心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

山頭火の雨だれの音と 

2008-05-31 | 山頭火・放哉・良寛
                    雨だれの音も年とった (半紙)




久々の山頭火の句。今日は雨だから。

山頭火が感じた「年とった雨だれの音」は、どんな音だったのだろう。
人にはいろんな人生があり、雨にもいろんな雨があり。

どしゃぶりの雨には話しても無駄なような気がしたり
お天気かと思ったら突然降って、虹をおみやげに消えてしまう雨とか
くどくどと話し続けて、結局どうしたかったの?って雨もあったり
しぼり出すように 囁くように 攻め立てるように すすり泣くように・・

だんだん雨にも喜怒哀楽があるように思えてくる。

自然の中にぽつりと、ほかに話す相手もなく雨と向き合ったとき
お前も年をとったなぁって感じた山頭火は、寂しかったのかもしれない。

でも、このことばを受け取った今のわたしは、いとおしく感じています 

雨だれの音も年をとったんだねぇ。
みんな同じように年はとるんだから、心配ないさね 

そのときその瞬間をいとおしいなぁって思えたら、
心が空に向かって開いていくような気がします。




ブックマークのぐりさんの「ぐりのぐりぐりおえかきブログ」は、
名前も改め:小鳩ケンタさんの 「跳べ!小鳩部」 に変更になったそうです。

サブタイトルも「ヘロへロらくがきことばあそび添え」なんて、
益々ゆるゆる~の癒される絵とことばが楽しみです!
こちらもぜひお立ち寄りくださいませ~ 
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ひさびさの銀座書展巡り

2008-05-30 | 書展・展覧会情報
                     第26回 書といけばなの出会い展




昨日は生憎の雨でしたが、母と書展巡り。
東京セントラル美術館で開催中の「書といけばなの出会い展」に行って来ました。

書は書壇で活躍されていらっしゃる、さまざまな団体の会長、理事、代表等々の103名。
毎日書道会最高顧問の稲村雲洞先生、日本書道學院長の石川芳雲先生の作品も。
ほかに國井誠海、金子聴松、齋藤香坡などなど。

    
  ←稲村先生「心畫」        


   ←石川先生「自詠の句」


華は映月松風流、広山流、草月流、池坊などの家元、顧問、理事とそうそうたる方々73名。

母は毎年来ていたようだけど、私は初めて。
それにしても。。。。 なんだかもったいないというか。。

書も華もそれぞれの作品は魅力があるのに、これは・・響き合っているのかしらんと、
主催者(美術出版(株)修美社)の意図もセンスも、少々「?」ってのが正直な感想。

いけばなの主張が強すぎて、お互いの響き合いを拒絶しているような。
あ。私は書の味方ってわけではないですよ~ 

ただ、花には色があり、一輪だけでも存在感が強いものもあり、和、洋、南国風あり。
↓その個性の強いものを、これだけ並べるっていうのは・・・ねぇ。。





去年よりはいけばなの数も少なかったようだけど、花のむせ返す様な香りも加わって、
書の余韻を静かに味わう空間も時間も、そして書と花の響き合う世界も
残念ながらあまり感じられなかったかな・・・。

人と人との関わりも似てるような・・。
お互いの主張や個性が強すぎるのが悪いわけではないけれど、
回りにいる人は疲れるっていうか、心が落ち着かないっていうか。

はてと。
書といけなばの出会いは、どんな出会いだったんでしょうね・・。

このあと、母にとっては青春時代の思い出の店でもある 煉瓦亭 でランチを頂き、
(すごく美味しかった! ちなみに二人ともポークカツレツを注文)
鳩居堂 で開催中の、玉湖書展、書道玄海展選抜展に立ち寄り、
やっぱり書も奥が深くて、表現の世界は厳しいねぇ  と、母とつくづく。。

そうそう。(ちょっと自慢話?)
鳩居堂では、私が和紙の会社にいた頃、消しゴムで彫った野菜の印を使ってデザインした
はがきや一筆箋セットが、多少形を変えられ、鳩居堂のロゴマークも入って売ってました~。
和紙の会社はもうないのに。。
なんだか買う気にもならずですが、部屋のどこか探せば原型がでてくるかも~です。

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楽しや「談・・談・・」

2008-05-29 | 前衛・抽象
                   「談」 45cm×90cm




「談」のつくことば・・談笑・会談・対談・相談・懇談・面談・密談・・・
筆談・縁談・怪談・講談・破談・美談・漫談・余談・談合・談判・談話・・・。

子供の頃の記憶を辿ると、夕飯は家族以外の誰かも一緒のことが多かった。
当時、家の前に住んでいた大学生のJさん、Mさん、Mさんの友人の井筒さん、
近所に住んでいた当時大学助手だった徳さん、知り合いのN医師・・

狭い家で粗食を囲み、父母や大人たちは深夜、時には朝まで語り合っていた。
中でも徳さんにいたっては、数々の逸話があり。

とにかく話好きだった徳さん、かなり時間を持て余す生活だったようで、
しょっちゅう家に遊びに来ては、朝までクダを巻いていた。

ある夜、父が慌てて「電気を消して!」と、続けて「静かに!」と。
いつも下駄を鳴らして訪ねて来る徳さんを、かわす為だったのだけど、
窓に顔を押し付け「○○さ~ん、今電気消しましたね~  」
(今だとストーカーって言われそうだけど?)

結局、渋々玄関を開け、談笑、漫談、余談、講談につきあい。。。

今もおつきあい頂いている 桜の雑学事典 の作者でもある井筒さん曰く

「昔は、議論が楽しかったものだけど、今は議論にもならなくてつまらないね」
「議論で意見が違って言い合いになっても、次の日にはまた一緒に笑い合える、
そんな関係っていいもんだよ」と。

今は意見が違うと割とすぐにキライとか、敬遠してしまう関係が多い気がするけど、
それはもったいないもったいないって思っちゃう。

自分と違うからこそ面白いし、相手をもっと知りたくなるし、
知らなかった自分が見えてくることもあったり。。

あの頃は、徳さんにしても大学生諸君も、面倒臭いなぁって思ったこともあったけど、
今では楽しくていい思い出だね  と父も母も懐かしそうに笑ってます。






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笑って太れ

2008-05-28 | 
                         (はがき)
                 


笑って太れ  Laugh and be (grow) fat.

誰のことばだったか忘れたけど、さっき降りてきたことば。
いつもニコニコしていることによって、幸福を招き寄せようってこと。

あ。でもこの猫はニコニコはしてないですね。
ちょっと不器用なだけです 
人によってニコニコの表現も違うわけで。

昨日の朝、気持ちがあったかくなるお電話を頂き。。。

しばらくご無沙汰をしていた方をふと思い出して、お元気ですかと
お便りをしただけなのに、忘れずにいてくれてすごくうれしかったのよと
心を込めてお話下さり、私の方が泣いちゃいました。

ここ何年か、閉じていた扉のひとつが、
錆びた音を鳴らしながらも開いた瞬間。

こちらこそ、ありがとうございますの気持ちと共に、
深呼吸をひとつ落としたら、自然と笑顔になってました 


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なんくるないさ~

2008-05-27 | 前衛・抽象
                        「行」 45cm×60cm



今日もしわしわの抽象。

「行」がつくことば。
行動・逆行・徐行・平行・・・紀行・旅行・修行・行脚・行雲・・
行為・行動・実行・非行・品行・・・・ 結構あるある。

行く道の途中には、ひとつ片付いたと思ったら新たな問題が起きたり、
まったく・・へこんだり気が重くなったりと色々あるもので 

それらはまとめてやってきたりしがちで、時々面倒になって、
もうどうにでもなれ~  ってなるときもあるけれど、
いやいや待てよ・・ここで投げてはいかんいかんと、今も思い留まったとこ。
ひとつひとつを逃げずに、誠意を持って向き合うことにします。はい。

そんな日には、母校のモットーを思い出したりして。 たしか・・
「人生の最も苦しい損な場面を、まっ先に微笑みをもって担当せよ」

う~ん。。実際にはなかなかそんな人にはなれないけれど
このことばを口にすると、一人で勝手に背負ってた重荷が軽くなって
なんだか落ち着くんですね~なぜか。

犠牲的精神でもなく、力んだ正義感を掲げるでもなく、
肩の力を抜いて、ゆったりと微笑みながら、担当したいものだわさ。

そしたらきっと、なんくるないさ~。 
そんな日もあるさね。 
なんとかなるさね・・と励ましつつ、今日も行くべかぁ 
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心から信じられるものがあったら

2008-05-26 | 前衛・抽象
                     「探」 (45cm×90cm)



久々に抽象作品。 
裏打ちをしていないし、へなちょこデジカメで撮ったので、くしゃくしゃ&暗いけど。。

いつだったか「NHKの世界里山紀行」シリーズのフィンランド編を見たとき、
里山にある不思議な習慣を紹介していて、いいなぁって思ったことがある。

ムーミンの故郷フィンランドは、森林が国土の70%を占める森の国。
人々は森を育て、森を利用し、森への畏敬と感謝の気持ちを持って暮らしている。
木を切るときは、斧で2回叩いて木の精霊に許しを乞うてから切り、
森の賢者とするフクロウが庭に訪れると「うれしくて心臓が止まりそう」と涙ぐみ。。



     ↑NHKスペシャル世界里山スペシャル HPより拝借


そんなフィンランド南東部にある不思議な習慣とは。
人々は、森の中でそれぞれが選んだ「カルシッコ(karsikko)」という松の木に、
自分の名前と生没年を刻み込み、それぞれの木を持っているということ。

寂しいときは自分の木のもとへ行き、家族や友の木のもとへ行くと、
共に過ごした記憶がそこにあるから、とても大事なものなのだと。
お墓とは違う、心の木。

目には見えないものを大切にする人々の生活に、ステキだなぁ・・とため息。
私にも、目には見えないけれど、心から信じられる何かがあったらいいなぁ。。 
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ゲイジュツは波動を起こす行為

2008-05-25 | つれづれ
                  般若心経一節 (割り箸ではがきに)




心無罜礙      心にこだわりなし
無罜礙故      こだわりがない故に
無有恐怖      恐れることがない
遠離一切顚倒夢想  一切の顛倒(錯覚)を夢のように思い描くことを遠ざけて


生きていれば何に出くわすかわからないわけで。
もちろん楽しいことも、残念ながら辛い悲しいことも。

運がいいとか悪いとか、それさえ考えても納得できないこともある。
誰にだって、多かれ少なかれ、人には言えない悩みや心配事や、
どうにもならない現実をひとつふたつは抱えている・・と思う。
もちろんわたしも 

ところで。
ゲイジュツってことばはどこか偉そうで、特別な才能を持った人を
ゲイジュツ家と呼び、遠い高いところにあるものと思われてる気がする。

前にも書いたけど、私はそうは思わない。。
ゲイジュツは、人間一人一人の中にある求めてやまない生きる力を思い出す
きっかけとなる波動を、一人一人が起こす行為だと思う。

ゲイジュツは、形を残すものではなく、またそこに留まるものでもなく。
(形あるものは、「文化遺産」と思っている)
受動的ではなく自発的なものであり、常に現在進行形であり。

かつてアフリカで奴隷制度の中で暮らした人々だって、隠れて歌い踊ることで、
生きる力を失わずにいられたという。

かつてイギリスの占領下だったアイルランドの伝統文化 アイリッシュダンス は、
文化活動が一切禁止された統制の下、窓の外から練習をしている姿が
わからないように、上半身は動かさず足を踏み鳴らすことで親から子へと
受け継がれてきたという。

ちょうど今、そのアイリッシュダンスのグループ リバーダンス が来日中。
(東京は6/15まで公演があるようです)

どんなのか見てみたい方は クリック→ リバーダンス 動画  

そう考えるとゲイジュツは、人間のアイデンティティーを守るための
行為なのかなと思えてくる。

ゲイジュツは、人が心底生きる力を失いかけたとき、より単純で明快で、
ことばや文化や宗教の違いを超えて、心身に浸透していくような
生き物であって欲しいなぁって思う。

ゲイジュツは、平和な時よりも、そうでない時の方がよりパワーを持ち、
役割を果たすような気がする。

やっぱり音楽にはかなわないなぁって思うけど、道具もお金もいらない
人の「思い」というものもゲイジュツになり得るんじゃないかなって思ったりもする。

・・・とツラツラと書きながら、おいおい なんでそんなにゲイジュツに
こだわるんだ?って笑ってる自分もいるけど 

日々迷ってばかりのトホホな私は、もしかしたら、神ではない心の拠り所を
探しているのかもしれないなって、ふと・・。ひとつの気づきをもらいました。

先日、いつもまっすぐな気持ちを届けて下さるラモンさんのコメントから
きっかけを頂いて、今の私なりの拙いひとつの思いです。
ラモンさん。ありがとうございます  !


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「あ」に込められた思い

2008-05-24 | 書の話
                     「あ」 五種  (半紙)

    


いつだったか、母の書の師でもあられた(故)清田岱石先生が、
ある書展で「あ」の字の連作を出品されていた。
確か3×6尺の横に「あ」の文字ばかりたくさん。

それぞれに表情が違い、また全体としての響き合いもあって、
いつかこんなのが書けたらなぁって思っていた。

清田先生は30代から小学校の校長先生をされていた方で、
私の師とも深い関わりのあるお方。

小柄で、いつもベレー帽をかぶられ、私などにも子供に接するときのように、
いつもにこやかな笑顔で話しかけて下さる、穏やかでやさしいお人柄だった。

書を始めた頃、消しゴムや木に文字や絵を彫って遊んでいた私は、
相変わらずの世間知らずもあって、清田先生の似顔絵を消しゴムで彫り、
拙い手紙も添えてお贈りしたことがある。

今思えばお恥ずかしい限りだけど、先生はその印を
「とても気に入りました。」とお手紙を下さった。
封書の御自分のお名前の横には、似顔絵の印が押してあって。

その後お目にかかった折には、いつものやさしい笑顔で、
「今度は住所印を彫ってくれませんか?」

私はなんだかうれしくなって、消しゴムはんこ作りが益々楽しくなり、
全部で200個位あったかな。。

そんなわけで、今も「あ」という文字を見ると、清田先生を思い出します。

教育者であられた先生は、子供たち一人一人をちゃんと見ていらっしゃったように
たった「あ」という文字も一つ一つ、愛情を込めて書かれていらしたんだろうなぁと
随分あとになってから思いました。

私はせめて、先生の「あ」に込められた思いを忘れないように、
いつか私なりの「あ」の作品を書けたらなぁと思います。
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「古木はつき難し」にならないように・・  

2008-05-23 | つれづれ
                         (半紙)




誰の句だったか・・山頭火かな。

昨夜も寝る前にベランダで、植物の成長ぶりを楽しんでいたら、
あれ?って思うほど背丈が伸びている枝を見つけた 

何年か前、職場で増築工事のために大きな木が何本か切り倒されて、その辺りに
無造作に倒れていた同じバラ科の木を、拾って来て挿し木した枝だった。

春先には白い櫻のような花をつけていたけど、いつのまにか株も増えて
背丈も1m位になっている。

すごいなぁ 
暑い日もあれば雪の日もあり、風に耐える日もあれば、水枯れ(忘れて  )で
チリチリになってた日もあり。

わたしから見たら、大変だろうなぁと思ったりもするけど、その木にしてみたら
そんな自然の変化があるから、成り立つ生命なのかも・・って思った 

春夏秋冬が、それぞれに「○○らしい」からこそ、育まれる生命。

「いつも春夏秋冬のすなほさを失はないならば」

古木はつき難しってことわざがあるけれど、
年と共に固くなる心もからだも、いくつになってもやわらかくいられたら、
また新しい生きる道も見つけられるのかもしれないなぁ・・とかなんとか
考えていたら眠くなってきたので、そろそろ寝ます 
うえ~もう2時だ。。

なんだか忙しい一日でした。


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繰り返す日々に・・・

2008-05-22 | つれづれ
                        20cm×20cm




昨日、この辺は久々の爽やかな快晴 

おとといの突風を避けるため、風の当たらない場所に非難させていた
植物たちを元の位置に戻していたら、あちゃ・・  
プチトマトの苗が何本か折れてる。。。
しかも小さな緑色した実がたわわについていたのに。。。

ほとんどが株分けして頂いたものや、種から増やしたものばかりだけど
この時期の植物達の成長の早さには驚くばかり。。
生命力に圧倒される。




  
  ↑突風の前は咲いてた花も・・


この黄色い花は名前はわからないけど、何年か前に蘭秀会展で
活けていたのを、会期終了後に頂いて、挿し木したもの。
でも突風にやられて、ほとんど花が散ってしまった。。これまた残念

この時期、ベランダのほとんどを占拠している植物たちを、
夜寝る前の数分間、ぼ~っと椅子に座って、
なにやら一杯片手に  眺めるのが日課。

いつもぷくぷく(猫)が「んっにゃっ」っていう掛け声と共に、
膝の上に乗って来て、お互いだんだん睡魔に襲われる    


そんな繰り返しのできる日々に是感謝  



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