The Hawk In Paris/Coleman Hawkins with Manny Albam and his orchestra
(Vik LX-1059)
(Vik LX-1059)
アメリカのジャズが初めてパリに渡ったのは1932年のサッチモであったと言います。これから遅れること3年,ホーキンスはフレッチャー・ヘンダーソン楽団の一員としてパリの地を踏みます。サッチモがバンドリーダーとして渡欧したのと比べホーキンスはバンドの1playerに過ぎず,サッチモのような評価が得られたわけではないですが,熱心なパリのファンにはホークのプレイは既に話題になっていたと言います。それから20数年を経て,Manny AlbamのオケをバックにVikに初録音したのがこのアルバムです。ストリングスも加わった,分厚いサウンドをバックに男性的トーンで吹く甘いフレンチソングが聴きモノのアルバムです。美しいパリのエスプリを感じるLester Bookbinderのこの美しいカバーもかなり魅力的で素晴らしく思います。
バックのManny Albamのバンドは10ピース前後のオケですが,有名どころではNick Travis(tp), Urbie Green(tb), Hank Jones(p), Barry Galbraith(g)等がクレジットされていますが,彼らのソロスペースはほとんどない短い演奏が中心で,ホークの豪放かつ繊細なバラードプレイが楽しめる内容です。中でも,A面の"April IIn Paris", "Under Paris Skies", "La Vie En Rose",B面の"La Mer", "I Love Paris"は原曲の美しさを生かした好トラックと思います。
所有盤はVikのモノラルオリジナルのプレビュー盤で"NOT FOR SALE"とラベルにプリントされています。こう言うリラックスした巨匠のプレイも良いモノですね。