心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

終わりの美学

2021-07-17 | 母・父
    
    ここ数日、一気に夏の感。蒸し暑い!
    
    ベランダの植物たちは、ニョキニョキ伸びるものもあれば
    花盛りを終えて、ひと休みしている姿も。
    どちらもいと愛し。
 
   
    紫陽花、好き。
    たぶん、母が好きだった花だから、かな。
    母の日には、紫陽花をあげていたっけ、と、ふと。
    
    物腰はたおやかでやわらかなのに、挿し木で増える逞しいところも。
    主人公ではなくて、脇役っぽいところも。
    
    愚痴を言ったらお説教なんかしなくて、まあまあ、お茶でもどうぞって、
    にこにこしながら聞いてくれそうなところも。
 
 
    紫陽花って。
    母みたいだ。
 
 
    
 
 
 
    我が家の紫陽花、去年は鮮やかなピンク色だったのに今年はブルー系に。
    
    紫陽花は、土壌のpfが酸性だとブルー系に、アルカリ性だと赤系に、
    中間だと紫系になるそうですね。
 
    今は色々と品種改良されたものもあって、色が変わらないものもあるようですが
    今年はどんな色になるかなぁと、開花を待つ時間も楽しいような気がします。
 
 
 
     
 
 
    
 
 
    紫陽花は、家の中でも楽しませてくれました。
    たった一輪あるだけで、その空間が、「それでいいんだよ」と
    微笑んでくれているような気がします。
 
    そんな紫陽花ともそろそろお別れ。
    枯れゆく姿に、終わりの美学を感じます。
    
 
    紫陽花を見ていると、母に会えるような気がします。
 
    母の月命日に寄せて。
 
 
 
 
 
 
 
 
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母の日に寄せて

2021-05-09 | 母・父

    

    今日は母の日ですね。

    カーネーションではなくて、母が大事にしていた牡丹をば。

 

    家族って、わかっているようで知らないことも多いということを

    2年前に亡くなった母の遺品の整理をしていて、気づきました。

 

    洋服ダンスに何故かA4サイズのクリアブックがあり、開いてみると

    丁寧に折り畳んだシルクのスカーフがファイリングされていました。

 

    へぇ・・こんな風にしまっていたんだね。

    たぶんテレビか雑誌で紹介された方法を真似たんだろうなぁ、とか。

 

    母は書家でもありつつ、頼まれて絵手紙教室もやってましたが、

    絵は独学だったので、図書館から借りてきたり買った本を並べて

    勉強していたようです。

    わたしの知らない母の絵手紙が、300枚以上、見つかりました。

 

    母はとても努力家で勉強家でした。

    母が愛用していた書道関係の本を開くと、レシートや広告の切れ端の栞が

    たくさん挟まっていて、こういう書風が好きだったのね、とか

    わたしの知らない母に会えたような気がして、

    嬉しいような寂しいような、複雑な気持ちになりました。

 

    

 

    亡くなってこの9月で2年。

    もっと聞きたいことがたくさんあったなぁと、愛おしさが益々。

 

    来世があるのだとしたら、また母の娘として会いたいです。

    あ、逆でもいいかな。でもわたしは母にはかなわないな。

 

 

 

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母との別れ

2020-10-02 | 母・父

               母の書

           主人不相識 偶坐為林泉 

           莫謾愁沽酒 囊中自有錢

 

 

しばらくブログを更新できなかったのは、

スマホからgooブログの編集がややこしかったということと、

6年前から父母の介護が始まっていたこともあり。

 

母は4年前、脳動脈瘤の予防の手術中に脳梗塞をおこし、

そのまま高次脳機能障害となり、リハビリを続けていました。

2年前から自宅とショートステイで、家族との時間を

過ごしてきましたが、昨年9月に亡くなりました。

 

その4年間は、父と二人三脚で、色々な出来事の中、

目まぐるしい感情が入り乱れつつも、家族としての

温かく、濃厚な貴重な時間でした。

 

家族は何でも分かり合えていると勝手に思っていましたが、

実はお互い何もわかっていなかったことに気づき、目から鱗でした。

母が最後に身を持って、家族の絆を紡いでくれたのだと感じています。

 

書が大好きだった母の影響で私も書を始め、ライバルであり

同志でもあり姉妹のようでもあり、愛して愛してやまない存在でした。

 

2年前の書展で。

母の師 故)中平南谿先生の作品(左)を見つめる母

右は母の作品「寂然不動」

 

先月、無事に一周忌を終え、以前、このブログを通して

ご縁を頂きました皆さま、お言葉をかけて下さった皆さまに、

この場を借りまして・・

ありがとうございました。

 

いつかまた母に会えた時に、作品を褒めてもらえるよう、

がんばります。

 

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家族の備忘録

2017-12-22 | 母・父

日付が変わったので、昨日の嬉しかったこと。

高校のブラスバンド部の後輩だったまっちゃんが、なんという巡り合わせか
母の在宅看護の看護師さんとして担当して下さっていて。

昨日は午前中から実家へ。
久々にまっちゃんにも会えて、お世話頂く間に色々とおしゃべり。

不安や焦りの只中にいた私と父に、まっちゃんはじめ、いつも明るい笑顔で
サポートして下さる皆さまに出会えたことは、唯一の救いでした。

まっちゃんのパワーをもらって、なんだかうれしくて、
らんらんらんって気分で父の食事を作っていた時、
なんとなく視線を感じて目を向けると、ベッドにいる母が私をじーっと見ていて。

なので、私は不気味な?ダンスをしながら母に近づき、
「おかあさ~ん、好きよん、好き好き~」って言いながら抱きついて
この人だあれ~って聞いてみた。

そしたら! 目をぱちぱちさせながら普段、声を発することもない母が
「さおり」と、私の名前をはっきりと言ってくれたのでした~

突然のことに、父と「えっ」とびっくりポンでした。

やっとのことで私の名前を言えたので、父の名前が出てこなくて残念でしたが、
友人にその話をしたら、
「お母さんはさ、あなたの挙動不審ぶりに、
さおり、大丈夫?って心配したからじゃないの?」だって~(笑)
当たってるかも~

そのあと、何度も母に抱きついて、顔にちゅっちゅしたら
あれは絶対、まったく~って笑ってました。

たくさんの人にサポートして頂き、私たち家族はしあわせです。

今日の画像は、昨年5月に母が書いた書です。
今はもう母は書けないと思うけど、お正月お世話になるショートステイ先で
皆さまと書初め会ができたらなぁと思っています。







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家族の備忘録

2017-12-08 | 母・父
                      「今」

昨年の5月頃に書いた母の書です。

2年前の6月、脳動脈瘤の予防のための手術中に脳梗塞を起こし
高次脳機能障害になり、その後色々色々なことがあって。

今夏から在宅介護になり、週の半分はショートでお世話になっていますが
誤嚥があるのでほとんど何も食べられず高栄養の点滴のみ、
寝たきり、声を出すことも、体を動かすこともできない状態。

それでも、声をかけると顔を向けてくれたり、
ごくたまに、うんって少し顔を縦にふってくれたり。

そんな状態の中。
昨日、車を運転しながらふと、母がよく言っていた言葉を思い出して。

「本当はボランティアで、のんびり書道を教えたい」
なんだか、母の気持ちが今はよくわかる気がして、涙が出ちゃった。

そのことを母に伝えながら、
だから、ボケてる場合じゃないんだからね、シャキッとしてください。
お母さんの声をまた聞きたいから、声を出す練習しよう!
と、何度も声をかけて、
「お母さん」って言うから「はぁ~い」って言ってね、って。
何度も何度も呼びかけていると、目に力が入ってきて口をもぞもぞ。

はぁ~いは難しいから、じゃぁ、あ~って言おう。
私が何度もあ~、あ~、あ~って言っていたら、小さくて短いけど
「あ」って喋った!

その瞬間のときめいた気持ちは父も同じで、二人で顔を見合わせて
気持ちは三人で笑顔になって。

わかってるのかな・・と、どこかで思っていたけど、
実は母は全部わかっていたのかも。
だから、普通に普通の会話をしたら、ちゃんと応えてくれたんだね。

ヘルパーのTさんはじめ、サポートして下さる皆さまが
とても明るく、心のこもった対応をして下さっていることもきっと
よい刺激を与えてくれているのだと思って感謝の気持ちで一杯です。

なんか、私も父も益々やる気満々。
そして、今朝、父から電話が。

お母さん、今日はおはようって言ったよ!

夕方にまた電話が。

今度はヘルパーさんに、こんばんはって言ったよ!

今日12月8日は、私の誕生日でしたが
とてつもなく嬉しい贈り物をもらいました。

まだまだ希望を持って、家族で生きていけそうです。



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【備忘録】 父

2017-09-26 | 母・父

【備忘録】

先週22日金曜日。
帰宅してひと息と思ったところで、父から電話。

会話にならないほどロレツが回っていなくて、1時間半前から嘔吐を繰り返していると
そんなわけで車を走らせ救急病院へ。
訪問看護師さんが、たぶんOFFの上、深夜なのに駆けつけて下さり。

結果大事には至らなかったけれどそのまま検査入院。
妹と甥っ子もヘルプしてくれて今ようやく実家で一人ひと息。

今は寝返りもうてず声を出すこともできなくなった母。
30分置きに吸引。豪快ないびきを聞きながら、親というのは最後の最期まで、
生きること、死ぬること、愛おしさや許容、周りの方々への感謝や
あれこれを教えてくれるんだなぁとしみじみ。

でもって、ふと思い出して。

小学生の頃、夏休みの自由研究にと妹も一緒に、母が植物採集に連れて行ってくれて。

手書きの5cm四方のカードも作ってくれて、そこには採集した日付、場所、
植物の名前、特徴を書き込むようになっていて。

帰宅したら、押し花にして、それを画用紙にカードと一緒に貼って冊子にして。

その時採集したヘクソカズラ。
独特の香りがして、子供だからその名前がおかしくて忘れられず。

たまたま、通勤途中でみっけ。
母の声を思い出したなり

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光に泣く

2017-07-20 | 母・父


昨日。
嬉しいことが、たくさんありました。

6月7日から肺炎で入院していた母が退院して
約2年ぶりに帰宅、父のいる実家での在宅介護が始まりました 

入院中の1か月半、ほぼ毎日病院に通えたのは、ただ母に会いたいという思い。
そして、退院の日を迎えられたのは、入院していた病院の副院長はじめ、
看護師の皆さま、療法士チームの皆さま、在宅介護チームの皆さまの
笑顔と情と熱のあるご尽力のお蔭です

在宅の準備や退院もあるのに、よりにもよって車の故障で
すったもんだもありましたが、介護タクシーで母と実家に到着すると
既に在宅介護チームの皆さまが勢揃い。

両手に荷物を持って玄関まで行くと、 え! あ? え!
なんと! 

そこには、高校のブラスバンド部で同じクラリネットだった2つ下の後輩の松ちゃんが 

なんと! 
母の担当看護師として、チームの一員と!
なんという偶然!

なんだか緊張の糸が一瞬切れて、思わず泣いちゃったです 

高校の頃とちっとも変っていなくて、何度もハグハグ。
看護師になったと聞いた時は、あぁ・・天職だなぁって思っていたけど、
今このタイミングでの再会に、周りの方々からも、ご縁ねと笑顔を頂けてまた涙 

色々、色々、本当に色々なことがあったこれまでのことを全て、
大丈夫ですよと言ってくれたような気がして、心強かったでありんす 

私たち小さな家族のために、誠心誠意サポートして下さる皆様に感謝を込めて。

今日は、光に泣きました。

この曲を聞きながら、皆さまのやさしい気持ちがいとおしく、嬉しかったです
Tom Waits - Ruby's Arms   日本語歌詞






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母と、父と。

2017-07-16 | 母・父


我が家のベランダガーデンは、ほとんどが多年草。
なので、毎年ほぼ同じ顔触れだけど、また会えたね~が嬉しやなのでして。

その生命力にはとても敵わないけれど、
ただひたすらに生きて行くということの尊さに、
知らず知らずに力をもらっているのかもしれません 


なんとなく色気のあるメドーセージ



小さな苗だったジャスミン、満開~


冬の間枯れた?と思いつつ水遣りをしていた日日草も満開


ベランダは、ほぼジャングル 紫陽花とこれは10日程前の写真。


ところで。

6月7日から肺炎で入院していた母ですが、19日に退院をして
介護5になったところで、実家での在宅介護をすることになりました。

今いる病院は在宅介護に力をいれていて、全力でサポートしますと言って下さったので
安心7、不安3といったところですが、まずはチャレンジです 

家に帰るからね、と言うと、小さく頷いて目が笑っているように見えて、
帰りたかったのね・・と、切なくなります。

でも、現状があって帰れることになったので、「たら」「れば」は無いものと思い、
これからの日々を、穏やかでやさしい時間を重ねていきたいなぁと思っています。

介護という、ひとつひとつが初めてづくしの経験をしていく中で得られたものは
つよさ、感謝、信頼、開放、許容、そして愛・・かな

ブログなどを通してご心配やエールを送って下さった皆さま、ありがとうございます
自然体でいこう、と言う父をサポートしつつ、母の笑顔をきっと取り戻します




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家族

2017-06-20 | 母・父

久々の更新~。

母が肺炎で入院して以来、毎日病院に通って食事の介助をしたり
声を出す練習をしたり、父の暮らしのお手伝いもあったり。

家族との時間がより濃厚になり。

親は親で当たり前で、いつまでも元気で、と思っていた頃は
甘えて文句ばかり浮かんできたものだけど、
今は、親も一人の「人」として向き合えるようになったかな。

母に対しては、わからんちゃんになって以来、
無条件に全てそのままを受け入れられるようになり 

次なる課題は、ややこしい父のことを許容できるようになることだったけど、
その父とはここ数年、かなり相当ハチャメチャに全身全霊体当たり的に
ぶつかり合ってきたことは、無駄ではなかったようで
少しづつ、お互い折り合いをつけられるようになったかなぁ 

どないでっしゃろねぇ、ちち~

介護はやってみないとわからないことだらけ。

というか、諸問題を抱える家族にとってと~ってもわかりにくい制度で
まぁ、制度というのはそういう風にできてるのでしょうけど、
社会の不条理な仕組みを体感しつつ、何事も諦めない精神で、
らりらりら~をモットーに、家族の今を大事に過ごしたいと思っています。

母の肺炎は少しづづよくなっているようですが、
まだまだ誤嚥があるので、今後も訓練していかなきゃです。


ようやく咲いてくれた時計草。
一面の花!を期待するも、今年もちらほら咲き。
来年こそ!時計草が連なる絵をお届けしたいと思います 

それにしても、不思議な姿ですねぇ 





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検査結果のご報告~

2017-06-09 | 母・父


新緑はほんと気持ちいいですね~。
今の私の一番の栄養~

おととい緊急入院した母、、レントゲン検査の結果、左肺が真っ白、りっぱな肺炎でした。
そして血液検査の結果からは、肺炎の原因のひとつにもなる栄養不良とも

昨日は息も荒く、声も出せず、虚ろな表情で不安だらけでしたが
今日は少し落ち着いていて、表情も見えました。

おはようと声をかけると、か細い声でしたが、おはよぉと言ってくれて、
思わず喋った!と、ちゅ~ってやったら、目で笑ってくれた気がしました

ご心配やエールを送って頂き、めげずに信じることができました。
ありがとうございます

今日は主治医の先生も、検査の結果、経過、今後についてきちんとお話下さり
少しほっとしました。

今後は高栄養の点滴をカテーテルで入れつつ、嚥下を起こす原因を探りながら
口腔の専門の療法士の方によるリハビリをしていくことで、
きちんと食事をとれるようにしていくことに。

舌、顎や頬の筋肉が弱くなることで、飲み込みが悪くなったり
のどの奥にある蓋の機能が衰えることで、肺に飲食物が入り肺炎を起こすそうで。

元気だと気づかない機能あれこれ。
なんでもないことができなくなると、あちこち支障がでるものですねぇ。

昼食はご飯はもちろんお魚も野菜も全部ゆるいペースト状。
まぁ、美味しそうとは言えないず~母もわかるようで、プリンが見えたら拒絶。
で、プリンを口に運ぶと、ペロリ

そんな小さな意思表示が、うれしや~。

午後からは父の病院の付き添い。先日脱走した病院での診察
圧迫骨折、狭窄症があり、手術は高齢、頭の中にシャントが入っているので
リスクが大きいためほぼ断念。

先生に、軽~く、やってみますか?と勧められた割と新しい薬を試すことに。
なんでも、2年かけて骨ができてくる、というか強くなるそうで、骨粗鬆症の治療薬。
副作用にも注意をしつつ、ですが。

これ→ フォルテオ
お値段高過ぎ!

インシュリンのように自分で毎日注射するそうで、一緒にレクチャー受けました。
父~できるのかいな~と聞くと、この痛みが少しでもよくなると思えば頑張れる!
さいですかぁ~ がんばりまひょ~  

さてと。
この一週間の緊張感から少し開放されたら、どどっとお疲れモード

眠い。眠い。とてつもなく眠い。おやすみなさ~い。







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