枝垂れ桜の様子を見に清瀧院へ行きました。樹齢四百年といわれる古木です。
開花はまだでしたが、蕾はいまにも咲きそうにふくらんでいて、写真では味気なく見えますが、実際は樹全体がぼんやりと薄紅色に見えるのです。
ときおりサッと風が吹き、枝垂れ桜の枝がユラユラと揺れます。カメラを構えたままで風の熄むのを待っている間、風鐸(ふうたく)がカランと鳴るのを聴きました。
間断なく揺らすほどの風ではなかったとみえて、カランカランではなく、カラン……またしばらく時を置いてカラン……。数十秒から数分というこの間(ま)が……じつにいい。
あまりいい趣味ではないね、といわれるかもしれませんが、私は卒塔婆が風にパタパタッと鳴るのを聴くのも好きです。ただ、程度問題であって、あまりにも強過ぎる風があって、パタパタパタパタと鳴るのはうるさいだけとしか感じられませんが……。
自分では風は鬱陶しいだけで好きではないと思ってきましたが、風鐸が物静かに鳴る程度の風ならいい。これから、風のある日は風を毛嫌いせず、風鐸の音(ね)を聴く楽しみができたと思うことに致しましょう。
ただ、風鐸は高いところにあるので、音を楽しんだあと、どんな風鐸が吊されているのかを確認するために、遠眼鏡を持つようにしなければなりません。
風鐸メーカーのホームページを覗いてみたら、普通型、長方型、大和型、飛鳥型と四種類あることがわかりました。
全体の形にそれほど差異はありません。模様や穴の形や位置などの違いで呼び名が異なるようです。このメーカーの区分けによれば、清瀧院の風鐸は飛鳥型です。
本堂前にはかなりの古木と思われる染井吉野があります。開花はまだ数輪でしたが、今年初めて見る桜の花です。
先月末、東京で開花、高知で開花、というのをニュースで聞きながら、どうも今年は桜と聞いてもピンとこないなあと思っていたら、我が庵近くには桜の樹がないのでした。
一番近いのは本土寺仁王門前の桜並木で、歩けばものの三~四分ほどではありますが、このところ散策に出るというと、富士川に下りることが多いので、反対方向になるのです。
付近でもう一つ枝垂れ桜で名高いのは東漸寺です。清瀧院から東漸寺まで歩こうと思い、途中にある廣壽寺にも寄って行くことにしました。
廣壽寺の風鐸。
少し小ぶりです。ここも飛鳥型のようですが、真下から見ると、清瀧院が楕円形をしているのに対して、こちらは正円形です。
廣壽寺には何度もきているのに、歴住の墓参を済ませていなかったので、ちょっとお邪魔をさせてもらって焼香しました。画像下の中央が開山・色翁長瑞大和尚の無縫塔。
かたわらに「歴住諸位大和尚譜」と彫られた石盤があって、それによると、開山大和尚が示寂されたのは寛永十一年(1634年)。
廣壽寺の創建はその七十二年前、永禄五年(1562年)と伝えられているので、ほんのちょっとだけだが、辻褄が合いにくい……という気がしないでもありませんが、長瑞大和尚が若くして開山となり、長命の人であったのなら、ない話でもありません。
廣壽寺から前ヶ崎のあじさい通りを抜け、猫の小春がいる香取神社前を通って東漸寺に向かいます。その途中の民家にあった枝垂れ桜です。
東漸寺門前に掲げられた今日の標語は故・坂村真民さんの「念ずれば花ひらく」。
東漸寺の枝垂れ桜(樹齢三百二十年)はほぼ満開でした。北小金駅から近いので、さすがに人も多く、そこかしこでシャッターを切る音。
花の前には十脚ほどのパイプ椅子が置かれ、老嬢がズラリと並んで鑑賞中でした。「こんな天気のいい日に桜が観られてよかった……」と、その中の誰かが一言。
ほんに毎年のことですが、桜の見ごろに晴天という日は滅多にない。
清瀧院から東漸寺までは歩けば三十分以上かかりますが、3キロも離れていません。つまり、気候はほとんど変わらない(と……考えていい)。それなのに、去年の開花も清瀧院のほうが一週間遅かったそうですが、こんなに差があるとは……。
東漸寺本堂には風鐸はありませんでしたが、本堂前に置かれた大香炉の屋根にありました。先の分類に従えばこれは長方型。
参道沿いにある枝垂れ桜です。樹齢等は不明ですが、古木でないことは確かだからか、立ち止まって見上げる人もなく、カメラを向ける人もつむじ曲がりの某一人、とぞ。
↓清瀧院から東漸寺までのマップをつけました。
http://chizuz.com/map/map87298.html
夕方、また地震がありました。
震源地は茨城県南部で、鉾田市では震度5弱を記録。松戸は震度2とのことでしたが、結構長い揺れを感じました。しばらく強い地震がなかったので、忘れかけていた地震酔いが復活しそうな兆しがあります。
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