今日は、ほんとに肌寒い一日でしたね。
毎月第4火曜日は、国立関サロンでの「火曜の会」
今日は、文豪川端康成の名作『伊豆の踊子』
(新潮文庫)
大好きな書き出し・・・
「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。」
もう、何十回目だろうか。
読みだした瞬間、現実の雨脚から、『伊豆の踊子』の世界の雨脚へと心を飛ばせてくれます。
金環日食、スカイツリーと、ざわざわ人が動き、街がざわめき、高いものを見上げるここ数日でしたが、
何か一気に、土の上を踏みしめる足を感じ、時の流れも変わるように思われます。
主人公、二十歳の旧制高校生「私」の伊豆への一人旅に、一緒に身を置きながら、
旅芸人一座と、時を過ごし心を通わせたかのようなリアルさを持って、川端の世界にどっぷり浸りました。
「空気が変わったわね。とっても清涼感・・・」
皆さんの最初の言葉です。
今日は、踊子と「私」の二人の心情を表す距離感がすごく伝わってきました。
最後の場面の「私」の涙、その時の様子に、人と本当に心を通わせたときに思う、痛さと温かさと両方が私の胸にもきました。
「旅は道連れ、世は情け」そんな心の旅をまたしてみたいなぁ。
若いころの一人旅はいいですよね。
川端文学。美しい文学です。
私ですが、今月もう少しで誕生日を迎えます。
誕生日に寄せて、1925年生まれのタカコさんが筆で書いてくださいました。
5枚つづりのお手紙と一緒に。
それから、バラ好きを知っていてくださって、
素敵なベルベットの深い緑の巾着
その中には・・・
カセットテープ!!
素敵な曲を録音してくれました
ありがとうございます。
子どもたちに心からの語りをしていきます。
メッセージも、想いも心深い所に留めて、しっかり生きます。
末永く、ますます素敵な火曜の会になりますように。
感謝をこめて。
やえ