「お母さん!カバンの鍵どこ?」
「キッチンのテーブルの上は?」
「ないよぉ~。開けたいんだけど…。どこなの?」
「ん?あるはずよ」
「タクシー来ちゃうよ。どうしよう、カバン…」
「探してる時間ないから、とにかく行こう!成田でカバン屋さんに開けてもらおう…」
下でタクシのクラクションが鳴った。
「お母さん、急いで!」と娘。
下へ降りて行ったが、タクシーの姿が見えない。
「え?うそでしょ、タクシが行っちゃった?」
道の角まで出ていくと、タクシーはいた!
「よかった!」
ほっと胸をなでおろし、手をあげ合図する。
あとから来る娘を呼び、JR駅の高速バス停まで急いでもらった。
「あそこかな?誰もいないねぇ」
「まだ、時間あるもん」
「鍵どこ行っちゃったんだろう…」
「お母さんったら、まったくもう」
しばらくして、高速バスが来た。
出発そうそうドタバタ騒ぎ!
これでは、どんな珍道中になるのか?
不安(娘はあったかもしれない)はほとんどなかった。
私たち2人の期待をのせて、成田空港行きの高速バスが発車した!
前夜は、旅支度で大忙しだった。
カバンは大きいのを1つ、リュック一つ。
それら共用のほか、それぞれが小さめのバッグを持つことにした。
「上等なバッグ持ってると狙われるらしいよ」
「イギリスは田舎だから大丈夫だけど、パリは心配だね」
そんなこんなで、カバンは30年前、私がハワイに行った時のものを使うことにした。
「えぇ?それにするの?今時ないよ、そんなの」
「たっぷり入るし、いいじゃないよ」
「まぁ、いいか」
深緑色のキャンバス地で、赤と黒のストライプが1本入っているのがポイント。
一応キャスター付きではあるが…。
「時差解消のために、今夜は私寝ないからね。バスと飛行機の中で寝るんだ」
と娘。
「え?そうなの?」
ネットや本でいろいろ下調べしていた彼女が言うんだから、そうかも。
「そう?じゃお母さんもそうするよ」
と言ったものの、本当のところは旅支度がまだ終わっていない。
だから、徹夜はいたしかたないと覚悟を決めていたのだった。
2週間近く休暇を取るために、休み前は多忙な毎日だった。
ほとんど準備ができていなかったのだ。
成田へ向かう高速バスの中で、当然のように2人は爆睡…。
あっという間に成田空港に到着してしまった。
「さぁ~、カバン屋さんを探そう」
「キッチンのテーブルの上は?」
「ないよぉ~。開けたいんだけど…。どこなの?」
「ん?あるはずよ」
「タクシー来ちゃうよ。どうしよう、カバン…」
「探してる時間ないから、とにかく行こう!成田でカバン屋さんに開けてもらおう…」
下でタクシのクラクションが鳴った。
「お母さん、急いで!」と娘。
下へ降りて行ったが、タクシーの姿が見えない。
「え?うそでしょ、タクシが行っちゃった?」
道の角まで出ていくと、タクシーはいた!
「よかった!」
ほっと胸をなでおろし、手をあげ合図する。
あとから来る娘を呼び、JR駅の高速バス停まで急いでもらった。
「あそこかな?誰もいないねぇ」
「まだ、時間あるもん」
「鍵どこ行っちゃったんだろう…」
「お母さんったら、まったくもう」
しばらくして、高速バスが来た。
出発そうそうドタバタ騒ぎ!
これでは、どんな珍道中になるのか?
不安(娘はあったかもしれない)はほとんどなかった。
私たち2人の期待をのせて、成田空港行きの高速バスが発車した!
前夜は、旅支度で大忙しだった。
カバンは大きいのを1つ、リュック一つ。
それら共用のほか、それぞれが小さめのバッグを持つことにした。
「上等なバッグ持ってると狙われるらしいよ」
「イギリスは田舎だから大丈夫だけど、パリは心配だね」
そんなこんなで、カバンは30年前、私がハワイに行った時のものを使うことにした。
「えぇ?それにするの?今時ないよ、そんなの」
「たっぷり入るし、いいじゃないよ」
「まぁ、いいか」
深緑色のキャンバス地で、赤と黒のストライプが1本入っているのがポイント。
一応キャスター付きではあるが…。
「時差解消のために、今夜は私寝ないからね。バスと飛行機の中で寝るんだ」
と娘。
「え?そうなの?」
ネットや本でいろいろ下調べしていた彼女が言うんだから、そうかも。
「そう?じゃお母さんもそうするよ」
と言ったものの、本当のところは旅支度がまだ終わっていない。
だから、徹夜はいたしかたないと覚悟を決めていたのだった。
2週間近く休暇を取るために、休み前は多忙な毎日だった。
ほとんど準備ができていなかったのだ。
成田へ向かう高速バスの中で、当然のように2人は爆睡…。
あっという間に成田空港に到着してしまった。
「さぁ~、カバン屋さんを探そう」