今日から、日本橋図書館で絵本講座が始まりました。
全10回の第1回めです。
私は5回目の担当ですが、できるだけ参加して、いろいろ勉強したいと思います。
講師は、小松崎進先生。
教師生活39年。「この本だいすきの会」代表として25年。現在83歳。柔道は黒帯。
講義内容は「こどものこころとことばを育てる読み語り」でした。
私としても、このお年の男性の先生の読み聞かせは初めてでした。
半世紀以上子どもたちに、絵本を読み続けている先生にお会いするのも初めてでした。
一度も椅子に腰掛けることなく、柔らかく深い声で、1冊1冊の絵本に思い出と愛情がたっぷり込められているように、先生の教え子たちのエピソードを交えながら絵本をたくさん読んでくれました。
先生の出会ってきた子どもたちは様々な形でたからもの絵本を見つけました。
けんかばかりする男の子、じっと椅子に座っていられない男の子、お父さんと離れ離れになっている女の子、授業中一言も話さない男の子の話。
みんなみんな先生の読んでくれる絵本を待っていた子どもたちばかり。
その子たちの宝物になった、私も大好きな「泣いた赤鬼」「大きな木がほしいな」「かたあしだちょうのエルフ」「しずかなおはなし」は、前にも増して、私の想い入れも深くなりました。
私が好きなお話というだけでなく、心をつなぐ大切な、語り守り続けたい絵本になりました。
「すみれ島」を読んだ時は、先生の特攻兵時代の話をしてくれました。
壮絶な部隊の訓練。目の前で死んでいった仲間の最後の言葉「おかーちゃん」。
先生の歴史が全部詰まった読み聞かせは私の記憶に留まるものになりました。
この話をしないではもう、私は「すみれ島」を読むことができないくらいです。
初回の講義から、うるうるしてしまうことが何度かありました。
今日の講義を通して、私も短い時間に何冊かの絵本を読むことしかできなくとも、その1冊が子どもたちの心に光を与えてくれると信じ、心をつなぐ宝物を、待っている子どもたちに届けたいと思います。
明日は朝の読み聞かせ。
小学校6年生のクラスです。
何を読もうかな。
待っててね