葉室麟さんの本。
この本は昨年10月発行のものです。
玄鳥とはツバメの事を言い、
男同士の恋愛にも似た友情について書かれている。
衆道にも触れている本であるから、
いつものように後味爽やかとはいかなかったけれど、
背筋が伸びるような教えは健在だった。
葉室さんの本には和歌が出てくることが多い。
今回は、
吾が背子と二人し居れば山高み
里には月は照らずともよし
山が高くてこの里を月は照らさないけれど
あなたとふたりでいるならば そんなことはかまわないよ
亡き葉室さんに贈る、
国文学者の島内景二さんの、
「友情の賦を歌い続けて」の文が良かったのです。
葉室麟という文学者の魂も、
玄鳥のように翼を羽ばたかせて、
この世を去った。
中略
『玄鳥去りて』というタイトルは、
残された読者にとっては、
「葉室麟去りて」という意味で理解されるだろうとあります。
「葉室麟に献げる」の詩も胸を打つものでした。
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