Because Of You/Tony Bennett
(Columbia CL2550)
男性ジャズボーカル界ではサッチモ、シナトラをのぞけば、思い出のサンフランシスコで有名なトニー・ベネットは前2者に次ぐ存在だろうと思います。晩年の手振り身振りだけが目立つステージも観させていただいたが、全盛期のコロンビア時代のアルバムを知っていると、自分が生で聴いた、いや観たと言った方が良いかもしれませんが、大げさに手を広げて唄う仕草だけが目に付いて全盛期の面影をみる由もなかった事を思い出す。本日はトニーの若々しいドラマチックに声でドラマティックに唄うトニーを収録した10インチ盤をアップいたします。
バッキングはオケのようですがどのバンドか不明です。恐らくこのHOUSE PARTY SERIESはオリジナルの歌唱があって、それから焼き直したものと想像しているのですが詳細不明です。バックカバーを他のコロンビアリリースアルバムのPRのみに使用しているのはがっかりですね。さてここでのトニーは若々しい声でドラマティックな特性が充分に発揮されています。A-1の"Close Your Eyes"やA-2の"I Can't Give You Anything But love"やB-1のタイトル曲や個人的に最も贔屓にしているB-2の"May I Never Love Again"での乾いた声によるバラードの上手さは特筆すべきですよね。
所有盤はコロンビアの10インチ、6eye、モノラル盤で、ハウスパーティーシリーズの一枚です。単なる美女ジャケなのですが、よく見るとトニーがモノクロでバックに映っており、このジャケのアイデアも素晴らしいですね。もちろんジャケ買いしたことは言うまでもありませんが。