細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

研究費

2007-11-10 12:12:57 | 職場のこと
国立大学の予算も、国、文部科学省の方針により、年々減っています。
自動的に?各研究者に配分される研究費・教育費はどんどんと減り、
昨日ある大学の先生に聞いたところでは、年間20万円程度だとか。

もちろん、コピー費、出張費などすべて含んだ額です。
これでは何もできませんね。

文科省の科研費に外れたら、基本的には無一文に近くなる。これでは、研究をバリバリやることはできないし、教育の質も落ちざるを得ない。

まあ、それは何とか打開しないといけません。科研費以外の助成金に申請するとか、民間との共同研究を仕掛けるとか、同じ分野の研究者で連携するとか。まあそれは皆さんやってるだろうし、私も当然やってます。

それよりも昨日その先生と話していて気になるのは、教授・准教授・助手のグループは解体され、教員個人の研究室体制に移行していくのも良いとしても、「安全」は大丈夫ですか?ということ。

学生が夜も徹して実験しているようなところもあり、しかも教員個人が管理する研究室で、教員が出張してたらどうなる?何か事故が起こったら対処できるのか?最終的に責任を負うのは大学だぞ。と気になるのです。そんな危険なことが放置されている研究室は世の中に山ほどあることは間違いない。

私の研究室は、危険を伴う作業はスタッフ3名のうち誰か1人はいるときでないとダメというルールにしています。したがって、夜間の危険作業は禁止。しかし、将来的には人員削減の方向に向かうと思うので、とにかく学生の「安全」を念頭においた研究体制を構築できるよう、工夫を続けたいと思っています。

予算も減らして、講座制も解体するのは、理念としては良くても、教育現場がどうなるか、よく考えていただきたい。企業とは違うのですよ。

プラスの面を

2007-11-10 09:57:29 | 教育のこと
昨日は、JCIのひび割れ自己修復委員会があり、その後懇親会でいろいろ語り合いました。

「人間にはいいやつと、悪いやつがいる。いいやつを見抜けるようにならないといけない」ということをおっしゃった方があり、それは私もそうだとは思います。

が、私は反論しました。「人間は、誰でもいい面と悪い面を持っている。どちらかだけという人はほとんどいない。私は、みんなのいい面を引き出したり、統合したりして、いろんなことをやっていきたいと思っている」と言いました。

教育という仕事に携わっていると、当然できの悪いやつや、考え方の未熟なやつがいるわけです。また、悪ぶっているやつだっている。だからと言って、彼らを見放しては教育になりません。

大人の社会は大学とは違うのかもしれませんが、私はプラスの面を統合していくことは可能だと感じています。いざという時に裏切られる、ということもあるのかもしれませんが、そのときはそのとき。もっと強烈なプラスのエネルギーで統合していこう、と心の中で思いました。