心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

一気に秋到来

2011-09-23 | 漢詩

                       (半紙)

 

 

高啓の詩「樹涼山意秋」  樹(き)涼しくして山意は秋に

樹々を渡る風は涼しく、山の気配はすっかり秋だなぁって感じかな。

 

全国的に猛威をふるった台風15号が去ると、一気に秋の気配 

あんなに競って鳴いていた蝉の声は消えて、秋の虫がバトンタッチしてて。

 

今日はその台風で大荒れとなったベランダの大掃除と、

鉢が割れたり、折れたりした植物の植え替えをば。

ずっと気になっていた茂り放題の草花もすっきりして、気持ちがよかです 

 

台風の日、ほんの数時間の暴風雨で、我が家はベランダ側の和室の天上と壁からは雨漏りも。。

昭和49年築の、断熱材もないコンクリートのままの壁なので、夏暑く、冬寒く。。

 

その壁のペンキは、魚の鱗のようにあちこち剥がれてきているのでして。

大家さんに相談したら、「2週間荷物はどけて家を出てくれたら、パネル張るけど?」って。

 

「そりゃ無理っつうもんでしょ。。 」

「どうせ出たら壁のペンキ剥がすから、好きな色に塗っていいよ」

「そう言われても・・」

「じゃ、引越せば?」って、全く誠意がない。。

 

ベランダの広さが気に入って借りたんだけど、また底冷えのする冬もすぐそこ。

おっし!体を鍛えるぞ~と、ようやく涼しくなったのでウォーキング始めるぞっと 

 

皆さまも、よい秋をお迎えくださいませ  

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白髪三千丈になろうとも

2011-09-22 | 漢詩

                      (半紙)

 

 

先日に続き、母の作品。

李白の有名な五言絶句「白髪三千丈」

 

 白髪三千丈  白髪三千丈
 縁愁似箇長  愁に縁って箇(かく)の似(ごと)く長し

 不知明鏡裏  知らず明鏡の裏(うち)
 何處得秋霜  何れの處にか秋霜を得たる

 

意味は・・

 

我が白髪は三千丈(約9km)にもなった

あれこれ心配し過ぎたからだ・・

しばらく鏡も見ずにいたら

いつの間にか秋の霜が頭に降りてきてしまったのか  って感じかな

 

 

李白のやりきれないような、切実な胸中に共感するところがあるのか、

母はこの詩が好きなようで、よく書いていて 

 

どの時代、どこで生きていようとも、人それぞれに山あり谷あり。

 

でも、人生に何もないのが当たり前じゃなくて、何かがあるのが人生だって思って

李白のように憂い嘆くより、無条件に生命を受け入れつつ、

あっけらかんと、なんでもござれ~って開き直って生きたいでありんす 

 

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母の書

2011-09-17 | 漢詩

                    (半紙)

 

 

今日は母の書をば。

 

李白の五言絶句「静夜思」

 

牀前看月光  牀前(しょうぜん)月光を看()

疑是地上霜  疑うらくは是れ地上の霜かと

挙頭望山月  頭(こうべ)を挙げて山月(さんげつ)を望み

低頭思故郷  頭(こうべ)を低()れて故郷を思う

 

解釈は・・・

寝室に差し込む月の光が明るくて

庭の土は霜かと・・

彼方を仰いで山月を想い

うなだれては故郷を想う    って感じかな。

 

 

母とやっている書道教室も、今年で24年目。

 

最初からいらっしゃる方、最近始めた方とそれぞれですが、

松本芳翠の楷書基本帖、かなの基本を終えられたら、

古典の臨書と併せて、唐詩選の本から選んだ漢詩の創作も。

 

で、これはその母のお手本。

 

私は木簡や隷書、造像、甲骨文といった古い文字ばかり書いてきて、

行草からはずっと逃げ腰でして・・

でも最近、母の書を見ていると、こんなのが書けたらなぁ・・って 

 

遅ればせながら、行草の勉強もがんばりまっす 

 

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心はアナログのままで

2011-07-24 | 漢詩

                        (はがき)

 

 

杜甫の詩「枕簟入林」 ちんてんはやしにいる

枕と敷物とをもって林中に入りて暑きを避ける、の意味。

 

そんなゆったりとした暮らし、いいなぁって思って。

さしずめ我が家は、夜寝る前に一杯持ってベランダへってことで「酒入縁側」。

 

でも、ここ数日は涼しくて、夜などしまった布団を1枚出す程。

今日も暑くなるとの予報の割に、過ごしやすく。

今年は風鈴もぶらさげて、音が涼を運んでくれてます 

 

節電の今夏は、昭和の風情を楽しめるかも。

あ、今日でアナログ放送終了、ひとつの時代が終わった感が。

 

自然環境は変化して、科学技術は進化しても、

心は変わらず、アナログのままでいたいものでござりんす 

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江碧鳥愈白

2011-04-26 | 漢詩

                          (半紙)

 

 

今日午前中は絵手紙教室。

今年で17年目に入ったので?ここ数年、なんだか絵手紙というより

書画教室になってきたというか・・

 

今日のお題は、菖蒲の花と、有名な杜甫の五言絶句

 

江碧鳥逾白 川の水はエメラルドグリーンで、白い鳥の色がより引き立ち 

山花欲然 山の色は青く、花は燃え上がるようである

今春看又過 今年の春もぼんやり眺めているうちに、またもや過ぎてしまったけれど

何日是歸年 いったいいつになったら(戦乱が収まり)郷里へ帰ることができるのやら

 

長いこの詩を、皆さま半紙にびっしり書いてきて下さり。

で、絵手紙風にするには?ってことで、

文字群を絵のように・・・と、構図をあれこれ変えて書いてみたなり 

 

 

 

↑山の景色を入れてみたり、文字の大きさ、1行に入れる文字の数、

線の太さ、墨量に変化をつけてみたり・・。

文字数が多くてちゃっちゃっと書いたので、かなりいい加減ではありますが 

 

今日はまたEさんが皆さんに~と和菓子をお持ち下さり、お茶を飲みながら

話題は東北の被災地への思いをあれこれと。

 

思えばこの詩、・・被災された方々の思いとも重なっているような 

 

 

 

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頑なな強さではなくて

2011-04-04 | 漢詩

                          はがき倍版

 

雲開萬壑春 くもはひらくまんがくのはる
雲は晴れわたり、あちらの谷もこちらの谷も春めいている。【廖道南・明】

 

このあたりも例年より遅いけど、桜が咲き始めて。

1年ぶりに見るその姿に、心和み。 

なんだか涙が出るね。

 

山頭火の本をめくりながら、でもなんとなくこの言葉が書きたくなって。

 

強くなりたいなぁ。

頑なな強さではなくて、しなやかに

 

 

久々に今日の1曲は・・・

大学の頃はまっていた Air supply   Someone Who Believes In You

 

 

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李白の詩から

2011-01-18 | 漢詩
                              (半紙)

李白の詩「重憶」

欲向江東去 江東に向かって去(ゆ)かんと欲す
定將誰挙杯 定めて誰と杯を挙げん
稽山無賀老 稽山 賀老無く
却棹酒船囘 却って酒船に棹さして回(かえ)る


二玄社の『詩歌書例100選』の 2.唐Ⅰ◆王維/李白 殿村藍田 の中から。

以前は殿村藍田氏の作品は、どちらかというとあまり好みではなかったのだけど、
それまでいた会を離れ、母と一緒に別の書展にも足を運ぶようになってから
いいなぁって思うようになり 

不思議なもので、どこであれ組織の中にいると、周りが見えなくなり
そうこうしているうちに、自分自身も見えなくなるものでして

ま、それも自分次第・・かな。
心に壁を作らず、こころざしを持っていられたら、
どこで何をしていようと、自分を見つけることはできるのでせう。

とは言え、一人で歩くというのは、余程心して精進していかなければ
ただの俗っぽい安普請になってしまうこともあるのでして・・ 

そんなことを考えつつ、はてさて私はどこへ向かおうとしているのやらと
この詩を書きながら、ふと 

今年もちょっとづつ、形にしていけたらと思っておりますです 
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人には人の・・

2011-01-12 | 漢詩
                           スケッチブックに

但得酔中趣 ただ酔中の趣を得ても 
忽為醒者伝 醒める者の為に伝うるなかれ

李白の詩『独酌』の一節。

酔中の趣、つまり、酒に酔って気分がいいからといって、
お酒を飲めない人に、その高揚した気分を自慢したりするものじゃないさ・・とな

そのニュアンスには、無駄だから・・という意味のほかに、
無理にわかってもらおうとするのは、心ないわざ、野暮でない?ってのもあるような 

その代わり、その機微がビビビっとくる相手との、どこまでも続く酔中の趣は
いとたのし・・なり 

ところで、なんでスケッチブックに・・って?
たまたま、目の前にあったから、ただそれだけさね 


今日の1曲は・・Kurt Elling & All Jarreau の  Take 5



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拝啓 グールドさま

2010-10-14 | 漢詩
                          (34cm×6cm)


一酔盡忘機 いっすいことごとくきをわする   白楽天の句

機とは、世間のからくり。一酔して俗事を忘れること。 
(参考:『新修墨場必携(下)』 山本正一偏 法政大学出版局)

今の私の場合「一睡・・」でもあるんだけど。
ほんと、寝不足は天敵・・

寝不足が続くと、抱えきれない気持ちがとうとうと涌いてきてしまって 

そんな時、元気な音楽は薬にはならず。。
ということで、今日聴きたくなったのは Glenn Gould
曲は  Bachの BWV 828 - 5 – Sarabande


やっぱりいいなぁ・・Glenn Gould 
心に沁みるううう・・

寝不足やら何やらで忘れちゃってたものを、ポ~ンと置いていってくれるのであ~る


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楓葉蘆花

2010-09-21 | 漢詩
                              (半紙)

先週の午前中の書道教室のあと、何となく母の元気がなかったので
午後から普段は母だけで行く、老人センターでの教室に久々に同行。

最近、曹全碑を始めたそうで、母に沙於里流でいいから書いてみてと。
センターの皆さまは、ご高齢ではあっても、とにかく真面目で熱心な方ばかり。

えっと・・
「まずは一字一字、この字はここをアピールしたいのねって会話をしてみるんです。」
・・って言ったら、目はパチパチ、シーンとしちゃって 

それでも帰り際、たまには刺激を与えに来てねって言って頂けて、ほっ・・

皆さんが添削を受けている間、隅っこで一人墨場必携を捲りながらあれこれと。

今日のお題は、「楓葉蘆花」 ふうようろか (蘇軾)
意味は・・楓の葉やら蘆花(アシの花穂)やら、秋は興多しよのぉ・・って感じかな。

気に入らないけど、恥を晒すのも是亦精進なり 
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