以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

理由は様々ですが其処じゃないですけん。。。

2020-02-07 13:31:00 | 日記
やっと冬らしい気候になって参りましたが体調など崩されていませんでしょうか❓

ココのところのコロナウイルス騒ぎでマスク不足やら観光地の宿泊施設の大量キャンセルやらで確実に経済のバランスが更に可笑しくなっているのを感じ取らずに居られない今日この頃の寅です。。。

さて、寅の仕事の話。。。
最近ウチで診たKEジェトロインジェクション車の不調パターンから実にテキトーな整備が大きく影響していた共通パターンのお話を。。。



☆画像はイメージです。


症状的にはコールドスタートで素直にアイドルアップしない。。。

又はアイドルアップするまで数秒間グズる。

最悪は冷間時にアイドルアップせずに暫くグズる。。。

温まってもアイドル時の振動が結構出てる。。。

この手の症状でウチに入庫して来るタマはオーナーが2回以上変わっているか、町場の軽自動車からベンツまで何でもやります修理工場を渡って来たクチが殆どである。。。
中には中古車で購入して買った販売店で修理をしても治らない様なお話もありますが。。。

KE車のアイドル時の振動って一口に言っても色々なパターンがあるのでそのパターンに応じて考えられる原因箇所を潰して行くのですが。。。
勿論、点火系のトラブルも考えられるから一応点火プラグも外して確認しますが、多くは温まるとオーナーの感覚的にはモタついたりせずに普通に走れてしまうと言うからこの問題の主原因から外れる。。。

エンジンの冷間時始動と言う基本的な動作パターンから可笑しいとなるとコールドスタート時の燃調コントロールを疑う事になる。
冷間時のコールドスタートバルブの動作確認が出来た上でEHA(FUELガバナー)の制御信号を取得してみると多くはEHAへの入力信号不良が認められる。
この信号不良、、、いきなり正常値と大きくズレる訳じゃなくて時間を掛けて入力信号値が正常値と大きく掛け離れて行く。。。この部分についての解説は後程。。。

EHAへの入力信号不良はフューエルデスビ手前での燃調制御不良を招き多くは燃料が濃い目に推移して行く。。。
まだこの段階では冷間時の始動不良やアイドルUP不良には繋がらないが車検の排ガスのCO測定で基準値を超えてしまい車検はアウトとなる。。。
すると、、、多くの車検屋やロクな知識も有していない車屋はポテンションメータ式エアフローメーターのプランジャーの禁断のADJ六角ネジを回して燃調の燃料濃度を薄くして車検を通してしまう。。。
その時点では冷間時にチョイとクランキングが長い位で「こんなもんか」と乗ってしまうがEHAの入力信号不良は悪化の一途を辿り、、、季節が変わり温度、湿度の条件が変化する事でコールドスタート時の始動困難、アイドルUP不良などの症状に見舞われる事になる。。。

その時点でオーナーは「異常」と判断し、修理業者に頼る事になるがKEのシステムを理解していない整備士はインターネットの情報を基に手当たり次第の修理と称する弄り壊しに入る。。。😑

高価なアイドルエアバルブをパーツクリーナーで洗ってしまってパーにしてくれちゃったり、、、壊しちゃったから大陸コピー品に交換してその場を誤魔化して治したフリ。。。
酷い場合は出所も不明な中古部品でナイナイ。。。😑
手当たり次第の部品交換でオーナーに車を返して来るが結局は完治せず。。。

勿論、この時点でEHAを交換しているケースもありますが、、、EHAへの入力信号が不良なのではそりゃ新品のEHAでもキチンと動作しまへんわな。。。
更にココで先述の禁断のADJ六角ネジをグルングルンと回してくれちゃってたりしてその場はちょっと改善した気がするかも知れないが気温や湿度の推移に関係してまた再び冷間時始動不良やアイドルUP不良に見舞われる事になるのである。。。

こうなった個体がウチに入庫すると、、、最初に申し上げた様に点火系のチェック後、、、温間時に其処其処走れちゃう何て話だとEHAの入力信号不良を疑うのです。。。

このEHAへの入力信号はKEモジュールから出力されているモノでポテンションメータ式エアフローメーターや水温センサー、O2センサー、モノによっては外気温センサー等のデータを基に燃料噴射量をEHAに指示しています。
つまり、センサー類の不良によってEHAへの積算データが狂う事も御座居ますが最近はKEモジュール内部の劣化による積算不良のパターンが多いですね。。。

EHAへの信号不良はKEモジュール内部の基盤の劣化が招くトラブルですが、基盤上の電解コンデンサーの耐用時間超えによるキャパシタンス不良を始め、電圧検出回路上のダイオードの劣化不良、湿気と酸化による基盤上のハンダ不良等の要素が絡んで正規の積算値出力からズレます。
この出力値ズレも基盤上の各実装部分の劣化度合に比例して大きくなって行きますので、、、既に30年選手を迎えようと言う年式の毒車ですからねー。。。😅



☆画像はイメージです。


で、、、KEモジュールの基盤O/HによってEHA信号を正常化すると禁断のADJ六角ネジをグルングルンと回した弊害がハッキリして混合比が思いっきり狂っている事を知る事になります。。。😓

つまりEHA信号を正常化する事でその個体に対する「犯歴」が明確になる事も多い訳です。

KE車は何でも屋の修理屋だの中古車屋に手に負えないモノだとも言えます。

KE車は絶好調だと気持ちの良い乗り味が楽しめる個体ですが不調を抱えると気分もネガテイブになる個体です。

口ばかり達者で調子の良いフロントマンや自慢話ばっかしとるプライド高の整備士に御注意を。。。