Alone With The Blues/Ray Bryant
(New Jazz 8213)
(New Jazz 8213)
ソロピアノになると途端に退屈なプレイに終始してしまうピアニストが多いですが,ソロで最も聴かせてくれるピアニストがレイ・ブライアントだと思います。レイのトリオの愛聴盤として,コロンビアの"Con Alma"を以前にアップしましたが,他にもトリオではプレステッジのトリオ,シグナチュアのトリオ,エピックのトリオと好盤が目白押しです。一方ソロピアノでは、本日アップのニュージャズ盤,アトランティックのモントルーのライブも有名ですし,新しいところではパブロライブにもご機嫌なソロを聴かせてくれるアルバムがあります。
どうして退屈させないかって?それはレイの強力な左手を駆使したブルースに根ざしたソロプレイにあると言えるのではないでしょうか。A面の冒頭を飾る"Blues#3"でもう彼のこのアルバムのコンセプトはほぼ100%示されているといえます。ゴスペルテイストの"Joy"、スタンダードの"Lover Man"とブルージーなピアノが続き,スローブルースの"Me And The Blues"に引き継がれていきます。B面トップの"My Blues"のよりレイジーなフィーリングもたまりませんし,B-2のカーマイケルの”ロッキンチェア”はレイの十八番ですよね。全編に渡りブルースを強く感じますが,特にスローでレイジーなテンポでのプレイは他の追随を許さない素晴らしさを感じます。
所有盤はニュージャズのパープルラベルのモノラル、オリジナル盤です。ソロプレイでは盤質の悪化は致命的なものがありますが,この所有盤は極めてコンディションが良く,ソロをストレスなく楽しめる一枚です。