新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

2016年師走の仙台旅行記 2日目 #8

2017-03-07 23:30:03 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「2016年師走の仙台旅行記 2日目 #7」のつづきです。

東北大学総合学術博物館(理学部自然史標本館)の入口には、薄い石板が立てかけられていまして、そこにあったのは、

長さ30cmはあろうかという、超細長い巻き貝のような化石でした。
この細長い巻き貝のようなものは、説明板によれば、「直角石」という、およそ生き物とは思えない名前の生物だそうで、

モロッコで産出した3億7千万年前のデボン紀の石灰岩で、直角石(ちょっかくせき)ゴニアタイトの化石をたくさん含んでいます。直角石やゴニアタイトは絶滅した頭足類で、古生代中期のデボン紀の海に大繁栄していました。直角石はオウムガイの仲間で、まっすぐな殻が特徴です。ゴニアタイトは古生代型のアンモナイトのひとつです。これらの頭足類の殻は隔壁で区切られた多くの部屋をもち、軟体部は最後の部屋「住房(じゅうぼう)」に入っていました。

とな。

ゴニアタイトというのは、直角石の周りに見える小さな「渦巻状のもの」でしょうか?

この標本を見ると、こんな形で後世に伝えられてしまうことは、直角石とかゴニアタイトにとってどんな気分なんだろうか? と考えてしまいます。
少なくとも私は、化石になって数億年後知的生命体鑑賞されたくはありませぬ

   

さて、150円の入館料をお支払いして東北大学総合学術博物館(理学部自然史標本館)の中へ。 

「総合学術博物館」と銘打ってはいますが、展示されているのは、ほぼすべて自然科学系の標本や模型で、やはり「理学部自然史標本館」ということなんだと思いました。

正直、キモい古生物とか、

東北大学青葉山キャンパスのすぐ近く、竜ノ口渓谷の上流部から発掘されたという「センダイミズホクジラ」(約500万年前)の化石とか、

中国・内モンゴル自治区で発掘された約8000年前恐竜の卵の化石とか、

様々な鉱物標本とか、日本近海の海溝立体めがねで見る展示とか、それなりに面白かったのですが、文系の私としては、やはりこちらの展示の方が好みかも…

法隆寺の釘

法隆寺で使われた(7世紀頃)だそうです。
和釘は、1本1本、鍛冶屋さん叩いて(鍛えて)作り出した「工芸品」なんですよねぇ…

そんな中で、私に最も滲みた展示はこちらでした。

地層の剥ぎ取り標本で、長さは約4.5mもある大作です。

この標本をよくよく調べると、過去6000年間に仙台付近に押し寄せた津波の痕跡が読み取れるのだそうです

近いところを拡大しますと、、

2011年3月11日津波の痕跡があり、1896年明治三陸津波らしき痕跡があり、869年貞観津波らしき痕跡を見ることができます。

ここまでは私も知識として知っています。
が、ここまでの地層の深さ約75cm
地層の深さにして約4.5m、時間にして6000年間に刻まれた津波の痕跡らしいものは、貞観津波以前に9つもありました。

貞観津波以来1100年ぶりといわれた東日本大震災津波が、決して「たまたま発生した」ものではないことを目の当たりにした気がします。

歴史を学ぶこと、過去を知ることは、単なる趣味や酔狂の次元じゃないんですな。

「想定外」と口にするのは、自らの勉強不足をあからさまにすることかもしれない…

勉強になりました。

コメント
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