The Jazz Makers/Ronnie Ross & Allan Ganley
(Atlantic SD1333)
アメリカからみたヨーロッパのジャズってどういう風に評価されていたのでしょう?1960年前後では、おそらく日本人の中ではアメリカのジャズシーンに紹介されていたのは秋吉敏子さんだけであったことを考えると,米国東海岸から見ると対岸のヨーロッパは近い存在であったことが容易に想像できますし,ケニー・クラークやパウエルのように既に渡欧していたグレイテストも多く,アメリカからはたくさんのバンドがヨーロッパを楽旅していた時代でもあり、すでに各国ですぐれたプレイヤーが出現しています。英国のプレイヤーも例に漏れず,Tubby Hayes, Don Rendell, Dizzy Reece, Derek Smithなど素晴らしいプレイヤーが輩出されています。本日の主役のRonnie Rossもそんな一人です。
本日アップのこのカバーのように、Rossはバリトンプレイヤーです。音色はアイドルとしたマリガンに近い感じで,そのタイトなスィング感が抜群です。ドラムスのAllan Ganleyとの双頭コンボがこの"JAZZ MAKERS"であり、数少ない,あるいは唯一?のアルバムかもしれません。Rossとともにフロントを形成するのがArt Ellefson(ts)です。丁度,マリガン&ズートのような関係ですかねぇ?!リズムにStan Jones(p), Stan Wasser(b)を加えた五重奏団です。演奏曲はオリジナルが多くなじみはないですが,58年Newport International Bandにもセレクトされたロスのバリトンプレイは注目に値します。ラストの唯一のスタンダード“How Long Has This Been Going On"で見せる唄心も出色です。
初めてこのアルバムを知ったのは吉祥寺のオヤジ本だったと思いますが,このコーティングが効いた素晴らしいカバーデザインにも唸りますね。
原盤は多分英国Ember盤ですかぇ?アトランティック,ステレオ、USオリジナル盤と思います。