以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

今夏も出ました。。。突然死。。。

2021-08-23 10:48:00 | 日記
今夏も搬送されて来ました。。。

関越自動車道の嵐山小川辺りで突然死したW124 500E君。。。

先週、8月21日(土)の夕方にオーナーさんからの入庫受付依頼。。。

高速走行中に突然ASRランプが点灯❗️続いてエンジン停止で警告灯が全点灯〜❗️

路肩に停車してエンジン再始動を試みるもエンジン始動不可。。。😱

積載車のお世話になってドナドナされて当社に入庫。。。

オーナーさんからの聴き取りで大体の故障原因を推定していたので取り敢えずの社内テスト用代替部品を片手にCPA状態の500E君をお出迎え〜。。。

ウチのマンションの敷地に積載車を誘導してフラトップを地面に下ろしたところで一旦500E君のボンネットをOPEN❗️

一旦イグニッションONでエンジンルームに耳を澄ますと、、、インジェクションの動作音がしていない。。。

CPAの原因は予想通りだとモジュールBOXを開けてGMモジュールを交換。

して、、、イグニッションONでエンジンスタート。すんなりエンジン始動。。。

取り敢えず現車を当社の駐車枠に自走にて移動。。。

不動の500E君を押さなければならないと覚悟しきっていた積載車のドライバーさん。。。
かなりホッとした表情でした。。。🤗

何せ500Eは重いからねー。出来るなら押したくないよね〜。。。🤣
ドライバーさん。お疲れ様でした〜。。。

で、、、一夜明けた翌日の昨日。。。

外したGMモジュールを検査。。。

エンスト時に最初にASRシステムが停止したと言う事から先ずはASRシステムへの電源供給部分、、、F2回路を追う。。。


F2は燃料ポンプリレーコントロール電源のプラス側にも電源供給を行なっている。。。
ヒューズは飛んでいない。。。ってコトは過大電流の流入の疑いはシロ。

GMモジュールを開けてF2系統を追う。。。

仮通電試験でスイッチング回路の電位試験を実施。。。

するとF2スイッチング回路の出力側(FET回路のドレイン側)の半田が溶解。更に回路保護用サーマルプロテクタが断線していた。。。

この状況から考察するとASR/ABSハイドロリックポンプユニットのポンプモーターやフューエルポンプリレーコントロール回路からの電源OFF時に発生するキックバック電圧を緩衝する為のサープレッサーとFETのドレイン側との接続半田が少々手荒なキックバック電圧を喰らって過熱して溶解した様だ。同時にFETのドレイン側の出力接続部分の半田も溶解して断線した様だ。。。
実はウチの無接点リレーはシステム保護の為、ノイズにも等しい過大電圧を伴う異常なキックバック電圧が負荷から突入した際にわざと半田が溶解して断線させる安全対策をとっている。
ヒューズは過大電流で溶断するが過大電圧では飛ばない。
電圧のエネルギーの多くは熱に置換されるので異常な電圧は熱エネルギーとして基盤を異常過熱させる。その作用を利用した安全対策にサーマルプロテクターと言う部品が電子機器などには用いられる。
回路の過熱原因は異常電圧ばかりでは無いがモーターやコイル等の誘導負荷回路の場合は負荷の異常による基盤へのストレスが過熱の原因ともなるので焼損防止対策が重要な訳である。


と、話が横道に逸れてしまったが、、、今回はGMモジュールの定格を越した外部負荷の作用によるF2スイッチング回路のフェイルセーフだった訳である。。。

定格以上に過熱したFETは内部破壊が進んでいる事が多いのでFETは交換。。。

コレにてエンジンは始動出来る様になったが今回の故障の根本原因の仮説を絞る為の検証が必要となる。。。

ASRハイドロリックポンプモーターの回転時リアクトル値の把握とその他F2回路に接続される誘導負荷のリアクトル値の測定。。。

診断機による故障発生時のエラーの取得。。。

把握したデータの内容から検討するに主原因はASR/ABSハイドロリックポンプユニットにあると言う結論に。。。

因みにこのポンプユニットはデイーラーさんでは新品交換対応で1,280,000円也‼️😱

ウチではユニット脱着O/Hの上でブレーキフルードラインのフルード全交換。。。

結構な高額修理になるが『安全』を買う為の修理である。

そのコストが支払えるユーザーだけの車種になったと言う訳である。。。