細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

源平

2010-10-10 13:17:40 | 趣味のこと
吉川英治の「源頼朝」を読み終わりました。

吉川の超大作である「新・平家物語」への布石,という位置付けもあろうこの「源頼朝」ですが,読み応えがありました。

わずか五,六百の兵しか携えていない頼朝のところへ,二万もの兵を携えた上総介広常が参上したときに,参上が遅れたことで頼朝が広常を付き返した有名な場面の描写には見ごたえがありました。頼朝が父親の義朝の敗戦で孤児になった場面から,壇ノ浦で義経が平家を滅ぼすところまでを単行本わずか2巻で描いているので,有名な場面の吉川の表現力には感嘆させられました。

義経は司馬遼太郎の「義経」で,政治に対してあまりにも鈍感な義経のイメージがこびりついていますが,これだけ人気のある武将なので,もう少し多角的にいろんな作家のイメージをインプットしてみようと思いました。

次は,いよいよ「新・平家物語」を読もうと思っています。今日から1巻を読み始めます。

我が国の歴史の6つのスペクタクル(海音寺潮五郎)の1つである,源平の争いにどっぷりつかることになりそうです。

刀を研ぐ

2010-10-10 09:51:08 | 人生論
7つの習慣に,「刀を研ぐ」という習慣があります。

人間は,日々の責務を果たすために一生懸命生きているわけですが,その責務は将来にわたって一定ではなく,活躍する人ほど責務はどんどんと大きくなります。とんでもない勢いで責務が大きくなっていく人もいます。

社会に出たばかりの若い人たちが,新しい仕事を任され,その重圧に押しつぶされそうになる話をよく聞きます。私もかつてはそうであったのでその気持ちもよく分かります。

今の私の仕事だって,私は楽しみながら日々を過ごしていますが,いろんな責務の固まりではあります。7年前に赴任した直後は,多くのプレッシャーを感じていました。今の時点で振返ると,英語で国費の留学生を指導し,一級の研究成果をあげて博士に育て上げる,ということが最も大きなプレッシャーだったでしょうか。人によっては,研究費を獲得する,などが大きな問題の場合もありますが,私の場合は幸いにいろいろと支えていただいて,それほど苦労せずに研究室を軌道に乗せることができました。

そこで,「刀を研ぐ」です。

今現在の責務を果たすために汲々としていると,将来に増大する責務に追従しきれない場合が多いと思います。つねに,自身の「刀を研ぐ」取組みや時間を設定し,将来に備える。読書で教養を高め,体を鍛え,感性を磨くことです。また当然ですが,専門分野やその周辺について勉強を重ねることです。

刀というツールも大事ですが,将来に責務が増えることに対しても心の準備をしておくことも重要です。岡村先生からは,常に一つ上の立場に立ったことを想像して,そのときにやるべきことを今やれ,と言われました。私はそのように実行しているつもりです。

刀を研いで,心の準備をしておけば,次々と責務が降ってきても,動じることは今のところありません。

何でもかんでもこなそうという気もありません。仕事,家庭も含めて優先順位を付ける考え方も徹底しているつもりです。ただ,子供の成長と合わせて,自身が仕事に割ける時間も増えるとは確信しています。今は,子育てを重視すべき時期です。

私自身がきちんと責務を果たすことにより,周囲の皆さんの活動が円滑に進み,その成果が社会に還元されるよう,努力を続けたいと思います。また,研究室のリーダーとしては,毅然たる態度を取り,大きなビジョンを描き続けることにより,研究室の活動を大きく前進させていくかじ取り役であると認識しており,そのように行動します。