Introducing Carl Perkins/Carl Perkins
(Dootone28MJ3560 jp.reissue)
皆さん、西海岸のベースプレイヤー、Leroy Vinnegarが書いた名曲”For Carl"をご存知でしょうか?エヴァンスのワルツフォーデビーに勝るとも劣らない名曲です。このCarlとは、50年代後半、西海岸で活躍した名ピアニスト、カール・パーキンスのことであり、ビネガーが彼の死に哀悼の意をこめて書いた作品と言われています。自分がこの曲に初めてであったのは、邦人ピアニスト、菅野邦彦のデビューアルバム「フィンガーポッピン」でした。このアルバムのA-2に収録された”For Carl"のワルツタイムにのった菅野の演奏が頭について離れなかった印象深い曲です。本日はこのカールこと、パーキンスの唯一のリーダーアルバム、西海岸のマイナーレーベル、"Dootone"に残されたアルバムをアップいたします。
メンバーはLeroy Vinnegar(b), Lawrence Marable(ds)のトリオです。ビネガーの参加はありますが前述の”For Carl"は演奏されていないのであしからず。左手の不自由なパーキンスは独特のスタイルでブルージーなピアノを奏でる黒人プレイヤーで活動期間も短いですがカーティス・カウンスのコンテンポラリー盤やペッパーのオメガセッションなどで結構聴かれている方は多いと思います。ここでは全11曲、オリジナルブルース3曲を交えて演奏してくれていますが、このブルージーなタッチ、グルービーなスタイルがすばらしく、一時的にレギュラーコンボを結成していたカウンスが”Punching, Stomping, Pushing"と評したのも何となく納得できます。スタンダードも"You Don't Know What Love Is", "The Lady Is A Tramp", "Just Friends". "It Could Happen To You"と渋い選曲で、個人的にはA面の"You Don't Know~", B面の"It Could Happen~”がお気に入りです。
オリジナルはマイナーレーベルということもあり、このレーベルのデックスと並びとても高価です。もちろん所有盤は国内盤再発です。オリジナルは実物を見たことも聴いたこともない一枚ですね。