英国のパディントン駅16時18分発のモートン・イン・マーシュ行きが走り去って行く…。
「行っちゃったよぉー」
「うん、行っちゃった~」
8番ホームには、私たち日本人母娘が取り残され…他に誰もいなくなった。
一瞬固まりそうなほどがっくりきたが、いつまでも呆然としていられない。
次の行動に移らなければ…気を取り直して母は娘に言った。
「次の時間、調べてくるから…」
「うん」
カウンターに戻り、例の女性に声をかける。
「次のモートン・イン・マーシュ行きは何時ですか?」
すると、少し驚いたような残念そうか表情になり、調べ始めた。
「次は17時22分です」
「何番ホームですか?」
すると、彼女が答えた。
「10分前にここに来て下さい」
その時々でホームがかわるのかもしれないなぁ…。
それで、さっき2、3分後に来てくださいって言ったんだろうか。
時間の変更もあるのだろう…。
いまさら気付いたって遅いよ!
どうしてぼんやりなんだろうねぇ、私って…。
そんなことを考えながら、娘が待つ8番ホームへ戻った。
「そっかぁ…。1時間近く待たなきゃいけないんだ」
「そうなのよぉー。何か食べて待つことにしようか」
「私、そんなにお腹すかないよ。それより、トイレ行きたい」
「ん?トイレ?どこにあるんだろうね~」
2人でトイレの場所を探す。
なんのことはない、時刻掲示板のすぐ近くにあった。
「イギリスでは駅のトイレでもお金いるのかな?いくらかなぁ」と思案する娘。
私は小銭を持ち合わせていないことに気付いた。
「ちょっと待って!そこの売店でチェンジしてくるから」
と言い置いて、トイレの目の前にある売店へ入って行った。
そのミニショップには、
絵はがきやノート、ペンなどの文具を中心に雑貨が所せましと並んでいた。
女性店員が数人いたので、その中の1人に事情を話した。
すると、彼女は心よくチェンジしてくれたのだった。
1ポンドを20ペンス5枚に交換してもらい、娘にその1枚を渡す。
「じゃぁ、行ってくるからね」
そう言って、トイレの奥へと消えた娘を待つ。
しばらくして、先ほどのカウンターの女性が近づいて来た。
「5時22分の電車は3番ホームですよ」
心配そうに念を押すように言った。
「ホームで駅員の男性にチケットを見せて乗車してね」
私を促すように言ったのに、そこを動こうとしないものだから…怪訝そうな顔を向けてきた。
トイレに行った娘を待っている、と話す私に
「娘さんに伝えてあげるから、先に行って!」彼女が言ったのだった。
そんな事言われてもなあ~
娘を置いて先に行くべきか、それとも待つべきか…
あぁどうしよう!?どうして遅いのよぁー。
トイレで事件?そんなこと起きないでよぉ~。
躊躇している、ちょうどその時、娘が戻って来た!
「遅いよぉー。電車来ちゃったよ~。急いで!」
女性に心から感謝して、私たちは3番ホームに向かったのだった。(つづく…)
「行っちゃったよぉー」
「うん、行っちゃった~」
8番ホームには、私たち日本人母娘が取り残され…他に誰もいなくなった。
一瞬固まりそうなほどがっくりきたが、いつまでも呆然としていられない。
次の行動に移らなければ…気を取り直して母は娘に言った。
「次の時間、調べてくるから…」
「うん」
カウンターに戻り、例の女性に声をかける。
「次のモートン・イン・マーシュ行きは何時ですか?」
すると、少し驚いたような残念そうか表情になり、調べ始めた。
「次は17時22分です」
「何番ホームですか?」
すると、彼女が答えた。
「10分前にここに来て下さい」
その時々でホームがかわるのかもしれないなぁ…。
それで、さっき2、3分後に来てくださいって言ったんだろうか。
時間の変更もあるのだろう…。
いまさら気付いたって遅いよ!
どうしてぼんやりなんだろうねぇ、私って…。
そんなことを考えながら、娘が待つ8番ホームへ戻った。
「そっかぁ…。1時間近く待たなきゃいけないんだ」
「そうなのよぉー。何か食べて待つことにしようか」
「私、そんなにお腹すかないよ。それより、トイレ行きたい」
「ん?トイレ?どこにあるんだろうね~」
2人でトイレの場所を探す。
なんのことはない、時刻掲示板のすぐ近くにあった。
「イギリスでは駅のトイレでもお金いるのかな?いくらかなぁ」と思案する娘。
私は小銭を持ち合わせていないことに気付いた。
「ちょっと待って!そこの売店でチェンジしてくるから」
と言い置いて、トイレの目の前にある売店へ入って行った。
そのミニショップには、
絵はがきやノート、ペンなどの文具を中心に雑貨が所せましと並んでいた。
女性店員が数人いたので、その中の1人に事情を話した。
すると、彼女は心よくチェンジしてくれたのだった。
1ポンドを20ペンス5枚に交換してもらい、娘にその1枚を渡す。
「じゃぁ、行ってくるからね」
そう言って、トイレの奥へと消えた娘を待つ。
しばらくして、先ほどのカウンターの女性が近づいて来た。
「5時22分の電車は3番ホームですよ」
心配そうに念を押すように言った。
「ホームで駅員の男性にチケットを見せて乗車してね」
私を促すように言ったのに、そこを動こうとしないものだから…怪訝そうな顔を向けてきた。
トイレに行った娘を待っている、と話す私に
「娘さんに伝えてあげるから、先に行って!」彼女が言ったのだった。
そんな事言われてもなあ~
娘を置いて先に行くべきか、それとも待つべきか…
あぁどうしよう!?どうして遅いのよぁー。
トイレで事件?そんなこと起きないでよぉ~。
躊躇している、ちょうどその時、娘が戻って来た!
「遅いよぉー。電車来ちゃったよ~。急いで!」
女性に心から感謝して、私たちは3番ホームに向かったのだった。(つづく…)