朝露の降りる季節になりました。
散策のとき、二日に一回ぐらいの割合で通る羽中橋の欄干です。下を流れるのは富士川。
羽中橋を渡って、川の右岸を上流に向かって歩く。逆のこともありますが、私のいつもの散策コースです。
羽中橋から歩いて十分ちょっと。一棟のアパートがあり、そこの一室に棲む老嬢が多数の猫を飼っています。
今日は生まれて一か月ほどの仔猫三匹のうちの二匹-三毛と茶虎-が外に出ていました。三匹の成猫に取り囲まれていますが、この中に母猫はいません。
どこかに行ってしまったり、死んでしまったりする猫がいれば、新たな生を受ける猫もおり、いま、老嬢の家で暮らしているのは十一匹、だそうです。
母猫はこの猫です。
ワルそうな目つきをしていますが、ミーといって、以前は飼われていたのに、家出をしてしまったそうなのです。ワルそうな目つきになったのは、世間の荒波をくぐっているからかもしれません。
家出といっても、遠くに去ってしまうことはなく、家出後も付近に出没。老嬢が餌を与えれば食べて、食べ終わるとどこかに姿を隠す。
子どもを産んでからは再び老嬢の家に寄宿しています。父猫は不明。
私に限らず、誰とでも仲良しになるマユ(♂)です。
左だけに眉があるように見えるのでつけられた名です。
マユが完璧な猫背を見せてくれています。
体操の採点でいうと、文句のつけようがないフィニッシュなので10・0。人によっては、尻尾を前脚のほうに丸めていたら、なおよかった、とも。
人なつっこい猫で、初めて会ったときから私の足許に寄ってきて、さかんにマーキングをしていました。十一匹もいる猫の中で、私を認めると「ニャー」と鳴きながら小走りに走ってきてくれるのも、このマユだけです。
私が車止めに腰を下ろすと、尻尾をピンと立てて、私の靴やスラックスの裾にマーキングしながら私の周囲を一周します。ときには二周三周することもありますが、廻り終わると、近くで箱坐りをします。
不思議なのは、坐る場所は必ず私とは背中合わせで、真後ろであるということです。
画像の真ん中-顔を半分だけ覗かせている黒白の猫殿がいます。うさ伎(うさぎ)に似ていますが、うさ伎ではありません。この家の持ち主の苗字から一字をとって、樽吉と名づけました。