29日、小平市の図書館で岩崎京子先生の講演会がありました。
日本民話の『かさじぞう』は、皆さんきっとどこかでふれていると思います。
私は、小学生の頃、国語の教科書で、『かさじぞう』の再話である『かさこじぞう』を読みました。
その作者が、岩崎京子先生です。
今年一月の最初のお話し会で私が読んだ絵本『十二支のはじまり』もそうですし、その他にも、『ききみみずきん』『ゆきむすめ』『かちかちやま』など、岩崎先生による再話本はたくさん出版されています。
今、私もここ数年、地方の民話の採取、再話ということに少しずつ取り組んでいるところで、先生のお話をぜひ聴きたいと思い参加しました。
講演会のタイトルは「私の歩んできた道」でした。
私と先生を繋げたものは、『かさこじぞう』が最初でしたし、子どもたちにも、今までに何度も読んでいるし、冬のお話し会などでの定番語りともいえます。
クリスマス会でもリクエストされるほどです。
その先生のお話なので、発する声を聞いているだけでも嬉しい気持ちが強かったです
講演会では、今までに再話された話のエピソード、家庭文庫、学校訪問、残酷物だと言われた民話の話、戦争を伝えていく話と二時間の中では語りつくせないほどいろいろお話ししてくれました。
先生は大正11年の生まれ。それこそ、民話を書きながらの日本の移り変わりの様子も同時に聞けるようでした。
『かさこじぞう』のお話は、私も愛着があるので楽しく聴きました
何よりも、先生のお地蔵様への親しみの気持ちが強く現われている作品だということを知りました。
今では、もう少なくなりつつある地蔵信仰の話も交え、
「小さい頃、よくお地蔵さんと遊んだのよ。遊んでいる様子をお地蔵さんが、ずっと見守ってくれているように思ったり、まあ、遊ぶというとね、首にゴムをひっかけてね・・・」なんて楽しい少女時代のお話もしてくれました
それから、本を書く時には、何でも、徹底した取材をしている話は、私も学ぶところでした。
『花咲か』を書いたときの、植木屋さんへの取材、歩いた距離は、びっくりするほどです
家庭文庫での子どもたちへの読み聞かせの中での、温かいやりとりは、やはり穏やかになるものでした。
私が、心に留めたのは、
「子どもたちの枠を広げてあげる。絵本にも個性があり、子どもたちにも個性がある。そのフィーリングが合うものを見つけさせてあげたい」という言葉です。
私がお話し会の最後に
「見つけてね~宝物の絵本♪」と歌っていますが、その願いがまた、しっかりと心に刻めました
最後に、先生とお話ししました。
私に笑顔でさらっとおっしゃいました。
「あなた、ドイツとかフランスのお話、再話して語りなさい。なんかとっても合いそうよ!」
光栄ですが・・・実に大変なことですね。
ペローを目標に来年はがんばりますか