桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

越谷を歩く(1)

2011年07月30日 22時05分10秒 | 寺社散策

 埼玉県の越谷の小散策をしてきました。
 所用があって越谷レイクタウンに行ったので、その帰りのことです。

 越谷という町には馴染みがありません。去年、栃木市と古河市をそれぞれ散策した帰り、乗り換えのために南越谷という武蔵野線の駅と新越谷という東武線の駅を利用したのが、この地に足跡を記した最初ではないかと思います。
 所用を終えたあと、越谷レイクタウン駅に戻っても、いまのところは巨大なショッピングモールしかないこの駅に用はないので、武蔵野線で一つ先の南越谷へ行き、清蔵院という真言宗智山派の寺を訪ねることにしました。
 清蔵院があるのは蒲生本町というところですが、私が持っていた地図にはそのお寺は載っていませんでした。


 南越谷駅から日光街道(国道4号線)を南に真っ直ぐ歩くこと二十分足らず、蒲生西町という交差点を越した左手一帯が蒲生本町です。



 ボウボウと吹っ飛ばして行く車に追い立てられるようにして交差点に着くと、高い建物はなく、寺の伽藍があればすぐ見つけられるだろうと思ったので、蒲生本町の周囲を歩いてみることにしました。




 蒲生西町の交差点を左折して七分ほど歩くと、墓地が見えたので、あったあったと思いながら近づいてみると、清蔵院ではなく、光明院という真言宗豊山派のお寺でした。
 開山は弘治二年(1556年)。本尊は阿弥陀如来。

 ときおり背伸びをして、どこかの家の屋根越しに寺院を思わせる大きな屋根が見えぬものだろうか、と思いながら歩きましたが、あいにく見えません。



 清蔵院を捜すのは諦めて、東武線の駅目指して方向転換をすると、江戸時代の代官所か奉行所を思わせるような門が目に飛び込んできました。



 何があるのだろうと思って近づいてみたら、奥のほうに山門があるのが見えました。目的の清蔵院でした。
 真言宗智山派の本山は京都・智積院です。智積院の入口にはやはり冠木門がありますから、本山にあやかったのでありましょうか。天文三年(1534年)の開山。本尊は十一面観音です。
 山門は、屋根など部分的に改造されていますが、その棟札により寛永十五年(1638年)、関西の工匠による建立であることが確認されています。ことに欄間に掲げられている龍の彫刻をはじめ、虹梁の彫刻なども江戸初期の素朴な彫刻様式が伺われます。
 なお、暗いので龍がどこにあるのかわかりませんでしたが、伝説では左甚五郎の作といわれ、夜な夜な山門を抜け出して田畑を荒らしたことから、これを金網で囲ったといわれています。



 境内を見学させてもらおうとしたら、山門にはこんな注意書きがあったので、門内には一歩も足を踏み入れることなく引き返すことにしました。



 清蔵院から徒歩十二分で東武鉄道の蒲生駅に着きました。ここから越谷まで二駅だけ電車に乗ります。



 越谷駅で降りて、市役所を目指します。この日は土曜日で、市役所は開いていませんでした。しかし私は金曜だと勘違いしていて、観光パンフレットを手に入れんものと市役所を目指したのです。

 市役所前に到り、歩く人もいない上に、駐車中の車の数もまばらであったことを不思議とも思わず、玄関前まで行って、自動ドアが開かないことで、ようやく平日ではなかったことに気づいたのでした。



 市役所に向かう途中で横切った旧日光街道と思われる町並み。
 越谷には日本橋から数えて三つ目の越ヶ谷宿がありました。



 元荒川に架かる宮前橋までは越谷駅から市役所経由で徒歩十七分。宮前と名づけるからには、お宮があります。



 珍しい形の注連縄(しめなわ)です。



 久伊豆神社。
 私はお寺を見かければ、それがどれほど小さなお寺であろうとも、寄ってみずにはいられませんが、神社はすべて寄るわけではありません。
 ここは注連縄に惹かれて足を踏み入れました。予想もしてみなかったような長い参道がありました。
 家に帰ったあと、地図で計測してみると、500メートルという長さでした。主祭神は大国主命、言代主命(恵美須)。創建年代は平安時代中期。



 樹齢二百五十年、株回り7メートルの藤です。埼玉県の天然記念物に指定されています。



 長い参道の奥には、これまた予想もしなかったような立派な社殿がありました。

 

 久伊豆神社と入口を接するようにして、浄土宗の天嶽寺があります。
 開山は文明十年(1478年)。開山の専阿源照は太田道灌の伯父と伝えられる人物です。



 中門。

 


 中門の木鼻。可愛かったので、画像を載せました。



 本堂。

 このあと、元荒川に沿って歩きます。〈つづく〉



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