走らざるを得ないシト・ポウ。後を追う賭場の用心棒。にしてもモナさん、バック持ってるのなら金はそこに入れてダッシュなさい。しかもだいぶ撒き散らした事に気付いて戻るんですが、案の定用心棒に捕まりそうになるのです。しかしシト・ポウが犠牲になってモナを逃がします。やがてズタボロで歩いてくるシト・ポウ。モナはシト・ポウの靴が片方脱げてるのに気付き、用心棒たちがいる現場に靴を取りに戻ります。当然用心棒一同は唖然としてますが無問題。そして夜の路上でシト・ポウに靴をはかしてやるのです。
トー監督の描写の特徴にいい意味での「過剰さ」があると思うのですが、このシーンはまさしくいい例かも。
そして始まるトーナメント戦。やはり気になるシト・ポウは様子を見に現れます。レイ・アコンが勝ちすすんでるようです。しかし救急車が入ってきます。搬送されるのは師匠。そしてそのまま師匠は帰らぬ人に。シト・ポウは大きな喪失感を味わいます。病院のシーンは彼の抱える問題を浮き彫りにします。
一方師匠の息子のチンはどうやら発達障害らしく、父親の死により施設に入れられます。しかし父の生きていた時のように「一心道場」のビラを配り、道場での日常を繰り返そうと施設を脱走するチンの姿にシト・ポウは暗澹たる思いを抱きます。
モナもまた日本行きの夢が遠くなりかけ、意気消沈して乗り込んだミニバスにシト・ポウが乗り合わせます。前後に乗る二人。やがてモナが泣きはじめると、静かにお互いの持つ悲しみをわかちあうのです。あぁ、喜びも悲しみにもバスが寄り添うのだなぁ。と思わせてくれるいいシーンです。
コメント
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