細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

少人数ゼミのレポート②

2017-01-02 18:24:00 | 教育のこと

二人目の鈴木孝英君のレポートです。

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「『7つの習慣』を通して、人間学とリーダーシップを考える」

都市基盤EP 3年 鈴木孝英

1. はじめに

私は今回「人間学とリーダーシップ」というテーマの細田先生の少人数ゼミに参加した。本レポートでは、①少人数ゼミを通して考えたこと,②私のミッションステートメント について記述する。

2. 少人数ゼミを通して考えたこと 
 私が初めて課題図書である「7つの習慣」に触れたのは少人数ゼミが始まるよりも前のことであった。当時私はこの著書の本質が理解できず、しばらくの間本棚に並んだままであった。しかし今回のゼミを通して細田先生やゼミの参加者と議論を繰り返すうちに、この図書への理解が深まったように感じる。以下ではその内いくつかを挙げる。

(1) パラダイムという考え方

人はそれぞれ違う考え方をもった個人である。たとえ、同じ組織、同じ世代であったとしても個人が有している考え方や価値観は異なり、そのパラダイムを通して世界を見ている。私が正しい、当然であると思うことが他人にとっては全く理解されないものかもしれない。このように、他人は自分とは異なるパラダイムを持っていること、また私もパラダイムを通して世界を見ていることを理解しなければならないと考えた。

(2) 主体的でなくてはならない

今回のような少人数のゼミを例にとっても、積極的に議題を提示する人も受動的にそれを聞いているだけの人もいる。私は後者であった。しかし、2回目のゼミで細田先生が「君たち(特に学部3年生の参加者)のためのゼミだ」と仰っていて、そのときに私は「なんてもったいないことをしていたのだろう」と感じた。主体的でなければ自分が学習することもなく、いる意味もないのではと感じた。他からの刺激に反応的な人物ではなく、刺激を選択し、こちらからの影響も与えられるような主体性をもった人物にならなければならない。

(3) 影響の輪

ゼミの議論でも度々議題に挙がったが、「自分がどこまで影響を与えるか(与えなければならないか)」,「『みんな』とはどこまでを指すのか」ということについて。私は今まであくまで自分は自分、他人は他人という考えをしていたが、一見何の関係もないような人であっても実は関わりあっているということを理解した。しかしその中でも自分が影響を与えられる範囲は限られており、その影響の輪を広げるとともに、影響の輪の中の物事には主体的に良い影響を与えなければならない。そのことで相手からの信頼の貯金もできる。ただ自立するのではなく、相互に影響を与え、与えられることが成長する過程で重要である。

(4) 最優先事項を優先する

7つの習慣の中で最も考えさせられ、実行することが最も困難であるのはこの習慣であると私は考えている。現代では緊急であるが重要でないことにあふれていて、本質的に重要であることが分からなくなってしまいがちである。P/PCの話でもあるが、このPCが最優先事項にあたり、私にとってそれは人間関係の構築と将来のための勉強である。将来のための勉強は大学の講義もそうであり、英語や教養などがある。これらは受動的、反応的に学ぶことでは身につかず、自分で時間をつくり主体的に実行しなければならない。学生のうちから最優先事項を見極め、優先する習慣をつけることが重要である。

3. 私のミッションステートメント

最後に2016年12月現在の私のミッションステートメントを記述する。

「私の人生のミッションは、誠実に生き、私を含めるすべての人を幸せにすることである。」

このミッションを果たすために:

「私は誠実に生きる」 自分の評価だけを気にすることなく、他者の最善となる行動をする。
「私は妥協しない」 自分の時間、能力の全てを用いてミッションの遂行に一切の妥協を許さない。
「私は良い息子、兄、友人であろうとする」 両親や兄弟、友人への感謝を忘れず、信頼され、互いに影響を与えられるようにする。
「私は『恥』を忘れない」 たとえ原則から外れたとしても、自分の非を認め、謝罪し、この原則から外れないよう努める。
「私は向上心をもつ」 現状で満足せず、ミッションを更新するなどして、より成長するようにする。
「私は学ぶ姿勢を忘れない」 本から、知人から、偉人から多くを学ぶ。

以上のことを原則とし、これからも更新していく。

このように生き方を考える機会は少なく、このような機会がなければ考えなかったことかもしれない。とても有意義なゼミであったと感じ、このような機会を設けて頂いた細田先生や、多くの議論を交わした他の参加者には感謝しています。ありがとうございました。


少人数ゼミのレポート①

2017-01-02 18:20:34 | 教育のこと

学部3年生用の少人数ゼミで、私は「人間学とリーダーシップについて考える」というタイトルでゼミを提供しました。

学部3年生の男子二人と、研究室から修士1年の岩間君と、学部4年の十川君、石橋さんが参加してくれての議論となりました。

公開を前提にレポートを提出してもらいましたので、ここでは一人目の坂西純平君のレポートから。

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「人間学とリーダーシップ」より 自己啓発の契機

坂西 純平

このゼミで変わった事
・自分を成長させようという契機になり、その後の行動全てが変わった。
・自己啓発のために本を自分で買って読むようになった。
・出会った悩みや問題に対し、自分の人間性のどこの問題か認識するようになった。
・目の前の課題よりも、自分の人間性磨きを優先するようになった。

考えたこと
①自分の中心
 ゼミで、自分の中心は原則よりも自分中心寄り、その中でも特に承認欲求を満たす事に偏っている事が分かった。偏りを認識した契機は、7つの習慣を読んだ際に自分中心寄りだなと感じた事、ゼミで自分の中心について議論しても原則とブレがあり本質的なものではないと自覚した事、ゼミの後に周りの空気を気にしすぎているという指摘を受け、根本的な理由を考え、承認欲求を満たそうと空気を読み過ぎているという結論に行き着いた事である。

 ここで述べた自分の中心の偏りは、自分のミッションステートメントを作る際に目指す方向性の原則とのズレを及ぼし、過度に承認欲求を満たす計画が出来上がる原因になる。そのため、自分の中心の偏りを認識した上で、それを補正するように方針を立てている。

②ミッションステートメント
 承認欲求に偏っていた自分の中心を、「自分の生き方」に据えることにした。理由は、努力したり自分特有の考えを組み込んだりした事を「自分で」認められた時に幸せと感じる事、「後世への最大遺物」を読んで生き方を重視する重要性に気づいた事、ゼミで「他人のニーズに答えたい、それは誠実に生きるため、誠実に生きるのは次の代に何かを残すため…」と、根本的な原則を突き詰めた際に、最終的に何かを継承する事だという結論に至り、その「何か」とは自分の生き方だろうと考えた事、等がある。

 自分の生き方を大事にするとは、自分の場合は努力家になる事、その結果自分にしか出来ないものを生み出す事、と定義した。「自分にしか出来ない事」とは何かまで突き詰めなければ行けないと考えたが、ゼミで「今の時期に自分にしか出来ない事を理解するのは早すぎる」という結論に至った。

③最優先事項を優先する
 ミッションステートメントを立て実行しようとしたが、なかなか書いたことが実行出来ないという壁にぶつかった。その理由は3つある。1つ目は、所要時間の判断が出来ていなかった事、2つ目は、他にもっと重要そうな事を見つけて移る事、3つ目は、やる気にならない事である。1つ目は強制的に打ち切ったり慣れたりで解消するものであろう。2つ目と3つ目の根本的な原因は、ミッションステートメントと掲げた最優先事項にズレがある事だろう、と考えた。実行が出来なかった時は、ミッションステートメントや目標も見直す事にした。また、これまで当たり前にやっていた目の前の課題に対して、本当に今まで通りにやる必要があるのか、と自問自答するようになった。その結果、ミッションステートメントに合わない重要性の低いタスクは省略するなど、時間のかけ方が変わった。

このゼミに関して

ゼミ、並びに7つの習慣が何より自分を変えた事は、自分を変えようというきっかけになったことである。最優先事項を、目先の課題から自分磨きに向かわせていただく事が出来た。また、いざ実行してみて障害になる部分はゼミで疑問を投げかけ、解決への道筋を構築する事が出来た。

最後に

これから自分が行うべきは、自己啓発を継続し、まず言動一致をする事である。言動一致は、行動を律する事はもとより、自分の意思が最優先事項とズレていないかを省みる事も含まれる。こうして自分の最優先事項が固まり実行出来るようになったら、7つの習慣の次のステージである相互扶助に取り組む。ゼミと本で得た方針に従い、実行を継続する事と軌道修正を継続する事が今自分に求められている。