Elvin!/Elvin Jones & Company
(Riverside RLP409)
(Riverside RLP409)
モダンジャズ界で有名な3兄弟と言えば,誰もが頭に浮かべるのがパーシー,ジミー,アルバートのHeath Brothersとハンク、サド,エルビンのJones Brothersであろうと思います。後者のJones Brothersの共演が聞ける珍しいアルバムがあります。リバーサイドに録音された”ELVIN"です。本日はこれをアップしますね。グループ名も"Elvin Jones & Company"という何とも素敵なネーミングです。
メンバーはThad Jones(cor), Frank Wess(fl), Frank Foster(ts), Hank Jones(p), Art Davis(b), そしてElvin Jones(ds)のセクステットです。演奏は全6曲中3曲を提供するThadの音楽性が垣間見えるセクステットの演奏が主体です。冒頭A-1の"Lady Ruck"もThadの曲ですが、イントロからエルヴィンのしなやかなドラミングが光ります。ブリッジを弾くハンクのリリカルなピアノがこれまた美しいです。ウェスのフルート,サドのコルネット,ポリリズムのエルビンとソロがわたされフォスターのサックスに引き継がれる展開は聞いててスリリングで大好きなトラックです。A面最後を飾る,ハンク・ジョーンズのショーケースとも言うべきトリオ演奏"Pretty Brown"も素晴らしく,エルヴィンのゴム鞠のようなブラシが最高です。このブラシの演奏はトミフラのOverseasの演奏などに聴けるプレイと同じですね。B-1の“Ray-El"もThadのオリジナルでどすんどすんとバスドラを駆使したエルビンのドラミングがいいですね。B-2のオリバーネルソンの曲でもハンクが元気です。最後のスタンダード"You Are Too Beautiful"はFosterを除いた五重奏団の演奏でWessのフルート、Thadのコルネット、ハンクのピアノといずれも素晴らしいバラードプレイで締めくくられます。
所有盤はブルーラベル,DG付きのモノラル,オリジナル盤です。カバーのすれがひどいですが,ジョーンズ兄弟の音楽性の高さを示した好アルバムで,ドラマーがリーダーであることを忘れてしまうような息のあったプレイが最高ですね。