Crazy Rhythm/Lionel Hampton
(EmArcy MG36034)
(EmArcy MG36034)
ジャズのレコードで白黒カバーというと真っ先に頭に浮かんでくるのが、VERVEを後継した格好のバプロ盤じゃないでしょうか。でも映っているジャズメンが老いぼれていてぱっとしないと感じるのは自分だけでしょうか?ベテランたちの円熟味あふれる演奏(悪くいえば老獪な演奏)を新しい録音技術を駆使してクリアなトーンで聴かせるのがこのレーベルの真骨調ですが、古いレーベルではクリフォードブラウンで有名なエマーシーにも白黒アルバムが多いことに気づいておられる方も多いのではと思います。年代的には50年代、パブロで再登場したおじいさんジャズメンもピチピチのナイスガイばかりです。エマーシーのカバーを飾ったモノクロ写真はとても力強いのとは対称的に、太ったじいさん、脂ぎったおばあさん歌手の大写しに白の筆記体ばかりを使ったパブロの諸作とは雲泥の差です。本日はこんなエマーシーモノクロカバーの一枚。ヴァイブのハンプのCRAZY RHYTHMをアップいたします。
55年3月18日のフランス/パリの録音であり、ひょっとしたらオリジナルは仏盤であるかもしれないですが、ヨーロッパジャズには疎くてわかりません。ご存知の方がいればご教示ください。メンバーはアメリカンとヨーロッパ人の混成バンドです。Lionel Hampton(vib), Sacha Distel(g), Rene Urtreger(p), MacKac(ds), Guy Pederson(b), Maurice Meunier(cl, ts), Bernard Hullin(tp), Dave Amram(frh), アメリカンのNat Adderley, Benny Bailey(tp)というメンバーです。演奏曲も4曲で、A面が"Crazy Rhythm"と"Night And Day"のスタンダード、B面がRed Ribbon"と"A La French"のオリジナルという構成です。A面の2曲が聴き物で、駄作の少ないハンプらしくスウィンギーでよく乗ったソロを聴かせてくれます。またNatとHullinのしなやかなラッパがいいですね。
裏カバーも例によって紺色の文字、ブルー系のモノクロ写真で凝った作りです。ジョン・ルイスのアトランティック盤などでの共演で知られるディスティルがほれぼれするようないい男であることがわかりますよね。
所有盤はエマーシーのドラマーラベルのオリジナルでしょうか?もちろんモノラルです。同じ白黒カバーでも、パブロでは勝負にならない格好良さが光りますよね!