細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

研究!

2019-07-18 09:42:32 | 研究のこと

7月の8日(月)は朝から山口県へ出張。以前から行きたいと思っていた錦川上流の平瀬ダムを見学させていただき、その前には品質確保の試行対象であった森ヶ原トンネル(第1、第2)の視察、午後は、山口県庁にて山口県の施工記録データベースと機械学習を組み合わせた研究について打ち合わせを行いました。大変に充実した一日でした。

翌朝、9日(火)に羽田経由で札幌に移動し、JCIの年次大会に参加。学会ですので、もちろんいろいろな収穫がありましたが、毎年恒例の「生コンセミナー」で後半のパネルディスカッションのコーディネータをさせていただきました。多くの方々から好評をいただきましたが、御大である長瀧先生から少人数の懇親会にてしっかりダメ出しをいただきました。「君は生コンのことを何も分かっとらん」。ですが、「生コンの将来は君に任せた」とも言っていただきましたので、大いなる愛情のこもったダメ出しと受け止めさせていただきました。

長瀧先生を囲む懇親会の翌朝には、いつも親しくさせていただいている鹿島建設の坂田さんから2時間にわたる生コンの個人指導。ご自身がダムの現場で生コンを徹底的に勉強された経験も踏まえて、将来のコンクリート構造物がしっかりと構築されていくための、重要なレクチャーをいただきました。目から鱗のことも多かったですが、今後につなげていきたいと思います。

連休が明けて、7月16日(火)は、一日中、研究ゼミや研究のディスカッションでした。チェコ工科大学のStemberk教授(YNUコンクリ研のOB)も来てくれて、いろいろとディスカッションできました。ほぼ同じ年で、最近はとても仲が良く、今年の9月には私もプラハでの国際会議で招待講演もさせていただき、今後の連携が楽しみです。

この日のメインのトピックであった、首都高速道路との共同研究である「鉛直締めのPC鋼棒の破断突出対策」は、数値解析が我々のメインの役割なのですが、6体もの大掛かりな試験体で検証実験も行っている真っ最中で、なかなかエキサイティングな状況です。6体の試験体の実験だけで、私の最近の年間研究予算の2倍程度、となり、巨額です。とても大学でできる実験ではありません。また、数値解析が目的ではなく、数値解析も活用しながら2万本のPC鋼棒の破断突出による不具合が生じないようにマネジメントすることが目的です。そのような研究に携われていることを当たり前に思わず、自分たちにできる最善を尽くそう、と改めてチームで確認しました。

16日の夜に横浜での短時間での懇親会を終えてから盛岡へ移動。

17日は盛岡ー宮古間の復興支援道路の大規模トンネルにて、技術開発のための現場視察。山岳トンネルの建設のための技術開発のチームで現場視察とディスカッション。これまで開発してきた技術の方向性が良い方向に転換しそうで、とても意義のある時間でした。この技術開発も行く末がどうなるのかは分かりませんが、Construction、品質、耐久性にどっぷりと浸かる研究者にとってはとても大事な研究だと思っています。

あちこち動き回っておりますが、動きながら研究を推進していく、というある意味では私の一番得意とする状況です。一緒に研究に関わるメンバーがやりがいを感じて、いろいろと学びながら研究を推進してくれることを願っています。