細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

読書の意義(岡村甫先生の言葉)

2019-12-01 10:03:49 | 教育のこと

昨日は、岡村甫先生の講演会でした。合計4時間程度も、お話を伺うことができて、これまでの認識が深まったことが多く、また自らの決意を新たにすることも少なくなく、大変有意義な時間でした。岡村先生に指導いただいた多くの方々(シニアの大先生たちもたくさん)がおられ、皆様、同じように感じられたのではないかと思います。

私の場合、特に以下の3つが印象に残りました。

・教育の効果、影響の巨大さ。岡村先生も言われていましたが、結局は、廣井勇先生の言われていたことが、吉田徳次郎先生、國分正胤先生、岡村甫先生らを通じて、現代の我々にも色濃く伝わっている。岡村甫先生の場合は、Ferguson先生からの哲学も融合していますが、それらも私たちの中に流れてきています。教育の影響はあまりにも大きいです。私にも、様々な先生や先輩方からの哲学が流れ込んでいますので、それらを適切に承継し、後輩たちへつないでいくことこそが、私の大きな役割である、と再認識しました。

・自分の得意なことをやる。大事だけど自分の苦手なことは、得意な人に任せる。これも改めて、思いを強くしました。あれもこれもと手を出したり、色んなことを頼まれたりして、自分を見失いがちになることも無いわけではありませんが、自分にしかできないことをやるべきですね。私自身の場合、40代中盤に差し掛かってから、少し模索をしているように感じており、50代に向けて、今一度ヴィジョンを明確に持てるよう、日々の過ごし方を見直そうと思うきっかけになりました。

・良い師匠、同志、仲間たちに囲まれている必要がある。一人では何もできません。多くを学ぶことができ、刺激し合える方々と一緒にいないと、何事も無し得ません。人が育つ環境を整備することが我々教育者の役割ですが、自分自身が育たないと、教育者の役割も全うできません。そのような環境の整備に全力投球したいと改めて思いました。

さて、本題の、読書についてです。

私も講義等で、読書の大切さ、について私なりの言葉で伝え、多くの本を紹介していますが、昨日の講演会で配布された高知工科大学特別講義録「平成の竜馬をめざせ!」に収録されていた、岡村甫先生の言葉です。

「『夢』

曽野綾子さんも言われたように、知識を得るには本を読むことが非常に良い方法ですが、我々の年代より諸君たちの方が自由な時間が多いのに、本を読む時間が少ないと聞きます。我々の世代は、本を読むことによってたくさんの宝を手に入れました。常に夢を持っていると、色々な本が目に付き、読みたくなり、読むとその周辺の知識が増えます。夢と知識があってはじめて新しい仮説を立てることができます。

私は、鉄筋コンクリートを統一的な方法で解くことが夢でした。夢を持っているだけで特に努力はしていなくても、その夢に関連する何か大切なことに行き当たります。そして多くの知識がその夢の周辺に集まり、新しい仮説が浮かんでくるのです。夢を持っていないとそれを見過ごしてしまいます。

先ほど、「運」が大切だといいましたが、運は自分から呼び寄せることもできるのです。夢を心に懐き続けていると、ある日運良く大事なことが見つかることがあります。夢をもっていないと、良い運にぶつかっても気が付かないで、その運を取り逃がしてしまうのです。

諸君が、それぞれの「夢」を持つことを願って今日の話を終わりにします。」


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