The Art Pepper Quarrtet/Art Pepper
(Tampa TP20, Victor SMJ-6022M jp reissue)
(Tampa TP20, Victor SMJ-6022M jp reissue)
管楽器と言うのは、プレイヤーによって本当に音色がかわりますね。自分がプレイできないので詳しいことがわからないのですが,サックスの場合にはリードの違いであんな風にプレイヤーごとに個性がでるのですかねぇ?アルトサックスも例にもれずと言った感じで,あまたのプレイヤーが種々の音色で聴かせる個性を楽しむことが出来ます。白人プレイヤーでは,デスモンド、フィル・ウッズ、リー・コニッツそして本日の主役ペッパーとそれぞれが個性的ですよね。勿論,黒人でもマクリーン,ドルフィ,ソニー・クリス、中間派のホッジス,カーター,ウィリー・スミスなどスタープレイヤーが目白押しで,この楽器がジャズ管楽器でも花形楽器であることがわかりますよね。ペッパーの最高傑作はと聴かれると,名盤が多く困ってしまいますが、シナノン入所前の本日アップのベサメムーチョを含むこのアルバムを挙げる方も多いのではないでしょうか。
もうメンバーに付いては解説不要でしょうが,ヘイグに出演を繰り返した時のレギュラーグループのこのメンバー,すなわちRuss Freeman(p), Ben Tucker(b), Gary Frommer(ds)を従えたワンホーンカルテットは最もアートのプレイを理解した気心のしれたグループと言えると思います。この時代のペッパーのトーンの艶やかさは他の時代を完全に凌駕しており,個人的には泣きの高音とゆとりの低音が見事にバランスされた彼ならではの音色,フレージングが好きでたまりません。A面の"I Surrender Dear"や"Diane"も素晴らしいですが、"Besame Mucho"と3曲のオリジナルを含むB面がやっぱり最高です。ラスの乾いた余韻のないピアノの音色も好ましくペッパーとの相性抜群ですね。皆さん,このアルバムにはそれなりのご意見をお持ちと思いますが、やはり個人的にはこのアルバムを最高傑作としたいところです。
所有盤は新潟ブラックライオンで購入した国内盤の中古盤です。73年のビクターのリリースで"I Surrender Dear"と"Besame Mucho" の楽譜が内解説に印刷されています。こう言うライナーもあまりないですよね!?