Relaxin' With Sandy Mosse/Sandy Mosse
(Argo LP639-S)
(Argo LP639-S)
いわゆる両コースト、すなわちNYCとLAを中心とするエリアと異なり、シカゴは独特な味を持ったアーチストを輩出しています。この中からは、名が売れて両コーストに出て行ったプレイヤーもいますが、本日アップのSandy Mosseも、ここのクラブシーンで注目されたサックス奏者でありました。彼の主戦場は、両コーストではなく50年代前半のヨーロッパであったのかもしれません。このときのレコーディングはアンリ・ルノーのコンテンポラリーの10インチなどに収録されているようですが、未だ聞いたことがありません。
ヨーロッパから戻ったSandyをシカゴアンが迎え、アーゴに吹き込んだ初リーダー盤が本アルバムです。海岸で彼のテナーを手にしたヨーロッパ人のワイフでしょうか?と寄り添うSandyを捉えたカバーが印象的です。演奏は、A面がカルテット、B面が5ピースのストリングスを加えた構成です。彼のメロディックなテナーが全編にわたり楽しめる構成です。特に、Junior Mance(p), Bob Cranshaw(b), Marry Clausen(ds)のトリオを従えたA面の出来がいいですね。A面は"Fools Rush in", "I'm Old Fashioned", "Birks Works"の3曲です。Sandyのレスター系のメロディックな演奏もさることながら、当時キャノンボールのグループで活躍していた"Birks Works"のManceの好演は見逃せませんね。B面はManceに代わりEddie Higginsがピアノをつとめますが、シカゴシーンで活躍したこのプレイヤーの参加も嬉しいですよね。
所有盤は、アーゴの金ラベルのステレオ盤です。オリジナルでしょうかねぇ・・・。アーゴらしい渋いアルバムですよね。こういったマイナープレイヤーにであえるのもコレクションの醍醐味ですね。