Red Plays The Blues/Red Norvo
(RCA LPM-1729)
(RCA LPM-1729)
バイブラフォンの話になるとたいていはハンプ,バグスを中心に話が始まりますがこう言った古いプレイヤーの中で最も過小評価されているのが、レッド・ノーボではないかと思います。あの風貌でカバーに堂々と登場するのが,ジャケ買いファンの方々からは敬遠される傾向にあるのではないかと思います。本日アップのアルバムはノーボのRCA盤の一枚でBluesにスポットを当てた好盤です。
ノーボのバイブはバイブ固有の金属製のサウンドと言うよりはソフトで独特な味があって、日頃メタリックな堅いサウンドに耳がなれている方々にもとても新鮮に感じるのではないでしょうか?このアルバムはコンボとオケの2つのセットで演奏されていますが,各セクションに好プレイヤーを配した編成は玄人好みの一枚と言えるのではないでしょうか。コンボはRed Norvo(vib), Jimmy Rowles(p), Bob Carter(b), Bill Douglass(ds), Ben Webster(ts), Harry Edison(tp)のセクステットです。スローなbluesでのBenのスススとすすり泣くテナーはいつ聞いても最高に味があります。一方,オケのほうは13人編成で鋭いアタックを見せるDon Fagerquist(tp), 艶ややかなトーンのWillie Smith(as), タイトなサウンドで迫るHarold Land(ts)のソロが聴きモノです。また、ビッグバンドをドライブするメル・ルイスのドラミングも注目ですね。そして,目玉は2曲で聞かれるブルースフィーリング溢れるHelen Humesのボーカルです。レッドの歌伴のうまさはダイナ・ショアとの共演などで既に良く知られていますよね。演奏曲はブルースばかりですから割愛しますね。
所有盤はRCAのモノラルオリジナルと思います。本当に聴きどころの多い好アルバムだと思います。レッドのバイブは再評価してみても良いように思いますよ!