Stu Williamson Plays
(Bethlehem BCP-31, FSR reissue)
ウエストコーストシーンのトランぺッターにはチェット・ベイカーを別格とすれば小粒ながら山椒のようなキラリと光るプレイをするラッパ吹きが多いですよね。カンドリ兄弟,ジョー・ゴードン,ドン・ファガーキスト等など。ここに取り上げるスチュ・ウィリアムソンもそんな一人かなと思います。ご存知の方も多いかと思いますがホワイトパウエルことクロード・ウィリアムソンの実弟になります。本日はこのスチュのベツレヘム盤です。
FSRを購入していた関係であまり聴いてなかった一枚ですが,思いのほかバッピッシュな演奏でクールなウェストコーストジャズを想定していると,面食らってしまいます。演奏はかなり熱いですよ。メンバーはStu Williamson(tp), Charlie Mariano(as), Claude Williamson(p), Max Bennett(b), Stan Levey(ds)という渋い面子です。先に述べた兄クロードのパウエルマナーのプレイがバピッシュな印象を与え良いですね。マリアーノのアルトも熱く燃えます。スチュのプレイも良く唄いクールな印象は微塵も感じません。マックスのベースだけを相手に始まるA-4の“The Lady Is a Tramp"の軽快なラッパは忘れられませんし、A-2の“Autumn In New York"のバラードプレイも相当に良いですよ。スタンダードが多い選曲で聴き易いし、ラッパ好きには是非聴いて欲しい一枚です。
所有盤は前述のFSR盤ですが、カバーの質感の悪さ,ペラぺラの盤の欠点を払拭するような快演,久々のヒット!盤ですね。