Thelma Gracen/Thelma Gracen
(Emarcy MG36034, jp.reissue)
(Emarcy MG36034, jp.reissue)
現代のCD時代になってからはどうだかわからないが、1980-90年代の我が国のLP再発の気運というのは恐るべしといった雰囲気であった。昨日アップのブルーノートのマイナー盤の再発などもそうですが、ボーカルものでもとてもお目にかかれないような幻盤(あえて”~の名盤”とはいいませんが・・・。笑)が次々再発され財布が軽くなる日々が続いたのが思い出されます。本日アップのエマーシーのセルマ・グレイセンなども、彼女唯一のアルバムでしょうし、オリジナル盤でさえ見た事・聴いた事がない一枚であった。
このシカゴ生まれのハスキーボイス、なかなかにジャジーで良いのです。クリス・コナーを彷彿とさせる語り口とスィンギーな乗りは聴くたびに好きになる、まさにそんな一枚ですよね。バッキングメンバーはGeorge Auld(ts), Quen Anderson(tb), Lou Levy(p), Barney Kessel(g), Joe Comfort(b), Sid Balkin(ds)のコンボです。各人にソロスペースが与えられており、オールドの野太いテナーや低音部を生かしたケッセルのギターなど聴き所満載です。選曲がスタンダード中心というのも嬉しいですよね。A面の”四月の想い出”、”NIght And Day", "Tea For Two", "Out Of Nowhere", B面では"Solitude", "Just You, Just Me", "More Than You Know", "Let There Be Love"など「全部出してやれ!」的なこのアルバム一発にかけたエマーシーの姿勢も感じます。
所有盤はもちろん国内盤再発ですが、55年録音にもかかわらず結構録音がいい。特にオールド、ケッセルの音は生々しくファン必聴の一枚と言えるかも・・・。