成田空港。
最初に、カバン屋さんを探した。
旅行カバンの鍵を開けてもらおうと、見てもらった。
「鍵かかってませんよ」
「ええええええええええええええええええええええ―?嘘でしょ?」
人間、一度思い込むとなかなか修正がきかなくなってしまう。
慌てていたこともあり、てっきり鍵がかかっているものと…。
「馬鹿みたい!本当にドジなんだから、お母さんは」
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ごもっとも…言葉がありません、ハイ!
「でも、良かったじゃない。解決して」
楽天的というか、おっちょこちょいというか…
旅立つ前から、こんなで大丈夫?
しっかり者の娘がいるから安心です~ハイ!
さあ~、ブリティッシュ・エアウェイズのカウンターに荷物を預けよう~。
手続きを終えてから、折りたたみ傘など買い忘れたものを購入した。
そして、離着陸する飛行機の見えるレストランで一休み!
のんびりジュースを飲み一息ついて、娘に時間を聞いた。
「10時半かな」
「飛行機11時じゃなかったっけ?」
「大変!急がなくちゃ~!乗り遅れちゃうよぉ~」
驚いてる暇などない!
「それ、急げ!!」
ブリティッシュ・エアウェイズのカウンターに猛ダッシュ!!
パスポートを提示し、出国カウンターへ急ぐ。
時間がない!
乗り遅れるかも知れない!
たくさんの人が並んでいるじゃないよ。
一刻を争う事態に顔面蒼白(多分。滑稽なほどに)な私だったに違いない。
ダダダダダッ―と雪崩れ込むようにカウンターに近づいた。
次に手続きをする人に、事情を説明して譲ってもらいたいと懇願する。
すると快く入れてくれたのでした!!!
いい人でほんとに良かった~。
(並んでる皆さんゴメンナサイ。感謝、感謝です!。
すぐ手続きを済ませ、脱兎のごとく走り出したのだった!!
娘の姿を時々目で確認しながら、走りに走った。
そのうち彼女の姿が見えなくなったが、
「後から来るだろう」と走りに集中する。
「心臓がバクバクするよ。でも走らなくちゃ~」
ひたすら前進あるのみ!
すると、前方に機体のしっぽが見えた!
「あの国旗はイギリス…」
でも、まだ分からないじゃないよ。
ロンドン行ではないかも知れないし…。
ここでも大勢の人が並んでいるぞぉ!
最前列に行って、息をハアハアさせながらスタッフに聞いた。
すると「遅れています。もうしばらくお待ち下さい」というではないか。
「良かった!本当に」と胸をなで下ろす。
遠くに見える娘にOKサイン!
「私たち、ラッキーだね」とほっとしたように娘が言った。
「お母さん、すごく速かったね!追いつけなかったよ、私」
「そりゃーそうかも。子供の頃、短距離選手だったんだもの。
よその小学校の運動会に招待されて走っていたんだよ!
ちょっと自慢してしまった。
※写真はスタントンの教会