今年最初の火曜語りの会。
メンバーの方が先週お亡くなりになったと聞きました。
お年は90歳。
とても悲しかった。
2年ほど前から歩くことが辛くなり、会には参加できなくなっていました。
身辺を潔くしっかり片付けられて、親しい方に年賀状でお別れの挨拶を書き、ホスピスには入られて二日後だったそうです。
『義経千本桜』が好きな方で、年に一度桜の時期に語るのがこの会の恒例になり、私はそれを、随分と大げさに語って、精一杯楽しんでもらおうと心がけていたことを昨日のことのように思いだします。
「やえちゃん、何回聞いてもこれ楽しいわね」と、お上品にうふふと笑われる声が聞こえてきて、涙が出ました。
火曜の会は、主催のタカコさんの女学校時代のご友人たちプラスお知り合いの方で、物語を楽しむ会としてスタートしました。
80歳からの文学会です。
始まったのが10年前。
時にはみなさんの若かりし頃の思い出話に耳を傾けて、私の方がそのお話を楽しんでるような会です。
会でお亡くなりになった方はもう、3人目。
みなさんの微笑みが忘れられません。
ソファに座ってゆっくりと聞いてもらうとても近い会。
語らいの会でもあって、心の距離もとても近かった。
それぞれ、別れはとてもつらいです。
でも、いつかお別れの時が来ると覚悟している会でもあり、眠るように天に召されたと、最後の最後に目を開けて静かに旅立たれたと聞くと、天命を全うされた生涯を尊く感じ、命というものについて本当にありがたく思うのです。
今日は、会に行くまでIさんが亡くなったことは知りませんでしたが、手にしていったのは短編童話でした。
小川未明の、童話集。
そのうちの5編を読みましたが、
優しい想いのうちの命を優しく弔うファンタジーのお話で、優しく美しかったIさんがふわっとそこにいて、微笑んでいるように思われ、Iさんに聞いてもらう気持ちで読みました。
読み終わり、タカコさんが女学校の頃のまさに火曜の会の方々の乙女の姿を写したお写真を見せてくださいました。
なんて素敵で可愛らしいこと!!
ずっと仲良しだったのですね。
これからは、お空の星となってこの会を天から見守っていてくれるでしょう。
Iさん、素敵な時をありがとうございました。
火曜の会は、本当に尊い大切な会です。