心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

部分+部分+部分+・・

2014-07-29 | 書の話


たとえば、ひとつの世界があって。
人でも、絵でも、音楽でも、雲が浮かぶ空でも、本棚でも、
食器に盛りつけられた料理でも、いま目の前に見える空間でも。

で、その全体ばかりを見ていると、そこだけに縛られることもあるというか。

つまり、これは「叶」という文字であって、それ以上それ以下でもなく
「叶」は叶うとしてしか生きられなくなるというか。

でも、こんな風にある部分を好きなようにカットすると、
全く違う音だったり色だったり時間の流れ等々を感じるんだなぁ、これが 

どこを切って、どこを残すか、余白だったり、主張する黒だったりを
自分なりに居心地のいい場所を探すのが、好き 

何事も、部分+部分+部分+・・が重なり合って、ひとつの世界ができてるわけで。
そう、私自身も。まだまだ知らない私も含めて、ね 


↓のは、右側にある黒の直線を消して、左側の余白を少し増やしてみました。


どちらが世界が大きく感じるか、どちらが空間に緊張感があるか、
黒い点と丸い滲んだ点の温度はどちらが温かく感じるか・・

そんな妄想を始めると、時間を忘れてしまうのでして 

さて、全貌はこんな感じです。嬉しいことに、お嫁に行きました。
作品は吐き出したらもう自分の物ではない、と思う日もありますが、
手放すとなぜか愛情も湧いてくるものでして


「叶」 (半紙1/2)

白い木枠の額に、乳白色と薄鼠色の紙を背景に。
作品の口の部分=○と書いた部分の左側の余白が横に伸びる力を感じたので、
薄鼠色を縦に置くことで、全体の空間が引き締まるかなと。

はてさて、どないでっしゃろ。

以前、「叶」の文字の由来を書きとめましたが、この作品は、
「願いを叶えたり、夢が叶う時、必ず誰かに支えられているような・・」
十の縦画を支えにして・・私なりに、そんなイメージで書いた「叶」の文字です 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今井凌雪回顧展レポート

2014-07-27 | 書展・展覧会情報
昨日は、上野の森美術館で29日まで開催中の今井凌雪回顧展に行ってきました。
上野の森だから、きっと撮影NGだと思ってカメラを持っていかなかったら
皆さん写真を撮られていて、あ~ん、残念。

会場では、かつてNHKで書道講座をされていた時のビデオが流れていて。

古典の臨書の勉強の仕方について、楷・行・草・金文や篆書と
色々な書体を丁寧に解説されていて気づくと120分、全部拝見。

ビデオの中で体験者の女性の筆さばきを見ながら
「筆の抵抗があるとそこから逃げている、筆から逃げてはだめ」と。

筆の初心者は、筆さばきがわからなくなると、えいや~と投げやりになりがち。
そこをうまいことばで解説されていて、なるほど~と。

そして、書を勉強する上で一番大事なことは、

「古典の良さがわからないと、書は上達しません。
 だから書くよりも前に鑑賞することが大事」と。

何事もそうだと思うけど、尊敬したり素敵だなって思ったり
こんな風になりたい、書きたいっていう憧れの気持ちは
好奇心や意欲や創造を運んでくるわけで。

まずは、どんな書が好きなのか、そこを突き詰めて
追い求めていきたいものです 

今井先生の作品集を是非購入したかったのですが、ちと手が届かず・・
諦めて米寿記念展の作品集を。
それでも作品満載で、わくわく。ゆっくり鑑賞させて頂きます 











画像は図録から。掲載NGでしたら、ご一報くださいませ

回顧展は、29日(火)まで上野の森美術館で開催中です。


会場で久々に書友、諸先輩にもお目にかかり、書談義ですっかり長居をば。

夜、地元に戻ってからは、帽子作家の岩元さんとお気に入りの
カフェ・スマッシュで、ぴーちくぱちく。
気がつくと23時も過ぎて 

猛暑酷暑の中、更に熱い1日でした~。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現日書展のお知らせ

2014-07-27 | 書展・展覧会情報

書TENでご一緒させている現日会の皆さまが出品されている現日書展が
8月2日から上野・東京都美術館で開催されます。

これまでの現日書展の模様はここをクリックで、ずずいと下まで~。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑中見舞いの贈り物にも

2014-07-25 | つれづれ


山本洋三先生(←HP)から、素敵なフォトブックが届きました

私も大変にお世話になっている麗川先生のお社中の方で、
某有名高校で国語の先生をされていた方です。

植物の写真もたくさん撮られていて、今回はコラ書と命名された
写真と書のオリジナル作品集だそうです。

写真はクリックで拡大→
写真は、洋三先生のブログから拝借

ご希望の方には、販売もされています。

被写体の花々は野の花が多く、書も穏やかで静かな佇まい。
猛暑のこの時季、暑中お見舞いの贈り物にも喜ばれるのでは 

詳細は洋三先生のブログへ→ Yoz Art Space
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今井凌雪回顧展―人と書のすべて-

2014-07-25 | 書展・展覧会情報

2011年7月にご逝去された今井凌雪氏の回顧展が、上野の森美術館で
今日7月25日から始まります。

実は、大好きな書家のお一人なので伺いたいと思っています 

 ■今井凌雪 - 人と書のすべて - 展

 ■7月25日(金)~7月29日(火) 10:00-17:00 (最終日15:00

 ■上野の森美術館


作品は雪心会HPから拝見できます。

TOP画面にある「今井凌雪とは」というところをクリックして
しばし待っていると画面が変わります。

文章左下の NEXT というところをクリック→作品が出たら
下の段の今井凌雪の書の箱の赤字のclickをポチッとすると
作品を見ることができます。
ここでもNEXTを押していくと、次々に作品が 

映画『乱』をはじめとする、黒澤明監督の映画タイトル題字を揮毫されたことでも
有名ですが、自由で豪快で朴訥、天真爛漫な書風に憧れるのでして 

暑い中ですが、機会がありましたらお出かけくださいませ~。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「許容」

2014-07-24 | 山頭火・放哉・良寛
                          (はがき)



久々に山頭火の句。
「この道をたどるほかない草のふかくも」

山頭火の思いは、絶望でも諦めでもなく、「許容」なのかも、と最近思う。

そう思いつつ、まだまだ、挽回や挑戦する気持ちを辛うじて循環させながら
日々を暮しているのだけど 

今、読んでいる本があって。
今年の2月に104才で天に召されたまど・みちおさんの
「いわずにおれない」 ( 集英社be文庫)


そのなかの詩をひとつ。

    「かず」

   かずは 一から はじまって
   いくつまで つづくのだろう
   たしかめたく なるのは
   だれにも たしかめられないからか

   ぼくには かずが
   じぶんで じぶんを
   かぞえているように おもわれる
   うちゅうが はじまった その日に
   一から かぞえはじめて
   いまでも ずうっと
   まだ まだ これからだと おもって

   だれも いない 
   なんにも ない
   うちゅうの まん中に すわって

   なんで そうせずにはいられないかを
   ひとり かんがえつづけながら・・・


この詩は、数えきれないという数字にも個性があって、
その個性がやりそうなことは・・と考えてみただけ、と解説があるのだけど。

どんな小さなもの、こと、命でも、意味のないと思えることにも
冒険心といとおしさと遊び心を携えて、
やさしい言葉で、ふか~い思いを伝えようとするまどさんの詩が好きです。

でもこの詩、まどさんの思いとは違うところで、
私は私で感じるところがあったりしとります 

いくつか詩が紹介されてます→ここから

さて、関東も梅雨明けして今日も猛暑。
ゆったりたゆたう魚たちに癒されてくださ~い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天空からの啓示~ライブレポート

2014-07-20 | ワークショップ・ライブレポートなど
                                  右下の女性が企画された Rieko Yuiさん

レポートがすっかり遅くなりましたが~
先週日曜日にお邪魔した、天空からの啓示~ガムランと般若心経/沖縄三線と小鼓の
ライブレポートをば。

会場は、中野にあるカフェ・モモガルテンで。
古民家の会場は想像していたよりは狭く、でもそのお蔭で出演者の方との距離は近くて。

第1部は、日本で唯一のインドネシア・スンダのガムラン・ドゥグンとトゥンバン・スンダを
演奏するグループバラグナ
私が以前バリ島で聴いた華やかで賑やかなガムランとはまた違う、静かで穏やかなガムランでした。

そして、次の演奏は、詩人伊藤比呂美さんが現代語訳された『読み解き般若心経』を、
作曲家の藤枝守さんが音をつけた「歌づけ般若心経」。

you tubeであちこち探して探して、別の会場のですがパラグナさんの演奏♪ありました~
般若心経は56’20秒あたりから解説が始まって、演奏は1:00’10秒あたりから始まります。

約25分ありますが、目を閉じて心静かに聞いていると、日常の中のちょっとしたため息が
吐き出すだけじゃなくて、またいいものを連れて体の中に戻ってくるような気がします。



 
 観自在菩薩 行深般若波羅蜜多 時照見五蘊皆空  


 自由自在に 世界を 観ながら 人々とともに            
 歩んでいこう 道をもとめていこうとする かんのんが        
 深い しえに よって ものを みつめる 修行の なかで
 ある考えに たどりついた。
 わたしが いる。 もろもろの ものが ある。
 それを 感じ
 それを みとめ
 それについて 考え
 そして みきまわめることで
 わたしたちは わたしたちなので ある。

      ・・・

 乃至無老死 亦無老死盡 無苦集滅道

 老いて 死ぬ 苦しみが なくなることもない。   
 ものを 知らぬから 老いて 死ぬまで
 人の 生きる 苦しみは いろいろ あるけれども
 そのどれも ない。
 また その苦しみが なくなることも ない。


この曲を作られた藤枝さんに、お話を伺うことができたのですが、
曲作りには、植物の電位データというのを集めて、そこから生まれる音楽を曲にしているそうです。


↑藤枝さん

まだまだ知らない世界があるんだなぁと、興味深いです。


そして第2部は、沖縄三線と小鼓の今井尋也さんによる、映像紙芝居『島建てシンゴ』。
三線に合わせて人類のはじまり、稲作の起源を、歌とともに壮大な創世神話が語られ。

その合いの手に、能楽師としても活躍されている今井さんの迫力ある声と小鼓、
能の世界と違って、手作りのお面を被って歌う姿は意外でしたが、心地よかったです。



そして第3部は、これがメインとの声もありましたが~
出演者の方とお客さんとの懇親会、カフェの方のエスニックな手料理、どれも私好み~で美味しかったです。

その時に小鼓の今井さんと色々なお話ができて、刺激的~なひと時でした。
この今井尋也さん、かなりただ者じゃない方のようです。

メガロシアターという演劇、パフォーマンス、アート、あらゆる文化、芸術活動を展開する団体を
主宰されていて、能という超古典芸能の世界に身を置きながら、
全く違うジャンルの人たちとのコラボも多数されていて。

まだ30代というお若さ、これからの活動に注目したいです。



超前衛パフォーマンス you tube ⇒ WhiteOut_0  


詳細は今回の企画をされたRieko Yuiさんの facebook からも~

Yuiさんは、インドネシアの芸術を日本に紹介したり、その逆も。
プロデューサーとしても、これからどんな楽しい世界を見せてくれるかすごく楽しみです。

私ももっと、能動的に活動したいなぁ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帽子のアトリエでのワークショップ Vol.1

2014-07-16 | ワークショップ・ライブレポートなど
                              (はがき)


あっという間に7月も中盤ですねぇ。
先週末のイベント2つをアップしたいと思いつつ、
楽しすぎて?寝坊な週明けとなりまして、あるら~もう水曜日。

というわけで、まずは土曜日のイベントから。
先日のコラボ展でお世話になった、帽子作家の岩元けい子さんの玉川学園にあるアトリエで、
暑中見舞いとかとかのワークショップを開催。


コラボ展でも遊びに来てくれた美空ちゃんとお母さん、お兄ちゃんも参加してくれて。
そしてご近所だという高校1年生&お母さんと、大人4人。

消しゴムはんこを作っていたら、男の子は自分で作る~と。 
美空ちゃん、真剣に描いたあとは、わんちゃんって名前のぬいぐるみとこの笑顔 


美空ちゃん、子どもらしく元気でパワフルなのでして 

美空ちゃんのお兄ちゃんのさくらんぼとバナナ。 たっぷりしていて美味しそうです。



高1君、1匹の金魚にピシャ模様。も少し小さい金魚の絵に、何て書く?と聞いたら
「一生独身」なんていうもんだから、おいおいちょっと待てい~って大笑い。


 「たとえばさ~ これから ってのは?」
 「う~ん・・・」とちょっと渋りながらも「人生これから」って書いてくれました 


右上:美空ちゃん、下の南瓜は美空ちゃんのお母さん。



暑中見舞いということで、大人組にはいつもの風鈴やら、とうもろこしとかとかを。
なのに、あちこち回っていて写真撮るのをすっかり忘れてしまいまして 

その他に、墨流しも~。
半紙で墨流しをして、お気に入りの部分を手でちぎって、はがきのここぞという場所に貼り。



雅印の位置もどこがいいか、あれこれと。
一度印を押して、そのサイズに切ったものを、ここかなと置いてみるといいのでして。

そして、最初の「出発」もですが、これは、デカルコマニー 。
紙に絵の具を塗りつけ、それを2つ折りにしたり、別の紙に押し付けたりして転写する技法。



今回急に思いついてやったので、絵具の色がこれしかなく~でしたが。

それぞれに、さて、どんなことばが浮かびます?と、大人組に質問をば。
で、頂いたことばを、空間を意識しながら書き添えてみました。

あっというまに2時間半が過ぎ、お片付けのあとは手作りジャムパーティ。
お茶目な美空ちゃんは食べることが大好きなんだって~


ジャムは挟まず、クラッカーにクラッカーをサンドして、ご満悦の美空ちゃん 

それぞれの方とやってみたいことがありましたが、限られた時間ゆえ儘ならずでしたが、
わたしにとっては、またまた楽しいひと時でした。

皆さまが帰られてから、またまた岩元さんとぴーちくぱーちく。
ずっと漠然とやりたいと思っていたことたちが、少しづつ形になっていけたらなぁと思っています。

この機会を下さった岩元さん、ご参加下さった皆さまに感謝です。

次回は、ガムランと般若心経、沖縄三線と小鼓のライブのレポートをば~。

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑中見舞いとかのワークショップ

2014-07-11 | 絵手紙
                    「心」  (はがき)


 こころよ ではいっておいで
 しかしまたもどっておいでね    八木重吉の詩より



台風一過、今日の空は青く高く。
けれども被害のあった地域もたくさんあって、自然の脅威もひしひしと。


空高く、遊びに出かける心をイメージして、
「心」をはがきの上部に書いてみました。


こころよ~は割り箸で。


明日1時~町田市玉川学園にある、帽子作家の岩元さんのアトリエで、
暑中見舞いとかのワークショップをやらせて頂けることになりました 

急なお話ですが お近くの方でご興味ありましたら、
お気軽にお問い合わせくださいませ 
↓コメント欄から(非公開で受け取れます)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古民家カフェ・モモガルテンでの                    沖縄三線とガムランのライブご案内

2014-07-07 | 書展・展覧会情報

今日は中野にある古民家カフェ・モモガルテンでのライブのご案内をば。

大学の頃からの親友Rちゃんも、企画に参加しているということで
ぜひぜひ伺う予定です。

Rちゃんは数年に亘りインドネシアで、インドネシア語⇔日本語の通訳の仕事を
していて、この春ようやく帰国してくれて、私はうれしや~なのですが
まだまだインドネシアへの熱い思いはあるようで。

今回は、沖縄三線×ガムランジョイントライブ「天空からの啓示」と題して
~南東神話と般若心経をうたう、奏でる~らしい 

 詩人・伊藤比呂美が読み解く優しい日本語の詩に、作曲家・藤枝守が美しく
 たゆたうような音をつけた「歌づけ般若心経」。
 
なになに宗教ちっく?
いえいえ、異文化の響き合いを楽しむものですので、ご興味湧いてきたらぜひ~

会場の古民家カフェ・モモガルテンも、わくわく~な空間で楽しみです 




詳細は→ここをクリック

席が限られているので要予約です。
 
 日時:2014年7月13日(日)17:30開場 18:00開演

 会場:カフェ・モモガルテン

 メール: momogarten713@gmail.com
 
 電 話: 03-5386-6838 (カフェ・モモガルテン、水~日11:00-18:00)
 

地図→クリックで拡大 


古民家カフェの画像はここにも


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする