昨夜、封切り当日に映画「SING/シング」を観てきました。
私が映画館で「吹き替え版」を観るのは、幼少期を除くと初めてだったかもしれません。
私、海外TVドラマや映画
の吹き替えっつうものが、声優さん
の派手な息づかい
とか、「う"っ
」みたいな間投詞の多用
とか、わざとらしい言い回し
が苦手
で(一方で、ディラン&キャサリンはパロディーとして買っています
)、どうして自然に聞こえない
のか、どうして普通にしゃべれない
のか不思議に思っています。
そんな私ですが、この「SING/シング」は、まず、吹き替え版を観てきました
これというのは、「言わずもがな」ながら、MISIAが「出演」しているから
それも、本職の歌を披露するだけでなく、声優初挑戦
しているというのですから、これは観ずにはいられません
ということで、さっそく観てきた「SING/シング」(吹き替え版)、ネタバレにならないようにしつつ、感想を書いておきます。
まず書いておきたいのは、「SING/シング」の「吹き替え版」はアリ だということ。
キャラクターと吹き替えキャストがピッタリ
だし、そして何よりも、懸念の矛先が集中
している斎藤さんを含めて、みんな歌がうまい
しかも、私が苦手にしている「吹き替え臭さ」もほとんど感じられませんでした。
「字幕原理主義者」と思われる人たちからは、「オリジナルでなければ」とか、「歌詞が英語と日本語のごちゃ混ぜなんて」と「少なくとも歌はオリジナルを使え」といった意見が沸いているようですが、なんだか偏見(私も持ってる)とか食わずもの嫌いっぽい反応に感じられます。
そもそも、この作品はアニメなんだから、字幕版だって「声」は後付けだし、シンガーが自分のオリジナル曲を歌っているのではなくカバーだし、ましてや、話す声と歌う声が別人だということの方に違和感が大きい
(ゾウのミーナは、話し声も歌声もMISIA本人です。念のため。)
ですから、字幕版と吹き替え版はそれぞれ別の作品と考えた方が良いのかもしれませんぞ。
せっかく、日本は、世界で唯一、歌を含めた吹き替え版の制作が認められた国なんだそうですから、吹き替え版を(も)観なきゃもったいないかも…。
ところで、「ミーナ=MISIA」のキャスティングが実現していなかったら、この作品はどうなっていたのだろうか…
きのうだったかおとといだったか、「オリジナル」のTori Kellyの画像(映画未見の方は観ない方がよろしいかと…)を観たとき、こりゃMISIAの領域内だ
と思いましたし、他にふさわしい日本人シンガーは思い浮かびませんでしたもの。
音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんは、こちらのサイトでこのキャスティングについて、
これは僕のアイデアです。というか現実問題、日本の女性シンガーであの劇中曲を歌いこなせる人は、MISIAさんくらいしか思い付かなかった。
と発言していらっしゃいますが、MISIAの歌の収録が終わったとき、蔦谷さんは、「もらったぁ」と思ったんじゃなかろうか
こちらで蒐集・転載したように、観た人たちを震撼させているMISIAの歌ですが、正直、私にとっては「想定内
」でして(もちろん素晴らしくって
、ライヴに行っている気分でしたけど)、この作品で一番驚いた
のは、ヤマアラシのアッシュ役の長澤まさみさんでした。
長澤さんの声の質や話し方がパンク少女のアッシュにJust Meet
だった上に、歌が見事
さすがはきりちゃん、いや、ミュージカル女優です
ところで、アッシュをハリネズミだと勘違いしている人がいらっしゃるようですが、ヤマアラシです。
ハリネズミもヤマアラシも、体毛が変化したトゲトゲを身にまとっているところは同じですが、根本的な違いがあります。
それは、ハリネズミのトゲトゲは防御用であるのに対して、ヤマアラシのそれは攻撃用であること。
映画の中でも、その威力が遺憾なく発揮されますが、そんなヤマアラシって、性格も見た目もパンク・ロッカーにはピッタリ
のキャラクターだと思いました。
もう一人(一匹)、印象的だったのは、25匹
の子持ち主婦、ブタ
のロジータ
幸せなんだけど、繰り返される日常に疲れて物足りなさを感じるロジータには、世の中のお母さんたちの共感が寄せられているんじゃなかろうか。
そのロジータがステージで歌い、踊る様子は、かわいらしく、ステキでした。
こうしてふり返ると、「SING/シング」(吹き替え版)の弱点は、主役のウッチャンかも…。
無難といえば無難ではあったけれど、ちょっと単調で、もっとやりようがあったと思うなぁ
とくに、最重要
なあのひと言にはなんの芸もなかった感じで、残念
としか言いようがありません。
それと、ゴリラのジョニーの年齢設定に違和感を覚えました。
大橋卓弥(スキマスイッチ)さんの声は青年のイメージなんですが、キャラからすると、クルマを運転できるほどの年齢ながらも、少年に近いのではなかろうか?
まぁ、大橋さんの歌とピアノに免じて見過ごしましょう(って、見過ごしていない)
そんなこんなで(?)、「SING/シング」は映画館で観るべき価値 大あり
と断言します。
DVD/BDの発売やTV放映
を待っていないで、映画館に出かけましょう
私は、いつ字幕版と2回目の吹き替え版を観に行こうか…
あ、そうだ
「SING/シング」のサントラ盤のことを書いておかねば
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シング-オリジナル・サウンドトラック |
Universal Music =music= | |
Universal Music =music= |
注意していただきたいのは、
国内盤には、海外デラックス盤に収録されている楽曲の他、日本語吹替版の豪華キャストの中から長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、山寺宏一の楽曲の収録が決定!
ということで、吹き替え版のその他の方々の歌は、MISIAの3曲(?)を含めて収録されていません
お~~い~、何とかしてくれぇ~~~
【追記】きょう(3/19)、字幕版を観てきました。
字幕版・吹き替え版の両方を観た上での結論は、字幕版・吹き替え版それぞれに楽しめる ってこと。
吹き替え版では国籍不明だったあのきゃりーぱみゅぱみゅ大好きの5匹組が、日本からやってきたことが判ったり(ムーンが日本語でとんでもないこと
を言って彼女らを怒らせる
)、ムーンの「Sing
」のひと言にグッときた
一方、吹き替え版の歌がオリジナル版に全然負けていない
ことが判りました。
ひいき目かも知れないけれど、ミーナ対決では、MISIAがTori Kellyに完勝
だし、アッシュ対決、ロジータ対決、マイク対決、グンター対決は、ほぼ互角の勝負だった感じです。
ただ、私の場合、字幕版をIMAX 3Dなんぞという豪華&高価
な仕様で観ざるを得なかった(選択の余地がなかった
)のが心残りです。 (2017/03/19 20:18)
ある意味「つづき」かも:2017/03/20 動物づくしの週末でした